日本のジャズを聴け     (和ジャズBlog)

最近の日本のジャズは、もの凄く面白い!! もっともっともっと聴いて欲しいので、たくさん紹介します。

後藤篤カルテット(20200627)

コロナの緊急事態宣言下からの自粛緩和にともない、徐々にライブも復活してきています。
自分の復活初ライブは、後藤篤カルテットに赴きました。
3月の”浅利史花, 石田衛デュオ”(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/474091829.html )以来なので、実に3か月ぶりということになります。
後藤カルテットも、No Trunksでのライブを数回は見送っているので、2019年11月6日以来ということになります。
そのときのレポートは、こちら(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/471381007.html )

開場時間過ぎくらいに到着。一番乗りでした。(最終的には6人だったか..)
楽器配置は、向かって左側に完全に横向きにドラム、その奥にベース、ピアノは定位置から少しだけ斜めに出して、板は全部はずし天板だけ反響するよう半開きにしている。トロンボーンはドラムの正面、ドアとの間に立つ配置。
毎回、似た配置でありながら微妙に異なるところがおもしろい。
定刻を少し過ぎたところから演奏を開始した1stセット、21:30を待たずに2ndセットはスタートし、それぞれ1時間弱で
曲は、オリジナル7割、その他が3割程度といった比率か、特筆は、各セットの最後が
herbie nicholsの曲だったことと、エピソードを
Carla Bleyの Lord Is Listenin' to Ya, Hallelujah! を演ったところか。
お決まりの三陸ファイトソングのパワフルな演奏も特筆ではあった。(この曲のパワー感は好きです)
いずれの曲でも4人が嬉々として演奏しているのが良く感じられる。
アンサンブルとかアレンジとか、型をきっちり決めることを意識しているというよりも
勢いよく、ガッツリとした演奏を楽しんでいるような、そんな様が見れるのが心地良い。
途中、服部がスティックを落としたり、タムが落ちたり、岩見のベースの駒がずれたり、
多少のミスとか、合わせるところがしっかりあわなかったりとかハプニングがあったが
それすらも、演奏を楽しんでいることをしっかりと感じさせるようなそんな感じだった。

おそらくだが、4人とも、ライブ演奏ができるよう復活してから、まだそんなに回数をこなしているわけではないと思われ、お客さんを前にして演奏することに体が順応していないことは想像できるので、たぶん体力的にもツラかったんじゃないかと思うが、たっぷりガッツリの演奏を堪能させてもらいました。

聴く側も、ライブの圧倒的なパワーを浴び続けて、体力的に少々つらいところがあったのか、疲れを感じたので早々に辞してきました。

SMTK "Super Magic Tokyo Karma"

石若駿がリーダーを務めるSMTKの2作めで、これが初のフルアルバムになります。
前作は、Tower限定でリリースされたミニアルバム(EP?)で紹介は下記
 "SMTK" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/474772985.html )
これが2020年4ガツ15日のリリースで、本作が5月20日ということで、おそらくアルバムのために録音した曲が1枚では収まらないだけの量でありはがらクオリティが高かったんで、こっちも出しちゃいましょう的なノリだったんじゃないかと推測する。
そして、そのEPを安価にリリースすることで予告編的な意味合いも込めたんじゃないかと推測するが..。

メンツは、当然だがまだまだ不変の下記4人
石若駿(Ds)、細井徳太郎(G)、Marty Holoubek(B)、松丸契(Sax)

演奏曲はすべてメンバーのオリジナルで、松丸が2曲, 細井が3曲, Marty Holoubekが3曲, 石若が1曲という内訳。
このバンドでは石若の曲の使用頻度は低そう
本編7曲に、ボーナスディスクにライブが2曲分入っていました。
1.SUPER MAGIC TOKYO KARMA
2.3+1=6+4
3.Otoshi Ana feat.荘子it (from Dos Monos)
4.Let Others Be the Judge of You
5.Where is the Claaaapstaaack??
6.ドタキャン
7.My Country is Burning
8.すって、はいて。
9.長方形エレベーターとパラシュート

B1.Otoshi Ana (Live Ver.)
B2.ホコリヲハイタラ (Live Ver.)

作風は基本的に前作と大きく変わるものではないが、本作を聴いていてふと思ったのは、ロックなリズムにフリー濃度の高い即興を重ねていくような展開が中央線ジャズの発展系みたいな感触を感じたこと。
ラップとか電気処理したボーカルとかが入る曲が含まれており、印象としてはジャズというよりも、もっと新しい音楽に位置つけたいようなそんなサウンド。
もしかして、中央線ジャズの発展形がこんなサウンドになるのかもとかそんな印象も持ったが、本人達にとってはもっと広く日本のジャズの発展系くらいの意識を持っているのかもしれない。
速いフレーズをものともせずに暴れまわる石若のドラム、ロックテイストをたっぷりと感じさせながらしっかりジャジーな細井のギター、ドライブ感のある攻めたサウンドのベース、フリーキーにアヴァンギャルドなサウンドで咆哮するサックス。電子音を操るのも松丸であろう。
メンバー全員20 代だったと思うが、各人の現代感溢れるセンスをしっかりたっぷりと感じさせるような先鋭的で過激なサウンドに仕上がっている。
前作より若干だがギターの主張が減じているか?
3曲めがラップをフィーチャーした曲で、個人的にはアレだが、これも若い世代の一般的なセンスであることは理解している。
ボーナスディスクは、ライブ音源が2曲、上記ラップ入りの曲のラップなしバージョン(個人的にナイスと言いたい)と前作からの曲。
2曲めが客いじり、曲後のMC入りのライブ感たっぷりで好感触。

ベストは本編の2曲めにしましょう。

SMTK "Super Magic Tokyo Karma" (https://www.amazon.co.jp/dp/B085RNL3L6/ )

"Spring Night" Kiyoshi Kitagawa

北川潔の新作は、前作と同じく、石若、片倉のトリオでの演奏。
 "Turning Point" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64350959.html )
石若、片倉ペアは、何度も書いているが、Tower限定のトリオ作で度肝を抜かれた、その当事者。
 "Live at The Body & Soul" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61999075.html)
居住が、米国と日本ってことでなかなか共演する機会はないとは思うが、このトリオは北川もかなりの満足度をもって挑んでいるのではないかと推測できる。
今春に日本でのリリースツアーが予定されていたが、コロナ騒動ですべてキャンセルになってます。
おそらくライブ会場では販売されたであろうこのアルバムの入手についても、現状一部お店でしか扱いなく(大手では扱いなし。)実店舗も閉まっている中、かなり難儀な状態になっている。自分はDiskUnionの通販を利用しました。

あらてめてメンツ。
北川潔(B)、片倉真由子(P)、石若駿(Ds)

演奏曲は、以下の通り。すべて北川のオリジナルで全部で10曲。
1.Thought #5
2.Wishy-Washy
3.Believe It or Not
4.Thought #6
5.Forgiveness
6.Cross the Line
7.Thought #7
8.Spring Night
9.Side Sleeper
10.You Know What

#のついた曲と最後の曲がベースソロで、他のすべてがトリオでの演奏。
アグレッシブでドライブ感のある4ビートの2曲め、疾走感のある8ビートの3曲め
、エレガントなワルツテンポの5曲め、ダイナミックな4ビートの6曲め。
いずれも粒たちの良い片倉のピアノ、しなやかにビートを刻む石若のドラム、と躍動感と
緊張感とを感じさせるハイクオリティなピアノトリオを楽しめる。
そして、ベース。
その力強いサウンドがかなりな魅力を放っていて、とくに都合4曲おさめられているベースソロだが、弦が胴を叩く音、北川の息遣いと臨場感のトラックで、トリオ演奏もさることながら、このベースソロが大いなる聴きどころになっているのは間違いのないところ。

ベストは6曲め

"Spring Night" Kiyoshi Kitagawa (https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008111625)

"SMTK" SMTK

えーと、これも石若買いです。
が、最初に知ったのは、後から加わったとされる松丸契のtwittterだったかからの情報で知ったはず。
バンドの名前は、4人の名前からとっているんでしょう。駿, Marty , 徳太郎, 契

これがTower限定でリリースされたEPで、この後に振るアルバムのリリースが控えています。
細井だけが未聴の人で、他の2人は最近リーダー作を紹介しています。
Marty Holoubek  "Trio I" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/474534583.html )
松丸契  “THINKKAISM”(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/470849815.html )

というメンツは以下の通り。
石若駿(Ds)、細井徳太郎(G)、Marty Holoubek(B)、松丸契(Sax)

EPということで収録曲は以下の4曲。細井2曲、松丸、Marty Holoubekが各1曲といううちわけ。
1.Snack Bar
2.AAAAA
3.In the Wise Words of Drunk Koya
4.ホコリヲハイタラ

かなりなロックテイストを感じる楽曲。当然、非4ビート。
ディストーションのかかったギターに、ディストーションにディレイ「?)をかけたサックスいによる
ドラマチックな展開がおもしろい冒頭。
相変わらず、奔放かつ創造力豊かなドラミングは完全に耳を持ってかれる。
とくにこういうビート感の強い楽曲では本領発揮といったところ。
ギターの音色がかなり支配的な印象ではあるが、ロックっぽい曲調だとギターの影響力が強くなるのは、まぁそういうもんでしょう。
1曲めが、そういう意味では一番過激な電気処理強めのサウンドが鳴り響く。
ドラムの重量級なビートか印象的な2曲め。
ドライブ感のあるベースがフィーチャーされ、ちょっとフリーの要素が入ってくる3曲め。
フォークテイストのメロディアスなテーマをギターかかき晴らす4曲め。
途中のギターソロでsound of summer running を思い出した。

と、聴いていくと、徐々にある部分ではおとなしめのサウンドに変化していくような印象を感じたが。

ベストは、4曲めでしょうか。

"SMTK" SMTK (https://tower.jp/item/5034786/ )

"Live XI" 大西順子

大西順子のアルバムリリースのペースはここのところ上がってきている印象で、ほぼ年2枚くらいのペースになっているんじゃないでしょうか
本作とほぼ同じメンツで2018年末にアルバムがリリースされています。
 "XII (twelve)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64728211.html )
この後、トリオでのライブ盤が10月にリリースされ、これを自分の年間ベストの特別賞に挙げました。
 "Presents Jatroit Live At Blue Note Tokyo" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/470542776.html )

このアルバムは、"XII (twelve)"リリース後の2019年11月に新宿ピットインで行われたライブの音源で、オリジナルメンバーは全員揃っていて、さらにギターとアルトサックスがゲスト出演している陣容。
大西順子(P)、吉本章紘(Ts,Fl)、広瀬未来(Tp,Flh)、片岡雄三(Tb)、井上陽介(B)、高橋信之介(Ds)
吉田サトシ(G)、デイビッド・ネグレテ(As)

演奏曲は、吉本2曲、広瀬2曲、井上2曲、大西2曲、片岡1曲、高橋1曲、共作1曲とメンバーの曲を配分良く持ち寄ったような構成。
1.Water Reflection
2.Rain in March
3.Unity 1
4.2 Laps Behind
5.Route 43
6.Peace in Chaos
7.Gate Crasher
8.Apple of My Eye
9.To The End of The World with You
10.Lost and Confident
11.Magic Tough

中東っぽいふれのイントロに続く、管のアンサンブルがちょっと乱れててビビるが、直後のピアノソロのダイナミックな演奏で、音楽にグッと引き込まれる。
後半のラージアンサンブル的な複雑なアレンジが、これまた格好良い1曲めは吉本の作品。
4管を従えているだけあって、ホーンのアンサンブルがなかなか凝っていて、複雑なハーモニーにがっつりなソロと縦横無尽なサウンドを聴かせる。
そしてギターのカッティングがこれまた良い味出していて、スタジオでは入ってなかったんですよね…。とくに9曲め、11曲めは主役と言っても過言でないくらい。
管とギターか良い味出しているので、その分リーダーの大西のピアノの登場頻度は若干少なめか。
要所はしっかり抑えている印象ではあるが、全体的に前面に出てくる場面は少なくなっているとは思う。あの演奏をずっと続けるのが酷なのはわかる。
ちょっと南博を彷彿とさせるリフが所々出てきて、それがささやかに楽しい。
3曲め後半のソロがとくに熱いか。
中後半(6曲め、8曲め、11曲め)でシリアスめな曲調を少しずつ入れてきているのは、ピアノの登場を抑えるためなのか..
しかし、そんな曲でもしっかりノリノリの拍手を送るお客さんって…
スタジオ作で自分がベストに挙げた、唯一の両方で演奏している Unity 1 は、より重厚で元曲が軽快に聴こえるくらいどっしりとしたサウンドで聴かせる。

ベストは、能天気にファンキーな9曲め

"Live XI" 大西順子 (https://www.amazon.co.jp/dp/B083XYHHDF/ )

"RS5pb" 類家心平

類家心平のリーダー作を聴くのは、これが5枚め。リーダー作としては、"NM.40°"(https://www.amazon.co.jp/dp/B00H6X5F2M/ )だけ未聴ということになるはず。
これまで紹介したアルバムは以下の通り。
 "4 AM" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62350850.html )
 "Sector b" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61093238.html )
 "UNDA" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63739147.html )
 "Lady's Blues" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64832143.html )

本作のタイトルであるRS5pbは4年前はユニット名として記されていたはずだが、本作は類家名義にしてバンド名を広く認知してもらおうという意図が働いたか。
"UNDA"がRS5pb名義で作られたアルバムで、メンツはこのアルバムと変わっていません。
そこに弦楽器、サックスのゲストが入ります。
類家心平(Tp)、田中tak拓也(G)、中嶋錠二(P,Key)、鉄井孝司(B)、吉岡大輔(Ds)
後関好宏(Ts,Bs)、橋本歩(Cello)、高橋暁(Violin)、田中景子(Viola)

演奏曲は以下の通り。1曲を除いて類家のオリジナル。
1.Civet
2.Caotic Teritory 1
3.Dada
4.Zero Zero
5.Lady Jane
6.Vida
7.Nibiru
8.Soma (Bonus Track)
9.IO (Bonus Track)

ディストーションのかかったギターとキーボードのパルシブなサウンドが最初に鳴り響き、ロックな気配が濃厚に漂うなか、ワウワウをかけた類家のトランペットが響き渡る1曲め。
類家のトランペットが、オープン、ミュートでの生音に、電気処理した音に、ワウワウをかけたりと曲によって音色の変化はつけているが、哀愁を感じるようなというか甘くメロディアスなというかエロチックというか、特有のサウンドの美しさが際立っている印象。
ドラムのしなりの効いたようなビートと、うねるようなベースの低音で醸し出されるグルーヴの格好良さが全体の雰囲気を躍動的にもメローにも雰囲気をしっかりと
ギターはロックなカッティングとリフで存在感を出している印象。前作ではアナーキーなんて書いていた..
このサウンドが入ることで雰囲気はだいぶ変わってきていることは間違いない。
ピアノはダイナミックなサウンドから、クラシックテイストなソロから、アヴァンギャルド(7曲めはけっこう攻めている)なサウンドからと変幻自在に演奏の厚みを引き出してきている。
このバンドにはこのピアニストが重要な存在だと思わせるくらいに好相性を感じる。
曲は前半がロックなビートフルな演奏で、後半にいくにしたがってスローな曲が増えてくるような構成。
とくに5曲めが、極めつけのバラードで、これが実はけっこう映えている。

が、ベストは2曲めにしましょう。

"RS5pb" 類家心平 (https://www.amazon.co.jp/dp/B083NSZ8P1/)

"3 points inverted" 3 points inverted

藤掛正隆が主宰するFullDesignレーベル(https://fulldesignrecords.com/)から新作がリリースされていたのでチェック。
メンツを見て買いを決めています。

過去にもいろいろ聴いていますが、いずれも大半が中央線ジャズ好きとしては涎が出てきそうな布陣だと思います。
全貌をしっかり確認しているわけではないので、まだまだおもしろい組み合わせ、作品が隠れているかもしれません。
 片山広明、太田惠資 "K.O."(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63350019.html )
 トリオねじ×林栄一 "トリオねじ×林栄一"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62373668.html )
 片山広明×石渡明廣×藤掛正隆 "8Seasons"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62310970.html )
 "驢馬駱駝" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63544529.html )
 トリオねじ×坂田明 "トリオねじ×坂田明"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63566354.html )
 "Trio Edge"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64055424.html )
 "Inside or Outside"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64294220.html )
 "トリプルエッジ" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/468530050.html )

本作は、加藤一平が入ってきているのがミソで、フリージャズであろうことは容易に想像できるので、どれだけ暴れ、どれだけ過激な演奏が楽しめるかが期待感であります。

メンツは
立花秀輝(As)、加藤一平(G)、藤掛正隆(Ds)

演奏曲は以下の通り、ぜんぶインプロですが、 順番通りに並んでいないところが..^^
1 Improvisation #01
2 Improvisation #03
3 Improvisation #12
4 Improvisation #04
5 Improvisation #02
6 Improvisation #05
7 Improvisation #10
8 Improvisation #11
9 Improvisation #09

音にならない風切り音のような音と高音域にこだわり続けるサックスに、電気処理をたっぷりと施したギター音で、ギュルギュル、キーキーいうようなパート。
ブチブチいうタンギング音に、ギターも細切れな音を重ねていくパルシブなサウンドが溢れるようなパート。
片山ばりに官能的なサウンドを奏でるサックスに幻想的なギターが絡むパート。
ドラムのロックなビートに、サックスが豪快なブローで応酬、ギターはトリッキーなフレーズを突き刺してくるようなパート。
6曲めは、ギターが低音攻めを仕掛けてきて、さながらベース、ドラムを擁したサックストリオの様相で
ゴリゴリの中央線ジャズを聴かせる。
フリーインプロビゼーションのさまざまな側面をこれでもかと詰め込んだような、そんな印象。
ただ、曲順を見ればわかるとおり、聴き続けて飽きさせないよう構成は考えていると思われる。
ノイジー、鋭角的、暴力的で破壊力抜群でありながら、ちょっと繊細な面も見せる、そんなサウンド。
これが聴いていて、爽快感すら感じさせるくらいに格好良くもあり、清々とした演奏を楽しめました。

ベストは、5曲め

"3 points inverted" 3 points inverted (https://www.amazon.co.jp/dp/B084GF5Z8B/ )

浅利史花, 石田衛デュオ独壇場+ (20200316)

浅利史花の演奏を聴くのは、昨年9月の独壇場以来。
もう少し聴いても良いとは思うのだが、なかなかタイミングが合わず。。
今回は、ご主人であらせられる、石田衛とのデュオってことで、石田さんのピアノも聴いてみたいというのもあっての参戦であります。
石田さんの演奏は、けもの(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63238654.html )、太田朱美(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61274185.html )のリーダー作等CDでは聴いていますが、生できくのはこれが初。
ちなみに、浅利の前回の記録は
 浅利史花, 落合康介デュオ独壇場+ (20190916) (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/470158045.html )


ステージは、デュオでの最近の定位置である、ピアノを左側に持ってきた配置。
前回(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/473820421.html )加藤が座っていたあたりに、浅利が座る。ただし足元の装置類は今回は皆無で、そこが潔い(?)ところ。
前回の独壇場ではちょっと持ってきてたんですけどね..

定刻をちょっと過ぎたところで、楽器のあるところに歩み寄り、ちょっとチューニングを合わせたところで演奏スタート。
今回の浅利のギターは前回の青いヤツではなく茶系のオーソドックスなタイプのもの。
演奏曲はすべてスタンダードの範疇に入る曲で5〜6曲だったか。
石田は、体を大きく揺することなくピアノに対峙していて、同じ石田でも、幹雄の大きく体を揺するスタイルとは大きく異なる。
微妙な抑揚をつけつつ微妙にアウトさせ、コロコロとしたと形容したくなるような、気持ち良く聴いているとそのまま気持ち良く聴いてしまうくらいのウォームなピアノといった印象。
なんというか、どことなく包容力みたいなものを感じるような演奏と感じられた。
浅利のギターは、オーソドックスな王道的ジャズギターといったスタイルで、単フレーズ、オクターブ奏法、掻き鳴らし等々を駆使した演奏を聴かせる。
前回の印象よりも、流暢で饒舌なギターを弾いているように感じられたか。

大半の曲でソロはそれぞれがとってはいるが、明確にどちらかのソロという場面と双方のソロの応酬の様相を呈する場面とがあって、さらに曲によりソロでのバッキングの具合をちょっとずつ変化させてくるので、都度「今度はこうきたか!」なんて面白がりながら聴いていた。
ソロを完全に一人で演奏する場面はないことはないが、少なかったと記憶している。
緊張感とか、熱気とかとは違う、わくわく感というか展開で飽きさせないようなそんな演奏。
それと、曲の展開でのテーマとかの合わせは普通にこなすが、中ほどの曲の後テーマに入る直前くらいだったと思うがちょっとしたキメの部分があって、そんなのがピッと決まるところに阿吽の呼吸ができていることを感じてみたり。
と、全体をゆったりと楽しみながらも、小技的な部分に耳を持ってかれる、そんなえんそを堪能させてもらいました。

アンコールにも応えてくれて、1時間強たっぷりとゆったりと演奏を堪能させていただきました。

"Our Platform" 井上銘

井上銘のリーダー作を買うのは、実は3枚めで、初リーダー作の"First Train" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61200599.html )と、次作の"WAITING FOR SUNRISE" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62457967.html )を買ってまして、これ以降はStereo Champのアルバムが数枚続くんですがこれらは縁なくて聴いていません。
本作は、アコースティックジャズと演っているという情報から、これは買いでしょうと意気込んで買ってきたもの。

メンツをよく見ると、若井、柵木は上記初期アルバムでも共演していました。今更気づく。。
井上銘(G)、魚返明未(P)、若井俊也(B)、柵木雄斗(Ds)

演奏曲は、井上銘のオリジナルが4曲、Harry Warren, Richard Rodgers, Ron Carter, Cole Porterとスタンダードいえる曲が並んで全部で9曲。
1 The Lost Queen
2 Next Train
3 You’re My Everything
4 It’s Easy To Remember
5 Eighty One
6 I Didn’t Know What Time It Was
7 Waltz
8 I Love You
9 A Memory Of The Sepia

4ビートを基調とした選曲はアコースティックジャズという事前情報から充分に予測できていてそれが購入の大きな動機になっている。
シンプルにテーマを奏でた後は、速弾きを交え、程よくアウトしてみたりと、コンテンポラリー軽快好きとしてはなんとも心地良いサウンドを基にした演奏を組み立てていく。
井上の奏法は、コンテンポラリーを素にした彼らしいスタイルをしっかりと踏襲していてまさにこういう演奏を聴きたかったという直球ど真ん中な演奏。
そしてなにより、揃えたメンツが素晴らしい。
魚返のキラキラしたフレーズが随所で光る美旋律を主体としたフレーズが映えるピアノ。
具体的な部分では違うことは前提として、大枠での雰囲気的には、Lyle Maysが演っていたピアノの印象をも感じさせるような、そんな雰囲気も感じられるような演奏。
魚返の演奏スタイル的には過去これまでの演奏と大差ないようにも思えるがフォーマットよって聴く側の印象も変わっているところはあるかも。
シンバルを中心に据えたドラミングでありながら、タムを効果的に使った軽快な演奏で、全体を軽やかに盛り上げていく柵木のドラムが良い味を出している。
盤石なウォーキングから、メロディアスなバッキング、疾走感あるノリの良いバッキングと、縦横無尽に演奏を躍動的に盛り立てる若井のベース。
主役含めいずれも若手の中ではいろんな方面で頭角を見せているような面々を揃えているだけあって、いずれの演奏も気持ちよくスウインギーで、実に格好良く心地良い演奏を楽しむことができる。
この文を書いた後に、若井, 柵木が過去に聴いている盤にも入っていたことを再確認してまして、再度旧作を引っ張り出してきて聴いてみようかと思った次第。

ベストは5曲め

"Our Platform" 井上銘 (https://www.amazon.co.jp/dp/B082PQMKZV/ )

"Warm Feelings" the EROS

後藤浩二というピアニストは、日本人のジャズを聴き始めたころに名古屋に良いピアニストがいるということで誰かに教えてもらった記憶があります。
当時の新譜を聴いた記録がありまして(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a4038691.html )
blogのごく初期で、中身薄いですが(恥)
が、タイトルが書いていない(笑) 年代的に"Azul"(https://www.amazon.co.jp/dp/B0008GJZDY/ )だったと思われる。(手放してないはずなので探せば出てくると思う)
この頃から名前は憶えていたが、以降アルバムを買う(聴く)ことはありませんでした。すいません。

本作は、先日のライブ(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/473425622.html )のときに江藤さんが、持ってきていたのを購入しました。
メンツは、以下の通り。加藤雅史のベースは、ライブ、アルバム含め初のようです。よく見ると3人とも「*藤」なんですね(笑)
後藤浩二(P)、江藤良人(Ds)、加藤雅史(B)

2018年10月に行われた名古屋のライブハウス jazz in LOVELY でのライブを収録したもので、CD2枚にたっぷりと演奏が入っています。

後藤のオリジナルが3曲、江藤のオリジナルが2曲に、Joe Henderson, Charlie Haden, Don Cherry, Duke Ellington等々で全部で14曲、なかでもBeatlesが2曲入っているのが特徴的。
DISC1
1 Recorda Me
2 First Song
3 Nostalgia
4 SHIROKO
5 You are My Everything
6 Utakata
7 The Nearness of You
DISC2
1 The Fool on the Hill
2 The Rainy Day
3 Art Deco
4 In a Sentimental Mood
5 Hey Jude
6 This is New
7 La Rencontre

後藤の強めでありながら流麗なタッチで奏でられるピアノ。
速いフレーズも、本人が弾きたいフレーズを淀みなくきっちりと弾ききって聴かせる。
ただ、テクニック偏重なんてことはなく、粗さをものともしないノリの良さ、タメを効かせたしっとりとした表現等々しっかり弾き分けて、表現力の幅の広さを見せ、多彩な表現力と盤石のタッチは、旨さ上手さ巧さを感じさせる。
力強い運指で強めの音を弾き出す、音程もしっかりゴンゴンというが如くのベースがまた素晴らしい。
ノリの良い曲では演奏をグイグイと煽っていくようなドラミング、しっとりとした曲では演奏を包み込んでいくようなドラミングと、打力を微妙にコントロールしながら、緩急織り交ぜ、演奏をきっちり締めている江藤のドラム。
各人の演奏は、個々に聴いていると硬質な部類になると思うが、3者が揃ったところで奏でられる音楽は柔軟な雰囲気を感じさせる、とても心地良いくつろいだ気分に変化。

選曲も、ジャズメンオリジナル、Batles、を含む4ビート8ビートを中心にしたもので、テーマもあまり崩さず演奏しているので、難易度も高くなく、2枚続けて気持ちよく体を揺すって聴ける作品に仕上がっている。

ベストはDisc1の3曲め

"Warm Feelings" the EROS(https://www.amazon.co.jp/dp/B07PQTYD13/ )
記事検索
「Amazonライブリンク」は提供を終了しました。
Recent Comments
RSS
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ