日本のジャズを聴け     (和ジャズBlog)

最近の日本のジャズは、もの凄く面白い!! もっともっともっと聴いて欲しいので、たくさん紹介します。

大西順子 "Very Special"

大西順子の新作は、菊地プロデュースのアルバムに続いての2年連続のリリース。
 "Tea Times" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63821643.html)
この作品がオーケストラと共演にラップもありと賛否両論な作品で、菊地らしい話題作とも言えたシロモノ。
これまでは、1作出して引退宣言してしばらく活動しないようなことが続いていたが、前作発売以降ライブも精力的に演ってるようだし、もう継続的に活動を続けるんじゃないかと期待しています。

今年の新作は2作同時発売。その2枚は下記2つで、トリオ作とバラード集です。
 "Very Special" (https://www.amazon.co.jp/dp/B075NJJ38J/)
 "Glamorous Life" (https://www.amazon.co.jp/dp/B075NJJ38J/)

本作はそのうちのバラード集のほう。たいがいが2人(一部3人)と少人数で奏でられる演奏。
大西順子(P,Fender Rhodes:5,9)
馬場孝喜(G:2,4,7,9,10)、Jose James(Vo:3,8)、森卓也・佐藤芳恵(Cl:6)、高橋信之介(Cymbal:1)、井上陽介(B:11)
狭間美帆(編曲・指揮:6)

演奏曲は、大西オリジナル2曲、Billy Strayhorn2曲、Johnny Green、Cole Porter、Ivan Lins、Michel Legrand等にクラシックが2曲入る布陣。
1. Very Special ~Intro~
2. I Cover The Water Front
3. Lush Life
4. Easy To Love
5. 舟歌 (ピアノ曲集『四季』第6曲より)
6. 柳の歌 (オペラ『オテロ』第4幕より)
7. Comecar De Novo (The Island)
8. A Flower Is A Lovesome Thing
9. How Do You Keep The Music Playing
10. After The Love Has Gone
11. Very Special ~Outro~

大西らしい強めのタッチで、ガツンと叩かれる、計算はおろか迷いとかすら感じさせない、頭で考えず心の赴くままに紡ぎ出したようなフレーズがなんとも素晴らしい。
ピアノの一音一音が、すべて意味を持っているがごとくに迫ってくる。

そこに、
1曲めでは、高橋のシンバルがある種の緊張感を醸し出し。
2曲めでは、中盤から馬場のギターがウォームな雰囲気を漂わせ3曲めでは、ホセが甘い歌声で、周囲を和ませ…
と、曲毎に、主にデュオではあるが、編成を変えて雰囲気の異なる演奏を次々と披露。
5曲めでは、自身のFender Rhodesとの連弾まで飛び出してくる。

中盤の2曲がクラシックで、そのうちのひとつ(6曲め)が狭間のアレンジで、北欧の冬を想起させるような透徹とした音世界を聴かせる。

最後にearth, wind and fireの名曲で終了。

バラード集ではあるが、甘いだけの演奏には終始せず、前述の通りのタッチの強さと強靭さで堅牢なバラードと言ったイメージを抱かせる演奏を聴かせるところが大西らしくてポイント高い。

ベストは、Wes並みのサクッとした馬場のギターが格好良い7曲めにしましょう。


大西順子 "Very Special"(https://www.amazon.co.jp/dp/B075NJJ38J/)

大西順子 "Glamorous Life"

大西順子の新作は、菊地プロデュースのアルバムに続いての2年連続のリリース。
 "Tea Times" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63821643.html)
この作品がオーケストラと共演にラップもありと賛否両論な作品で、菊地らしい話題作とも言えたシロモノ。
これまでは、1作出して引退宣言してしばらく活動しないようなことが続いていたが、前作発売以降ライブも精力的に演ってるようだし、もう継続的に活動を続けるんじゃないかと期待しています。

今年の新作は2作同時発売。その2枚は下記2つで、トリオ作とバラード集です。
 "Very Special" (https://www.amazon.co.jp/dp/B075NJJ38J/)
 "Glamorous Life" (https://www.amazon.co.jp/dp/B075NJJ38J/)

本作はそのうちのトリオ作のほうで、メンツは以下の通り。
大西順子(P)、井上陽介(B)、高橋信之介(Ds)

オリジナル5曲、初期ジャズ曲、Hasaan Ibn Ali、Joe Zawinul、映画サントラで全部で9曲。
1. Essential
2. Golden Boys
3. A Love Song (a.k.a Kutoubia)
4. Arabesque
5. Tiger Rag
6. Almost Like Me
7. Hot Ginger Apple Pie
8. Fast City
9. 7/29/04 The Day Of (from "Oceans 12")


曲としては、あまりハードだったりヘヴィだったりするものは希薄。
4ビート、8ビートを基調にしたものが中心ではあるが、オーソドックスというよりはかなり現代的な響きを感じる。

演奏も、ブラシを使って軽快にビートを刻む場面から、ロックばりに激しく叩く場面と、幅広い演奏を聴かせるドラムに、冒頭4ビートこそ強力なウォーキングだが、その後はウォーキングに徹することなくメロディアスなフレーズを繰り出しよく歌っているベース。
こんなリズムに、ピアノの大西は、大西らしい強いタッチも聴かせつつ、全体には緩急のメリハリをしっかりとつけた演奏で、おおらかかつダイナミックなピアノを聴かせる。

冒頭のちょっとダークな演奏にガツンと入れてくる4ビートのインパクトももの凄いが、
5曲めが1917年に録音された最初のジャズ曲らしいが、ラグタイム調のごきげんに速い演奏を聴かせ、
8曲めではWeatherReportと、ちょっと意表をついた選曲もあり飽きさせない

そういう耳で聴くと、6曲めはRockin' in Rythm のイントロのような演奏でこれがまた楽しい。

ベストは、その6曲めにしましょう。

大西順子 "Glamorous Life"(https://www.amazon.co.jp/dp/B075NHH4Y1/)

ICTUS Trio (20171230)

本田珠也、佐藤浩一、須川崇志という組み合わせでのピアノトリオは、本年1月末に1回見ています。
 "本田珠也3 (20170128)" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64010940.html)
このときは、トリオの名前もついていない状態でした。
このあと、5月にアルバムを録音して、その先行リリースライブがこの日でした。

MCでも言ってましたが、人気のある3人なので、スケジュールをあわせるのが相当困難らしく、今年都内でのライブは5回なかったようです。
このライブは、どうやら5月のアルバム録音の直後にリリース日程を聞き出して予定を組んでいたようです(驚)

この3人はできるだけライブを見たい面々なので、それぞれ個別でも見ていますが..
 佐藤浩一、落合康介デュオ (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64352807.html)
 須川崇志, 吉本章紘 デュオ (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64318290.html)
まぁ、こんな程度です(汗)

そんなメンツは
本田珠也(Ds)、佐藤浩一(P)、須川崇志(B)

19:40分ころ着いて6番めくらいだったか。
その後続々とお客さん来まして、最終的には関係者含め、20人弱くらいだった思います。

ステージの左奥にドラム、ピアノは定位置から少しせり出した状態。その間にベースが入るセッティング。

前半が8時ちょっと過ぎから、ほぼ45分で5曲、後半が9時半頃からアンコール入れて1時間で5+1曲という感じ。
演奏は、2曲紹介して演奏を繰り返すようなパターンで、
 1stは、Carla Bley2曲、佐藤のオリジナル、須川のオリジナル、Carla Bley
 2ndは、佐藤のオリジナル2曲、Carla Bley、バラード曲、Carla Bley(ICTUS) +アンコール(I Should Care)
という流れだったはず。

全体にテンポを少し落としめにして、元曲のテーマもストレートには弾かないようにしている、なもんでその曲がなにか注意深く聴かないとすぐには判別できないような感じで、印象としては抽象的な雰囲気を感じるような演奏。
このテーマをストレートには弾かない演奏の佐藤の絶妙な崩し具合が素晴らしく、特有の美意識に裏打ちされた旋律の素晴らしさは聴き惚れるしかない。
本田は、細かく、スティック、ブラシ、マレットを持ち替え、演奏の雰囲気に合わせて気の赴くままに打音を撒き散らす。
とくに、2nd2曲めでがっつりとしたソロを聴かせたのが圧巻。
須川の硬質なつま弾きと、フリー調の乱打、そしてなによりもアルコ弾きでの重く深いサウンドに酔いしれる。
今回のライブでは、須川の演奏が冴えていたような印象で、かなりの時間、彼のベースに聴き惚れていたような印象。

幕間に新作CDを購入して3人からサインをいただきました。

今回は、先行発売(最初に買った人に、珠也さんが「人類初の購入者だ」とエールを送ってましたw)でしたが通販サイトでは1/3から、店頭では1/17から購入できるようです。
 "ICTUS" (https://www.amazon.co.jp/dp/B077WXTYS6/)

MCで、「次作はECMから出します」なんて冗談を飛ばしてましたが、ECMでも通用するんじゃないかと思います。マジで。

"緑と風" m.s.t.

安価なミニアルバムがリリースされているのを見つけるとチェックしていまして..。
そんなことを始めたのは、石若駿の
 "Live at The Body & Soul"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/61999075.html)
が最初だったんですが、その後

魚返明未トリオ
 "STEEP SLOPE"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63342279.html)
shabel
 "Restructuring of shabel"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63768113.html)
 "Null Point Exception"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63991766.html)
KIMURA HIROTO ENERGY VOID
 "Initial Stage"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64007658.html)
KYJB
 "Library one"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64041518.html)
jahguidance
 "Dawn of Dreams"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63901431.html)
Moons
 "Side Deals"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63954960.html)

等々等々と、知らないバンドの楽しい演奏をたくさん聴かせてもらいました。
本作のm.s.t.も、そんななかで出会ったユニットで、これが2作めのミニアルバム。
前作は
 "Pianium" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64140236.html)

メンツは、m.s.t.というユニットとしては、ピアノとベースのデュオらしいです。
らしいんですが、前作も本作もドラムが全曲に入り。さらにstringsが入る曲があるのは、前作と同じなので、"ものんくる"も新作からそうなりましたが、Steely Danスタイルが基本のユニットってことで理解しました。
メンツなんですが、ドラムが全曲に入るうちの2曲目に、神保彰を起用しているところがハイライト。
持山翔子(P:1,2,3,4,6、Rhodes:4,5、Keyboard Harmonica:5,6)、小山尚希(B)
神保彰(Ds:2)、山内陽一朗(Ds:1,3,4,5,6)
銘苅麻野(Vln:3)、雨宮麻未子(Vln:3)、林田順平(Cello:3)
河村泉(Viola:3,4)、中島優紀(Vln:4)

演奏曲は、持山のオリジナルが2曲、小山のオリジナルが1曲、持山、小山の共作が2曲、Debussyで全部で6曲。
1.緑と風
2.Passepied
3.願い
4.Plug in
5.Valse de Rouge
6.羅針儀

前述の通り、一時期安価にリリースされている日本の若手ミュージシャンの作品を買い漁っていたのだが最近は全部買いはしていなくて、
最近の傾向として早弾きのダンサブルなものが増えてきている印象で、店頭で手に取って(試聴して)戻した盤もいくつかあるのが実情でして..。
自blogを眺めている方にはお分かりと思うが、Fox Capture Plan、quasimode、PE'Z、SOIL&"PIMP"SESSIONS
なんてあたりのダンス系ジャズバンドがほとんど顔を出さないように、これらのサウンドを好んで聴いていないわけだが..。

本作はそれらとは一線を画した雰囲気を醸しているところが好感触なところで、リズムこそしっかりとはしているが、全体的には、美旋律の流暢なピアノを軸とした端正な曲が並び、中間ではstringsを、後半ではRhodes/鍵盤ハーモニカの優しい音色を入れて徐々に雰囲気を変えていくアルバム構成もなんだか好感触。
雰囲気としては、ニュース番組のオープニングで使えそうな4曲目のテーマとか前作を踏襲しているとは思いますが、なんだか気に入って聴いています。

ベストは、2曲めにしましょう。

"緑と風" m.s.t. (http://tower.jp/item/4596716/)

佐藤浩一、落合康介デュオ(20171209)

この文章を書く前に、自blogの過去のライブ記録を眺めていると今年はデュオを聴く機会が多かったことに気づいて、それだけ2人での丁々発止の演奏に魅力を感じていた1年だったと言えそう。

昨年リリースのリーダー作をベストに挙げ(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63970231.html)ている佐藤浩一は、昨年1月の"本田珠也3"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64010940.html)以来のライブ。
このトリオのアルバムが来年早々リリースされる予定。

落合康介は、個人的には永武トリオのベーシストという印象が強いがいろいろなミュージシャンと共演を重ねキャリアを積み上げている。

そんな2人のデュオでの演奏は初とのこと。
佐藤浩一(P)、落合康介(B)


セッティングは最近のデュオのときの常套となった、ピアノを左側に移して斜めに設置、ベースは入り口のほぼ前に立つ立ち位置。

1stセットの最初は即興から。音数少なめに訥々とした演奏で、会場の空気が引き締まるような感じの演奏から。
2曲め以降は、Lennie Tristano、Lee Konitzに、佐藤のオリジナルを交えた選曲で、クールなスタイルの曲が並ぶ。

佐藤の演奏スタイルは、あまり腕を上げずに鍵盤を押さえていくように弾くが、こっちから見ていて鍵盤を押し込んでいないようにみえるくらいでありながら、それでいて打音はしっかりとしている、ある種の独特さを感じさせるもの。
落合は、左手で抑えた弦の上を弾いたり、弓を倒して弦をこすることで擦過音を出したりと、様々なテクニックを駆使した演奏で応戦。
佐藤が一音一音吟味して鍵盤に指を置いていくようなスタイルなら、落合はもう少し奔放に弦を弾き、弓で弾くような感じで、ドラムがいない分広がった空間をたっぷりと生かしたような演奏が、ほどよく緊張と弛緩を醸し出す。

メンバー紹介と、曲紹介を少々するくらいで、あとは演奏に集中していく。
1stセットが8時を少し超えたくらいから45分くらい、2ndセットがアンコールにも応えてくれて60分くらいだったか。

終演後ずるずるといろいろな話をしていたら1時を過ぎてしまい。明日もあるので辞してきたんですが、睡眠足りてないような..。

北川潔 "Turning Point"

北川潔のリーダーアルバムとしては、2014年の下記アルバムを紹介していて、しっかり盤石な作風を堪能していました。
 "LIVE IN JAPAN" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62671948.html)

片倉、石若ペアのアルバムってのも実は聴いてまして、2013年の下記アルバム。
 "Live at The Body & Soul" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/61999075.html)

これが言のほかに素晴らしいアルバムで、個人的には 石若駿 おっかけのきっかけになったアルバムなんですが、こんなメンツのアルバムがリリースされたとなれば、個人的に食指が動くのは当然のところ。
国内発売がないうちに、cdbabyに発注をして、早々に入手しました。
実は、国内で手に入れる術はあって、CDリリースの国内ツアーをやってたんですよね..。

そんなメンツは、以下の通り。
北川潔(B)、片倉真由子(P)、石若駿(Ds)

演奏曲はすべて、北川潔オリジナルで全部で10曲。ただし1分代のベースソロ曲が2つ含まれるので、実質的には8曲といった方が良いかもしれません。
1.Zero Gravity
2.Pocono's Delight
3.Linden Blvd.
4.Thought #3
5.Summer Mist
6.Turning Point
7.Thought #4
8.Spring Song
9.Farewell My Freond
10.Backlash

4ビート基調の美旋律、あるいは親しみやすい旋律の曲が多めな構成。
さらりと聴かせているようでありながら、実に骨のある奥深い演奏をしていて侮れない。
さすがに、これだけのメンツだと3者とも気合いの入れ具合が違ってるってことなんでしょう。

北川のゴリッとしたベースを中心に据えているような音作りは、リーダーが故で大いに納得。
このベースの迫力がアルバムの原動力になっていることは間違いのないところ。

そして、ここでも縦横無尽かつ想像力豊かなドラムを披露している石若の実力の計り知れなさを感じさせるのも、これまた間違いのないところ。
恐ろしい人材を日本ジャスは抱えたと思ってしまうくらい。
と、個人的には、ベースとドラムを堪能したい度合いが高めではあるのが正直なところであるが。

絶妙に適切な音量と音数で繊細に奏でられる片倉のピアノが、そんな贅沢な欲望を阻害せず、それでいてしっかりと自己主張もしていて、実はかなり良い仕事をしているところが侮れないところ。

3者がかなりなレベルの演奏をしているので、当然ながらトリオとしての演奏のクオリティも相当に高く、満足度の高い演奏を楽しむことができることさ間違いありません。

ベストは、いずれの曲も素晴らしいので悩むのですが、10曲めにしましょう。

北川潔 "Turning Point" (https://www.amazon.co.jp/dp/B076FCXTCP)

"Dear Family" 桑原あい / 石若駿

今年は、石若駿の参加作の多さが印象に残りましたが、リーダー作こそ歌ものの下記2作ですが、
 "Songbook"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64021298.html)
 "Songbook2"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64343657.html)
ユニット CRCK/LCKS
 "Lighter"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64210000.html)
企画もの
 Brilliant Monkies(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64229442.html)
他に、自blogを探すと、RM Jazz Legacy、小田朋美、、ものんくる、けもの...
と、相当数のアルバムが出てきます。
さらに、未紹介の北川潔さんのアルバムが控えているという..

桑原も、今年1枚のリーダー作をリリース。
 "Somehow,Someday,Somewhere"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64062389.html)
他に、自blogでは、ものんくる、仮BANDが参加作で出てきて、ライブは上記メンツのライブ、Pit Inn5days、BlueNoteツアー等々とこちらも飛躍の1年だったようです(ライブは1つも見てませんが..)

本作は、そんな大活躍中の2人によるデュオアルバム。
最初は1曲めにあるニュース番組用の録音からスタートしたらしいです。
桑原あい(P)、石若駿(Ds)

演奏曲は、石若オリジナル4曲、桑原オリジナル3曲、共作3曲はタイトル曲2テイクとImprovisationと題された曲。
そして、Massive AttackのSaturday Come Slow、Maroon 5のSunday Morningで全部で13曲。
01. Dear Family -TV Version-
02. Idea for cleanup
03. The Great U’s Train
04. Improvisation #1
05. Family Tree
06. Tuneup
07. Andy and Pearl Come-Home
08. Granpa’s Sunglass
09. Improvisation #2
10. Dog Doesn't Eat Dog World
11. Dear Family
12. Saturday Come Slow
13. Sunday Morning


ピアノとドラム。
普通ならば、旋律とリズムで満たされて、低音の若干の弱さを感じそうなところだが、ピアノの左手も縦横に動いているが、それに加えてバスドラムが効果的に使われることで、ベースがいないことをほとんど意識させないサウンドが形成される。

テンポの早い曲では、桑原の真骨頂である右手の早いフレーズを軸に、低音域も左手でしっかりと動きを持たせ、桑原サウンドで空間が満たされる。
そして桑原の早いフレーズに触発されたかのように、石若がそれ以上に早いビートで応酬するような感じで、演奏に熱気が加わる。

ゆったりめのテンポの曲では、しっかりと奏でる旋律に呼応して、石若のドラムが優しく合わせてくるかと思いきや、じわじわと攻め立ててくるような感じで、これはこれでスリリングな展開を楽しむことができる。

楽器が2つだけということで、空間は広大なものが与えられていることになるが、桑原も石若もその広大な空間を自由闊達に埋めていきながら、両者の息のあったサウンドの心地良さをも感じさせるもので..。

特に、桑原のピアノは、初期のアルバムでは地に足がついていないイメージを感じる部分も見受けられたが、と言いつつ買い続けてもいるが..。
ここで聴ける演奏は、自信と実力を感じさせるというか、大胆にがっつりとした演奏を聴かせてて個人的にはかなり好感触に聴きました。


ベストは、10曲めにしましょう。

"Dear Family" 桑原あい / 石若駿 (https://www.amazon.co.jp/dp/B075H1J3K9/)

菊地成孔 "機動戦士ガンダム サンダーボルト2 Sound track"

機動戦士ガンダムのシリーズがいくつあるか知らないが、そのサンダーボルト編には、菊地成孔が音楽をつけたジャズがサントラとして用意されています。
本作はその第2弾。
第1弾は
 "機動戦士ガンダム サンダーボルト Sound track" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63824093.html)

前作は、様々なテイストの"ジャズ"が盛り込まれた印象だったが、今作はもう少し判りやすいジャズが半分とポップスが半分という構成。
その前に、第2弾でも半分だけどジャズで良かったわけですねw

メンツは以下の通り。クレジットを再構成して書いているんで間違いあるかも。
ジャズ側は、なかなかなメンツだと思います。

- JAZZ Side -
桑原あい(P:1-7)、山田玲(Ds:1-7)、鈴木正人(B:2-7)、中野雄介(Tp:2-6)、鈴木圭(Fl,BCl,Ts,Bs:3,4)、菊地成孔(Sax:2-6、Key:3,4)


- Pops Side -
市川愛(Vo:8,10)、辻村泰彦(Vo;9)、坂本愛江(Vo:10,12)、吉田沙良(Vo:10,13)、小田朋美(Vo:11)、佐々木睦(Vo:14-16)
伊平友樹(G:8,10,12)、米田直之(Manipulator:8-12,14-16)、Luise Valle(Tp:9,10,13)、庵原良司(Ts:9-11)、宮内岳太郎(Tb:9-11)、竹村直哉(Bs:10)、菊地成孔(Chorus,Cowbell:8、Key:8-16)


演奏曲は以下の通り。すべて菊地のオリジナル。
ディスクは1枚ですが、ジャズサイドとポップスサイドとに分かれています。

- JAZZ Side -
1. Groovy Duel
2. Thunderbolt New Theme
3. 氷上の敗走
4. Bianca’s Army March
5. Acrobatic Fight-1
6. Acrobatic Fight-2
7. Groovy Duel Slow

- Pops Side -
8. 可愛いあたし (feat.市川愛)
9. 骨砕けても (feat.オーニソロジー)
10. 色悪 (feat.The Yellow Tricycle)
11. 串本節 (feat.小田朋美)
12. 恋は誰もいない (feat.坂本愛江)
13. 戦争 (feat.吉田沙良)
14. 南洋同盟-1
15. 南洋同盟-2
16. 南洋同盟-3

前半は、ハードな演奏のジャズから。
前作もハードな演奏ではあったが、もっとフリージャズ濃度の濃いものが前半に据えられ強烈なインパクトを与えていたが、今作は、冒頭のピアノトリオでのゴツゴツとした演奏のインパクトは充分に感じられるが、全体的には、フリー濃度は若干低めの、テーマもしっかりあるハードバップな演奏に近いスタイルと言えるでしょう。
とはいえ、2曲めとか菊地のサックスの咆哮は絶叫してるし、ハードな側面も見え隠れする。
前述の通り、ピアノが前作の大西から若い桑原に変わることで、低音の迫力から早弾きの迫力に変わることで、若干雰囲気が変わっているのもあるかも。
ただ、ドラムが重戦車然とした迫力あるビートを叩き出すことで全体のバランスとしては、重厚感のあるものにはなっているが。
アレンジ的にもドラマチックな演奏に仕上がっているのは、菊地らしいと言って良いんでしょう。

後半はクレジットの通り、演奏者も変化して雰囲気ががらりと変わって、日本語歌詞のついた曲になる。
ポップな女性ボーカル、ブルージーな男性ボーカル等々と、リズムも多彩に変化してくる。
13曲めが、曲、歌詞自体、その詩の曲への載せ方とか一番菊地らしいと感じさせるもの。

そして、最後の3曲が禁断(?)のお経に節をつけたもので(笑)
仏事でお経を聞いていると、宗派によって?お坊さんによって?ある種のリズム感とか節回しを想起することがあるのは多くの人が感じていることと思うが、それを商業トラックに入れちゃったわけで、「ついに」ってのが個人的感想。

それと同時に、映画ガンダム(日本のアニメ作品)にも宗教の話題が盛り込まれたってのも、ちょっと驚きというか、いろいろ考えちゃいました。

ベストは、トリオで演奏される1曲めにします。

菊地成孔 "機動戦士ガンダム サンダーボルト2 Sound track" (https://www.amazon.co.jp/dp/B076H52MW3/)

"Songbook2" 石若駿

しばらくは石若駿のやってることはひと通りチェックしておこうと思ってまして、本作も(普段ほぼ聴かない)ボーカルものであることは承知のうえで嬉々として買ってきた次第であります。
さすがにアルバムの1曲だけ参加しているのとか、すべては追うつもりはないが、少なくともリーダー作だけはしっかり聴いておきたい逸材だと思ってます。
近作だと、北川潔トリオ、桑原あいとのデュオなんてのはありまして、かなり多忙だとは思いますが、けっこうな量のアルバムに関わっているようです。

ということで、石若駿の”SongBook”プロジェクトの2作め。
”SongBook”プロジェクトは、石若駿がこれまでに作曲したジャズっぽくない曲に歌詞をつけて誰かに歌ってもらい、伴奏の大半は自身で担う。というミニアルバム形式のもので、多忙な合間を縫ってこつこつと音作りをしているらしいです。

1作めが
 ”SongBook” (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64021298.html)
で、2作めまでリリースされたが次があるのかどうか。
なんだかんだ、このプロジェクトはなかなか興味深い曲と演奏と歌なんで、出れば買うぞという体制は維持しときます。

今作は、ボーカリストが3人(前作は5人なんで、すべての曲が違う人が歌ってた)、角銅と小西が今作引き続きで、ermhoiが新たに追加(ただし前作リリース時のインタビューで言及している)
伴奏は、石若だけではなくなり4人の名前が並ぶ。調べたら西田だけ聴いてないもよう。
ermhoi(Vo:1)、角銅真実(Vo:2,3,4)、小西遼(Vocorder:5)
Niran Daika(Tp:1)、西田修大(G:2,3,5)、越智俊介(B:2,3)、須川崇志(B:5)
石若駿(P, Rhodes, Synth, Ds)

1. Birthday Song
2. Purkinje
3. Hareta Yoru
4. Room
5. Jazzfriendz

曲調は、前作の流れというよりも、若干小田朋美さんのアルバムの雰囲気を感じるか。
それってClck/lcksでの共演の影響がでているのかと勘ぐってみたり..。

1曲だけドラムなしの曲がある(ドラマーのリーダー作だからそれも凄い)が、石若のドラムとしてはいつものキレの良さというよりも、ボーカル曲としての雰囲気の良さを重視した印象で、程よい緩さを感じさせるもの。

ボーカルは今作では3人が担っているが、アルバムとしては3曲で歌っている角銅さんをフィーチャーしている(5曲めは加工声、1曲めは新規参入)ことは明らかでしょう。石若が彼女の歌唱の雰囲気が気に入るってのは、なんだかわかるような気がする。実はかなりの多才多芸な人らしく、全貌を知ったら恐れおののきそう。

ベストは、石若のピアノだけが伴奏の4曲めにしましょう。

石若駿 "Songbook2" (https://www.amazon.co.jp/dp/B076FDMLFG/)

吉本章紘, 須川崇志 "Oxymoron"

本作はネット上で、リリースするという情報を知ったが、店頭販売はせずライブ会場等で本人から購入するのが前提ということでしたが、タイミングをつかめずなかなかこの2人(のいずれか)の演奏をライブでみる機会ってのが持てなくて、たまにライブ情報を漁っては唸っていたんですが、
たまたま11/3に練馬区は石神井公園での小さなジャズ祭に出演する情報を見つけまして、電車バスを乗り継いで会場に赴き、ビール片手にライブを堪能しつつCDも入手してきた次第であります。
 須川崇志, 吉本章紘 デュオ(20171103) (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64318290.html)

そのジャズ祭ですが、地元在住の人を中心にしたもので、11時から30分ずつ10組の練馬在住のミュージシャンが登場して演奏する無料の屋外コンサート。
ついでに、動態保存されている五味康祐のオーディオも見学してきたんですが、これは別の話。
 https://www.neribun.or.jp/study/file/201703271490546930_01.pdf

吉本は、石若買いした下記アルバムで知った名前ですが、このアルバムの完成度の高さも相まって、参加している面々がその後気になる面々になっています。(メンツ詳細はリンクから)
 "Moving Color" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63339524.html)
須川も、上記アルバムに参加しているのは言うに及ばず、本田珠也のファーストコールベーシストで石若バンドでの登場頻度が高いと、業界的にもここのところ引っ張りだこの逸材。
この2人がデュオ作を出したと聞いては見過ごすわけにはいきません。

1曲だけゲストが入ります。先日のラジオの紹介(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64325364.html)で出てきたトランぺッターのNiran Dasikaです。
須川 崇志(Cello, B), 吉本章紘(Ss,Cl)
Niran Dasika(Tp:10)

演奏曲は以下の通り。クレジットはいずれも2人の共作なんで、即興という解釈で合ってると思います。
1.Walk Around
2.Water Ripples
3.Password
4.Mokume #1
5.Bass
6.Room
7.Suidokan
8.Mokume #2
9.Wheel
10.Mokume #3
11.Enpitsu Hiko

このアルバムを入手した屋外でのライブ(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64318290.html)では、有名曲を題材にして、聴衆の耳を惹きつけつつ、2人のサウンドを聴かせるようなスタイルで、それでも会場(周囲)の空気感が変わるような演奏を堪能させてもらったが..。
本作では、主旋律の求心力という部分を除外して音色の良さ、即興の魅力だけで勝負しているってことなんでしょう。

吉本はアルトサックス、須川はコントラバスのアルコ弾きを披露している場面が多いか。
個人的には、吉本のクラリネット、須川のチェロのアルコが妙に惹かれる。

広大な空間を相手に、両者が、時に協調、時に反撥しながら、多からず少なからずの程よい濃さで音を散りばめていく。
なによりもこの2人の音の美しさが際立っていて、極端なことを言うと、多々単音を延々弾き(吹き)続けているだけでも聴き惚れるんじゃないかと思うくらい。
擦過音、歪音とか、一般に耳障りに響く音も多少なりとも出てくるが、それらの音すらも美しく響く。


ベストは、4曲め

吉本章紘, 須川崇志 "Oxymoron" (http://yoshijazz.exblog.jp/28018306/)
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