日本のジャズを聴け     (和ジャズBlog)

最近の日本のジャズは、もの凄く面白い!! もっともっともっと聴いて欲しいので、たくさん紹介します。

石田幹雄3(20210227)

2019年に聴いている、石田トリオでありますが、
 "石田幹雄3(20191218)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/472733862.html )
この時が久々の再開セッションで、その後ライブレコーディング、いくつかのライブを経て国立に戻ってきたところでその演奏を楽しませてもらおうってのが参戦の動機。
その最新作が
 "緑輪花" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/480133670.html )
新作リリースツアーのライブはルーツである北海道の各所はじめ要所で企画されていたのは告知で知っていましたが、のっけからコロナの影響でスケジュールの中止に変更にと色々予期せぬ自体に遭遇してたようです。
最終的に国立のお店でのライブは予定通り開催できる運びとなりまして、当日朝に急遽予約を入れて参戦させていただいた次第であります。

ステージセッティングは前回同様、ピアノがちょっとだけ前に出したほぼ定位置、左奥に少し余裕を持ったスペースにベース、その手前にドラムという配置。
予定時間を10分も超過したあたりで開演。
MCを石田君が担うが、とくに曲紹介はなくおもむろに演奏開始。
冒頭からテンションの高い演奏を繰り広げる。
一般的には、クレジットがしっかりしてなくても、テーマから曲名を判別できるものだが、ここでの演奏は基本的には、曲を重要視せずにフリーインプロの応酬といった様相を中心とした演奏が繰り広げられる。
結果的にそれが非常にスリリングで、このライブを体験できたことに感謝する次第。

石田は、今回基本足を組んだスタイルを基本としているが、テンションか上がってくると足を組むのをやめて、のたうち回るようにピアノと対峙する。
瀬尾のベース、基本は強力なピチカートながら、要所でアルコ弾きを駆使する。
そのアルコ弾きの響きが格好良いことこの上なし。
竹村のドラム、通常のセッティングとは異なり、バスドラムから立ち上がるタムタムを無くし、右のシンバルのスタンドからフロアタムを取り付け、スネア1個、ハイハット、シンバル1枚、タム1個というシンプルかつ変則的なもの。
皮面だけでなく、リム、胴、等々を駆使した多彩なドラミングを見せる。

曲は、これまでの美旋律からフリーまでというふり幅の広さというよりも、3者の緻密なコンビネーションを聴かせるようなもの。
この時期だから、早い時間にスタートし、基本的には時間を厳守してのライブだが、後半は予定時間を少しオーバーするくらい盛り上がっていたか..。

そして特筆が、長らく廃盤になっていた"張碓"(https://www.amazon.co.jp/dp/B000Q36TSI )のデッドストックがあったとのことで、これを入手、"緑輪花"に3人のサインをいただいて意気揚々と帰路につきました。

"緑輪花" 石田幹雄

石田幹雄のリーダー作は、2018年のソロ作、"時景"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64470109.html )以来。
本作は、彼のデビュー作で現在入手困難な"張碓"(https://www.amazon.co.jp/dp/B000Q36TSI )の3人が久々にトリオを組んで録音した作品。
元々の共演歴の長い3人であること、その後3人3様で八面六部どころでない様々な場面での活動、活躍をしていること。
・・リズムの二人が揃って板橋トリオに抜擢、竹村一哲は渡辺貞夫バンドのレギュラードラマーでもあります。
そんなわけで、3人共演はしばらく途絶えていたが、それぞれが実力をパワーアップさせたところで2019年に久々にライブを再開。
その結果がこのアルバムになったといういきさつ。であってると思う。
このアルバムもライブ録音であるが、その再開セッションの初期の頃のライブを実はしっかりと堪能している。
 "石田幹雄3(20191218)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/472733862.html )

メンツは、そういうわけで以下の通り。
石田幹雄(P)、瀬尾高志(B)、竹村一哲(Ds)

演奏曲は、クレジットされてなさそうだがいずれも3人の誰かのオリジナルってことでしょう。
Disc1
1. 4Beatなやつ
2. Dのルバート
3. ハリウス
4. 瞬芸
Disc2
1. 釧路
2. G.O.I.M
3. 熱夏
4. A.P.C.H
5. 瞬芸

上述の通り、古くからの盟友である3人なので、長らくのギャップをものともせずのコンビネーションは揺るぎないもの。
さらに、3者がそれぞれの活動で醸成してきた実力がともなって、より演奏に凄さが出てきているような印象。
2枚のアルバムのなかに、緩急、強弱、リリカルな面とカオスな面とを織り交ぜた演奏が渾然一体となっており、さらにその振り幅が大きいことで、ダイナミズム、表現の幅広さが生み出されている。
もともと石田の演奏自体の振り幅が大きいと思うが、それがさらに大きく広がっているような感じ。
ここまで表現のはばの広いピアノトリオってのもなかなかないんじゃないかと思う。
そして、それだけの振り幅に3者がそれぞれに、加担し追従しているところが、これまた凄いところ。
聴いていて、トリオの妙も、石田のピアノもさることながら、一哲のドラムの凄さが際立っていて、これが大いなる聴きどころになっている。ドラムだけ聴いてても楽しい。

いろんな意味でのハードな演奏がこのトリオを真骨頂なんだとは思うが、それをさしおいてあえてベストはDisk2の 1曲めにしましょう。

"緑輪花" 石田幹雄 (http://ishidamikio.sakura.ne.jp/disco.html )

"Tributes" Marius Neset Danish Radio Big Band / Miho Hazama

1985年生のノルウェイ出身のサックス奏者であるMarius NesetがBigBandと共演した作品。
とはいえ、Marius Nesetという名前に記憶がなく、自blogを漁ったところ E.S.T.のトリビュート作に名前がありました。
 "e.s.t.Symphony" https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63984520.html
本作の購入動機はMarius NesetではなくBigBandのほう、しかも指揮を担っている挾間美帆の参加にあります。

メンツは多いですが書き出しておきます。
Marius Neset(Ts,Ss)

Danish Radio Big Band
Erik Eilertsen(Tp)、Lars Vissing(Tp)、Thomas Kjrgaard(Tp)、Gerard Presencer(Tp)、Mads la Cour(Tp)
Peter Fuglsang(As,Ss,Fl,Cl)、Nicolai Schultz(As,Fl)、Hans Ulrik(Ts,Ss,Bcl)、Frederick Menzies(Ts,Cl)、Anders Gaardmand(Bs)
Peter Dahlgren(Tb)、Vincent Nilsson(Tb)、Kevin Christensen(Tb)、Annette Saxe(Btb)、Jakob Munch Mortensen(Btb,Tuba)
Per Gade(G)、Henrik Gunde(P)、Kasper Vadsholt(B)、Saren Frost(Ds)
Miho Hazama(Cond)

演奏曲はすべてMarius Nesetのオリジナルで、アレンジもしているよう。
1.Bicycle Town Part 1
2.Bicycle Town Part 2
3.Tribute
4.Farewell
5.Leaving The Dock
6.Children’s Day Part 1
7.Children’s Day Part 2
8.Children’s Day Part 3

冒頭サックスソロがしばらく続いたところから、フルートが絡んできたところから分ペンスタートといった様相。
この冒頭曲のテーマが息継ぎできないんじゃないかというくらいの旋律で、さらにそれが延々と続いていて、とんでもない曲。後半ではアンサンブルに引き継がれるからBigBandの面々もたまったもんじゃない。
全体にBigBandは木管楽器が中心となってのアンサンブルを主体にした、優しい音色という印象を持つようなサウンドに仕上げられている。
途中、6曲めででてくるギターソロがちょっと意表を突くが、そんなアレンジの妙なんかもみせる。
そして、Marius Nesetのちょっと太めで強めのサウンドが、優しい音色のBigBandのサウンドから、しっかり浮き出てくるように前面に鎮座しているのが、主役の主役たるところ。
こういう演出というかしっかりとした仕込みもできている。
しかし、ずっと吹きまくっているんじゃないかというくらい、ずっとMarius Nesetのサックスが聴こえてきているのは体力的にも大したもんだと思います。

ベストは、2曲めにしましょう。

"Tributes" Marius Neset Danish Radio Big Band / Miho Hazama (https://www.amazon.co.jp/dp/B08F6M5KF9/ )

"Nothing Unspoken Under The Sun" 松丸契

松丸契の絡んでいるプロジェクトはいくつかあって、
 m°Fe は、2月にアルバムがでるらしい
 THINKKAISM は、2019年にアルバムが出ています。 https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/470849815.html
 SMTK https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/475485933.html は、石若のプロジェクト
と、これまではユニットの名称でのアルバムが続いたが、ようやく個人名義のアルバムがリリースされました。

メンツは、Boys Trio(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64034776.html )をリズム隊に迎えたカルテット。
言い換えると、THINKKAISMを1人ドラムにしたものとも言える。
松丸 契(As,Ss)、石井 彰(P)、金澤英明(B)、石若 駿(Ds)

演奏曲は以下の通り。松丸5曲、石若2曲、金澤1曲のオリジナルに、Interludeは即興なんでしょう。
01 harim tok (for West Papua)
02 ignorance is bliss
03 虫籠と少年
04 interlude
05 it say, no se
06 霧雨
07 夏は短い
08 interlude
09 暮色の宴
10 when we meet again

濁りのあるサックスが第一声。
これで、アルバムのおおよその傾向がわかるというか、難解なんだろうなとは感じられる。
ビート感のないスピリチュアルな気配濃厚なサウンドが大半を占める。
松丸のサックスの神経を尖らせ、慎重にコントロールされた音色、フレーズが空間を切り裂くように響く。
一聴、とっつきの悪い曲調に、訥々とした演奏もあるので、少々理解しにくい部分もあると思うが(自分も似たようなもん)、
回数重ねて聴くことでその真価深化具合が垣間見えてくるような印象。
Boys Trioの面々が、磐石のコンビネーションで松丸の音世界をバックアップする
曲の雰囲気に追従もし先導もするような変幻自在のドラミングのもの凄さ
なんだかんだで石若はやっぱり凄いと思わされる。
4曲め8曲めがサックスとのデュオで、これがまた程よいドライブ感と緊張感で聴き応えあり。
ピアノはほぼバッキングに徹するがそれでも存在感に揺るぎのないもので(当然だが)侮れない存在。
聴けば聴くほどに、なんだかわからないけど凄いと感じてくるようなアルバム。

ベストは3曲めにしましょう。

"Nothing Unspoken Under The Sun" 松丸契 (https://www.amazon.co.jp/dp/B08KHRNJ1C/ )

"Human Dust Suite" Miki Yamanaka

山中みきのアルバムを聴くのはこれが2枚めです。
 "Miki" https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64689341.html
リーダー作としては3枚めのようで、2012年の下記作が、おそらく自主制作で、これが初リーダー作のようです。
 "Songs Without Lyrics https://www.mikiyamanaka.com/product-page/songs-without-lyrics
参加作では、Roxy Cossの作品で聴いています。
 "Future Is Female" https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/474041550.html

メンツは、アルトサックスを擁したカルテット編成。Jochen RueckertとOrlando le Flemingを擁しているところがすごい。
Orlando le Flemingは前作でも共演していて、よっぽど相性が良いってことなんでしょう。
Anthony Orjiというサックス奏者ははじめて聞く名前です。
Miki Yamanaka(P)、Jochen Rueckert(Ds)、Orlando le Fleming(B)、Anthony Orji(As)

演奏曲は、Randy Westonが1曲(11)で、残りは Miki Yamanakaのオリジナル。
01.Pre School
02.March
03.First Day of Spring
04.Human Dust Suite I Brain
05.Human Dust Suite II Hatsu
06.Human Dust Suite III Tummy
07.Human Dust Suite IV Feet Go Bad First
08.Human Dust Suite V Party's Over
09.O 2017
10.After the Night
11.Berkshire Blues

基本的には、非4ビートのCool Jazzといった様相の曲が並んでいる印象。
1曲めこそ、4ビートでしっかりCool Jazzな演奏ではあるが、以降の曲ではそこはかとなくCool Jazzな気配を感じさせるような、そんな演奏。
サックスが、多分初めて聴く人だが、この人がCool Jazz系の音色と演奏の人で、このサウンドが全体の印象に繋がっているんでじゃないかと思う。
ピアノは優しく奏でるところはしっかり優しいが、全体的にはぶっ叩くほどではないにしてもタッチは強めでしっかりはっきりとした音色が持ち味になっている。
そして、控えめな印象だった前作よりは前面に出てきている場面が多いか。
ベース、ドラムがインスピレーションに基づいた演奏を主体としているが、キメるところをしっかり決めてくるからカオスにはならず、ドライブとグルーヴが出てきている。
そこがこのアルバムの格好良いところ。

ベストは11曲め

"Human Dust Suite" Miki Yamanaka (https://www.amazon.co.jp/dp/B089MT2C4P/ )

"Introducin'" 浅利史花

最近、頭角を現してきたた(と言って良いと思う)女性ギタリストである浅利史花の初アルバム。
ライブも数回見てます。
 "20190916" https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/470158045.html
 "20200316" https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/474091829.html
 "20201214" https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/479033736.html
いま気づいたが、すべてギターが異なる。HP(https://fumikaasari.com/profile.html )みるとこれで所有ギターのすべてのよう。

曲ごとにメンツを変え、まさに"Introducing"というにふさわしい、いろいろな側面をみせてくれるようなメンツと曲構成。
浅利史花(G)
江澤茜(As:7,8)、駒野逸美(Tb:7,8)
中牟礼貞則(G:3)、北島佳乃子(P:1,4)、石田衛(P:6,8)
小杉敏(B:1,2)、三嶋大輝(B:4,5,7,8)、木村紘(Ds)、柳沼佑育(Ds:4,5)

演奏曲は、スタンダードといって良い楽曲に、カーペンターズを含んだ全部で9曲。オリジナルはなし。
1. Triste
2. Summit
3. Black Orpheus
4. Bluesette
5. Daahoud
6. Goldfish Droppings
7. Sing
8. Close To You
9. But Beautiful

ミディアムテンポの4ビートで奏でられるオーソドックスな曲が並ぶ。
曲によって編成とメンバーが変わるが、オーソドックスな演奏での安定のギターサウンドがスタイルの一貫性をみせ、散漫なイメージはない。
とくに、ギターが短いフレーズの末端での処理を、キレの良い若々しさを見せたり、女性的な優しくていねいにまとめたりと、しっかりと表情をみせながらの演奏が印象的。
3曲めで御大中牟礼さんとのデュオ。
御大の枯れた味わいとの対比を見せつつ、それでいて良いコンビネーションを聴かせる。
6曲めが旦那である石田衛とのデュオで、双方の優しさに満ち溢れたような演奏がなんとも…妬けるっていうかw
7曲めと8曲めがカーペンターズの曲で、たぶん本人の好きな曲なんでしょう。
7曲めは主旋律を2本の管に任せてギターはザクザクとコードを掻き鳴らすことに終始する、8曲めは、ギターがしっかりと主旋律を担う。
いずれも元曲のテーマをしっかりと聴かせ、曲の良さを引き出している。

ベストは5曲めにしましょう。

"Introducin'" 浅利史花 (https://www.amazon.co.jp/dp/B08L82FP22/ )

"Vol.掘Rip,Rise&Panic" 板橋文夫FIT!

板橋文夫FIT!の3枚めのアルバムということでリリースされたもの。
過去の2枚は以下のとおり。
 "New Beginning" https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60841417.html
 "MA BU I" https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63010284.html
実際には、トリオ+他のメンツってのも含めて、これ以外にも関連作は出ています。
 "あぁー!飯舘村" https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61819218.html
with MARDSとして、類家, 纐纈, 後藤, 高岡, レオナ
 "Alligator Dance 2016" https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63979738.html
+類家, 纐纈, レオナ
 "みるくゆ" https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63880619.html
なので、3枚めという告知に、えっ?、と思ったのが正直なところ。

メンツは、不変の3人
板橋文夫(P)、瀬尾高志(B)、竹村一哲(Ds)

演奏曲は、追悼曲が2曲、コロナ対抗作、人気曲を絡めた全部で8曲。
1.DE・BA・GA・ME2
2.夏
3.ぼくは多くの河を知っている
4.3rd Step
5.K 〜故 サックスの片山広明に捧ぐ
6.Corona vs Alligator
7.渡良瀬
8.しばちゃん 〜故 柴田浩一氏に捧ぐ

トレモロ、グリッサンドを交えた強打鍵から、拳転がし奏法も駆使したフリーへとなだれ込むようなハードな演奏から、思い入れたっぷりに聴かせる美旋律まで多彩なピアノ表現を聴かせる板橋の魅力がしっかりと出ている。
ミスタッチをものともしない勢いのある演奏が最高に格好良く、粗さみたいなものも感じられるが、それが個性というか味というかしっかり魅力になっているところはいつ聴いても感嘆するところ。
かてて加えて、Fit!の2人の演奏が強烈。
一哲の腰の座ったぶっ叩きが全編にわたって強烈無比なビートを叩き出す。
ここのところパワーアップしているんじゃないかという瀬尾の、これまたごっつりとキレの良さとパワフルさとを兼ね備えたベースが響く。
選曲も、Alligator Dance、渡良瀬等々有名曲を織り込んでいて、そういうところもちょっとうれしい。
冒頭がメンバー紹介を兼ねたような曲で、渡良瀬が本篇最後の曲。板橋のソロでしっとりと奏でられるしばちゃんがアンコール。とライブを聴いているような流れもまた素晴らしい。

ベストは敬意を表して、7曲め

"Vol.掘Rip,Rise&Panic" 板橋文夫FIT! (http://bowz.main.jp/itabashi/index.html )

"Abstract Messages" Bungalow

Bungalowというユニットは、2017年に前作を新譜漁りしていて見つけたところが馴れ初め。
ピアニストの佐藤浩一がそもそも好きなミュージシャンで、いろいろ聴いているうえに、大村亘の演奏も2011年のリーダー作"Introspect"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60707416.html )を聴いている人。このアルバムを出した後インドに渡ってパーカッション修行に行ってたはず。
Bungalowとしてはこれが5枚めのアルバムになるはずです。
 "Metropolitan Oasis" https://www.amazon.co.jp/dp/B005YK8UWG/
 "Past Life" https://www.amazon.co.jp/dp/B00E5M1SZU/
 "Unseen Scenes" https://www.amazon.co.jp/dp/B00U0AU6KY/
 "Introspect"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60707416.html )

メンツは微妙に変遷しているようで、サックスが山本昌広からMike Rivettに、本作ではベースの池尻洋史が入っていないようです。
Mike Rivett(Ts)、佐藤浩一(P)、大村亘(Ds)

演奏曲は、メンバーのオリジナルだらけで、佐藤が4曲、大村が5曲、Rivettが2曲で全部で11曲。
01 Entropy in Flux
02 Rainy Lullaby
03 Dance of the Earth
04 The Simple Truth
05 Til When
06 Reduce
07 Abstract Messages
08 Fifteen Years
09 Destination of the Spirit
10 Fragile Systems / Between Realms
11 Gong

あまりしっかり覚えてはいないが、前作より様々な電子音が多くシンセだったり、ノイズ的なものだったり、エフェクト系、その他諸々。
空間を埋め、音の厚みがよりしっかりと出るような作風を目指しているということか。
3曲めではラジオアナウンスのようなボイスが入り、ある種のメッセージ性も予測できるが、全体としてはあまり明瞭には感じられない。
前作(の文面で)はクールジャズの様相という印象だったが、本作はコンテンポラリ寄りというか現代音楽寄りの曲調が多めで、佐藤のピアニズムに依っている曲が多めな気もしているが、はてさて。
大村の、ドラム以外にタブラその他のパーカッション類の音色が効果的に響くのが印象的。
このサウンドがバンドの個性に繋がっているのは間違いないでしょう。
このバンドでのサックスの印象がなんだか際立っていなくて、音色としてはしっかりはっきり判別できるが、電子音の音色のバリエーションに埋もれてしまっているような感じで、それも含めてこのバンドのサウンドってことだとは理解してます。
9曲め後半のソロとか、良い演奏もあるんですげどね…

ベストは3曲しょう。

"Abstract Messages" Bungalow (https://www.amazon.co.jp/dp/B08GV7F7VY/ )

"刻 HASHed Music" Hiroaki Katayama 4SAX

片山広明が亡くなったのが、2018年11月13日(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64655989.html )
翌11月14日に予定されていた明田川荘之とのデュオは、その直前に片山の体調不良を理由にソロに変更。
(結果的にキャンセルになったらしい)
個人的には、原田とのデュオを7月21日に聴いている(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64556399.html )。

記録音源としては、"Last Order"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64588498.html )が同年7月にリリースされているが、このアルバム以降はこれまで音源の発売はなかった。
本作は、2018年6月に行われたサックスカルテットのライブに、対バンの4管獣とのアンコールを加えて、メンバーの立花秀輝がCD化したもの。

メンツは、若手を含めた渋さホーンズといった様相の4人
片山広明(Ts)、鬼頭哲(Bs)、立花秀輝(As)、松原慎之介(As)

演奏曲は片山の演奏でお馴染みのものが並んでいる感じだが、全部で6局。語りだけのトラック(MC)が3つ含まれる。
そして、4管獣が入ってのアンコールが1曲という構成。
1. Four SAX
2. All of Me
3. MC
4. Hallelujah
5. MC
6. Go-Kart Twist
7. Lawns
8. MC
9. Before the Liquer Store Closes

Encore with SIKANJYUU
10. Better Git In Your Soul
11. Ending

4本のサックスの多彩なサウンドが飛び交うフリーフォームの猛者たちによるリズム楽器なしの演奏
テーマとか、キメるべきところはしっかりキメてくるので、そのアンサンブルの妙技をどっぷりと堪能することができる。(そんなところが中央線ジャズなんだと思う)
もっともフリーな演奏のパートでも絶妙に音を重ねているのか、不協和なサウンドが出てくるようなことはなく、
4本のサックスのカオスでありながら端正な音の重なり合いをたっぷりと楽しませてくれる。
1曲めは途中途切れないところからall of me が顔を出してくると(2曲めなのだがいつのまにかトラック上は2曲めになってる)2曲め(トラック上は4)は、片山おハコのハレルヤ、4者の持ち味を充分に発揮したような迫力たっぷりの演奏。
以降も、MCどころかヤジもハプニングも含めて小さいハコでのライブを全部おさめちゃったような内容で、笑いあり、感嘆あり、感動ありのこってりとした内容にお腹いっぱいになりますです。
選曲は、片山さんのおハコな曲が多いのは、中堅若手が、しっかりリスペクトしているということでしょう。
トラック9が、「酒屋が閉まる前にお酒を買いに行こう♪」の大合唱になだれこむ大曲^_^
そのあとが、四管獣が入ったより大所帯での演奏でアンコール。

ベストは、トラック4に尽きるでしょう。

"刻 HASHed Music" Hiroaki Katayama 4SAX (https://katayama4sax.wixsite.com/website )

浅利史花, 中島朱葉デュオ独壇場+ (20201214)

浅利史花の独壇場を聴くのは3月以来。
3か月に1回の 前回(ソロ)はタイミングが合わず。。
 浅利史花, 石田衛デュオ独壇場+ (20200316) (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/474091829.html )

ステージは、左に蟻田、右にサックスと並んで座る(椅子に座っての演奏でした)という配置。
約1時間前に到着して4番めだったか。浅利さんはいたが中島さんはまだ到着してませんでした。

あらためてメンツは
浅利史花(G)、中島朱葉(As)

ほぼ定刻に演奏開始。
演奏したのは、BeBop,HardBop系のスタンダードを中心に、ボサノバ等7〜8曲くらいだったか、ダーンザット、スクラップル、朝日
オリジナルは無し。

女性的な感じもさるとこながら、若い世代の演奏という印象を持ったのが、浅利のギター。
オーソドックスなスタイルが故に、無意識にも枯れた世代の演奏を想起して比較しようとしているするからかもしれないが、この日の演奏が好調だったような気もしている。
座った席から左手のコードを抑える手がよく見えて、その細かく繊細に動くさまと、そんな運指からいろいろなスタイルの演奏が次から次へと飛び出してきて飽きさせないところがなんだか凄いなぁと、そんなところに感嘆してました
今回もエフェクターの類は一切なし。
中島のサックスは、ほとんど変化球的な音色を使わず、力感のこもったサウンドで速めなリフを交えながら次から次へとフレーズを紡ぎ出していくような直球勝負的なサウンドといった様相。
最近、フリースタイルが主となる奏者を聴く機会が(特にラ邦人では)多かったので、そんなサウンドが個人的にはとても新鮮に響く。
バラードでも、しっとりとした中にもある種の勢いみたいなものを感じさせるのは若さゆえなのではないかと。。
このデュオは別のライブハウスでは何度か演っているとのことで、ほどよいアレンジでの両者の掛け合いも阿吽の呼吸で淀みなく聴かせる。

アンコールにも応えてくれて、1時間強たっぷりとゆったりと演奏を堪能させていただきました。
焼酎のお湯割りを呑みながらその余韻に30分くらい浸ってから帰路につきました。
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