日本のジャズを聴け     (和ジャズBlog)

最近の日本のジャズは、もの凄く面白い!! もっともっともっと聴いて欲しいので、たくさん紹介します。

First Impression" Espaco

Espacoでエスパソと読むそうです。
リリース直後ですが、機会をいただいたので聴かせてもらっています。

たしか、このバンド自体の活動期間は相当長いが、ここのところほとんど活動が停滞していた。
そこに、石田幹雄が参加したことでアルバムを作ることになったような、そんな話を聞いたようなちょっと間違っているような。。

かなりしばらくぶりのアルバムではあるようなので、活動歴に長い面々が揃っているよう。
ただ、個人的にはこれまで遭遇したことのない面々がほとんどではあります。
唯一知っているのが、ピアノの石田ということになります。

柳原たつお(B)、石田幹雄(P)、青木秀明(Ts)、小野寛史(G)、上村計一郎(Ds)

演奏曲は以下の通り。ちゃんと確認しませんでしたが、すべてメンバーいずれかのオリジナルで良いと思います。
01. Remember
02. 葉風
03. CYCLES
04. まどろみ
05. 盆の窪
06. River View House
07. IRAMUSA-2019
08. J.C.Waltz
09. 彩色
10. Long Short Story
11. First Impression

タンゴ系のザクザクしたリズムの1曲め。
こんな歯切れの良いピアノを石田が弾くのもなかなか遭遇できないそのノリのまま、ギターソロからピアノソロへと突入。
控えめにではあるがフリー方面へアプローチする姿勢を見せてはいるが、曲調から、派手な立ち回りには至らない。

3曲めでも途中からフリーな展開に入っていく4曲めがバラード。
他の曲でも途中でフリーな方面になだれ込む場面はあるが、同様に行き過ぎないところで留まるのは、全体のバランスから言って正解でしょう。
5曲めのベースソロの裏での演奏は、比較的石田感を強めに感じるような演奏

総じて、石田の演奏は、これまで聴いてきたものに比して感情を抑制したような演奏に聴こえていて、美旋律も、これまでで聴いてきたような意識を集中して集中して極限で紡ぎだすような渾身のと感じられる部分は希薄。
数少ない激しめな演奏の部分も、感情剥き出しのような挙動には至らず。
5曲めのソロで唸り声が聞こえたが、ここが一番感情が高ぶった瞬間じゃないかと思う。
他の曲では唸り声は聞こえないはず。

手を抜いているというよりは、曲調に合わせた演奏に徹したらこういう演奏になったんだと推測。
それが、石田の真骨頂を捉えているとは言い難いというのもありそうだが、逆に石田の違う一面を聴けるという意味では貴重な演奏とも言えそう。
と、石田の挙動を中心とした文になっているが、なにしろ知ってる名前が石田だけなので彼の挙動に耳が集中してしまうのは許してほしいところ。

他のメンバーも相応に良い演奏をしているのは間違いないが、なんか引っかからないというか、耳を持ってれないというか…
なかではベースが良い味出しているほうなんじゃないかと思う。

作られた曲の部分は、4ビート多め、8ビートもありで、とビートのしっかりとした諳んじられそうな平易な旋律のものが大半で気持ち良く聴いているにはそれで良いが、そういう意味では演奏で耳目を惹きつけるようななにかがもう少し出ていれば尚良かったんじゃないかと思うのは、聴く耳が悪いが故の感想かも。

ベストは4ビートの5曲めにします


"First Impression" Espaco (https://www.amazon.co.jp/dp/B07RZR3D9K/)

江藤良人、加藤一平、早川岳晴(20190629)

ギタートリオでエレクトリックマイルスを演るって告知で、そのメンツに加藤一平、早川岳晴の名前があれば、それはどういう演奏になるか薄々予感しつつ、そんな予想を上回る演奏が聴けるんじゃないかと、そんな期待感を持って開場に赴きました。

メンツをあらためて
 江藤良人(Ds)、加藤一平(G)、早川岳晴(B)

19:30の開場直後くらいにお店に着いたんですが、すでに5〜6人のお客さんが入っていました。
とはいえ、いつも座る席は確保できたので、そこで開演を待ちます。
20:00開演予定なんですが、この30分にお客さんがどんどんやってきて、定刻にはほぼ満席。

定刻を5分も過ぎたところで演奏スタート。加藤のMCから。
もともとは、ドラムの江藤から加藤に声がかかって、ベースは誰が良い?という問いに早川を要望(&快諾)にて、このユニットが完成したとのこと。

最初に曲名を言ってから演奏スタート。
たしか spanish key, in a silentway, directions なんて言ってた気が..。

ちゃんと譜面台に譜面を用意し、いずれの曲もどこかでしっかりとテーマを提示してくれるので、どの曲を演っているのか判らなくなることはないし、ドラムパターンだったり、テーマ進行の拍だったりすると思うが、その曲として抑えるところはある程度は抑えられているので、エレクトリックマイルスを聴いたことがあれば、その曲にノッて気持ちよく体をタテにヨコに揺らしながら...。

と、先に書いておきますが、実際の演奏は、江藤のパワフルなドラムに、こちらもいつも通り(いや以上か?)にゴリゴリと低音をかき鳴らし。
そして、いつもながら(もしかしたらいつも以上?)に暴力的な..実際には非常に突拍子もない過激なサウンドであることが多いのは事実であるが、痒い所に手が届く的に、この場面で鳴らすのかこの音色でこのフレーズをこの音量でと、足回りの機材を使って、音色変化、ディレイととても繊細にコントロールしている。

こんなサウンドが、さらに音量が大きいのと相まって、陶酔されたような洗脳されたようなトリップしちゃったような、そんな感覚に襲われる。

セットの終わりにようやくメンバー紹介。「はやかわたけはるさま〜っ、」と様付けでやってたのがご愛敬。

2ndセットは、21:15くらいからだったか。
こちらも曲名を先に言ってました。こんな Jean Pierre, bitches brew, jack johnson 布陣だったと記憶。

1stセットが40分くらい、2ndセットがアンコールを入れて50分超くらいだったか。アンコールはBlack Satin
演奏するほうも相当体力を使うと思うが、聴くほうも相当体力を使ったので、両セットとも1時間に満たなかったが、満足度も 充足度も充分に満たされた。

けもの "美しい傷"

「けもの」というユニットは「青羊(あめ)」さん1人でのユニット名で、過去に2枚アルバムが出ています。
 "LE KEMONO INTOXIQUE"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63238654.html)
 "めたもるシティ"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64210007.html)

本作は、ほぼ同時期にEPでのリリースもされていて、各2曲ずつ4曲がEPでも聴けて、それに1曲加えてミニアルバム(CD)でリリースしたのが本作ということで合っていると思います。

これまでの2枚のアルバムは、菊地成孔がプロデュースをしジャズ系ミュージシャンが演奏をするというスタイルでしたが本作はセルププロデュースで、ジャズミュージシャンが演奏をするスタイルは不変としています。

個人的に、彼女のアルバムを買っている理由はジャズミュージシャン(とくに石若駿)を起用しているところが大きいのは、間違いないでしょう。

そんなメンツは以下の通り。ここのところギタリストの西田修大の名前を聞く機会が増えている気がしてます。
青羊(Vo,P:3,G:5)、トオイダイスケ(B:1-4)、西田修大(G:1,2,4)、石若駿(Ds:1,2,4,5)、安田コウタ(P:2)、村田直哉(TurnTable:4)

演奏曲は下記5曲。3曲めだけがEPでは聴けない音源です。
1. コーヒータウン
2. リップクリームダブ
3. room707
4. ただの夏
5. トラベラーズソング

ほのぼのとゆったりめなポップスと言った趣が全体の印象。
全体をさらっと聴き通して、ジャズを感じるような部分は、ほぼ皆無。

冒頭の曲なタイトルをはじめ、コーヒーが主題になるような歌詞が多め。

演奏面では、ギターがさまざまなサウンド、奏法で変化を与えて、目立っているのはポップスとしては常套的なことと言えるんでしょう。

石若がドラムを叩いているが、特にソロとか目立った振る舞いはないが、カサカサした音色での微妙に前ノリな気配を感じるドラミングは、なかなか気持ち良い。

ベーシストが音楽監督的な立場らしいが、演奏面では堅実なベース演奏に終始している

前作は、菊地成孔がプロデュースに入っていたはずだが、それが故に歌詞とか、サウンドテイストとかに、いかにもな気配を感じたが、さすがに本作ではそんな色合いは目に見えて抜けている。


ベストは、2曲めで

けもの "美しい傷"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07QVG94SZ/)

"NEW HERITAGE OF REAL HEAVY METAL EXTRA EDITION" NHORHM

西山瞳さんのヘビメタプロジェクトは、当初から3作作って終わりの予定だったらしいのですが、その完結編で聖飢魔IIの曲をカバーしたら、デーモン閣下と対談するというように、さらに知名度が上昇したようで、急遽、過去の3枚の録音での没テイクを集めて4枚めのリリース。

当然ながら、これまでの本編3作はしっかり聴いています。
 "New Heritage Of Real Heavy Metal" (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63504218.html)
 "New Heritage Of Real Heavy Metal II" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64014299.html)
 "New Heritage Of Real Heavy MetalIII" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64663738.html)
さらに1回ですが、ライブも見てましてその参戦記は
 ”NHORHM (20161029)” (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63908604.html)

メンツは初作から不変です。
西山瞳(P)、織原良次(B)、橋本学(Ds)

演奏曲は、本人のオリジナルを1曲含む、下記7曲。
Stratovarius,Slayer,Deep Purple,Metallica,Yngwie Malmsteenなんて名前が並ぶが、Deep Purple、Metallica位は名前を知っているが..。といった程度しか、個人的にはロックは聴いていません。

1. Galaxies
2. South of Heaven
3. Highway Star
4. Enter Sandman
5. Don't Let It End
6. P.C.P.
7. The Seventh Sign

「元曲を知らないのでどこまで元曲に忠実か判らないが、印象的な部分だけ残して換骨奪胎して、曲のキメの部分等判りやすいイディオムはしっかりと残していながら、おそらくジャズなコードを挟んだり、いろいろな仕掛けを多用して音楽としてはしっかりとジャズの範疇に収めていると推測。」
という文言は、最初のアルバムでの文で、その後も多用しているフレーズだが、本作でも同じイメージを持って聴いている。

これが4作めの作品で、4枚分の演奏を聴いているわけだが、ピアノの表現力の幅広さが肝になっていることを、あらためて思い知った。

ヘビメタの曲が持っている荒々しさ、哀しさ、美しさを、ピアノが、曲の美しい部分、パワフルな部分、繊細な部分、威勢良い部分と自在に渡り歩き独自の感性で表現していく。

「西山の繊細なピアノと、織原のメロディアスなベースで、しなやかにヘビメタサウンドの美しさを醸し出している。」というのも前作でのフレーズだが、ここまでそのまま流用し、さらに「橋本のドラムもしなやかである」と付け加えておく。

元曲が分かっている人は、元曲のピアノでの表現として、元曲を分かってない身としてはジャズとしては目新しい曲調のピアノトリオとして充分楽しめる作品である。というのは4枚に共通した印象

これまでの3枚と較べて、あの曲をやってる、この曲をやってる、というのはあるんだろうが、曲を知らない身としては、今までの3枚と同じクオリティで、普段あまり聴けないヘビメタ曲のジャズピアノトリオ版を楽しんだ。というのが正直なところ。
でも、そんなでも楽しく聴ける作品でもあります。

ベストは4曲め

"NEW HERITAGE OF REAL HEAVY METAL EXTRA EDITION" NHORHM(https://www.amazon.co.jp/dp/B07NRFKWHJ/)

J. J. Soul (20190608)

永武さんの演奏は、レギュラートリオを中心に、いろんな人とのデュオ等、いろいろ聴いていますが、もう1つの継続的に活動しているトリオが見れてなくて、今年初めにようやく生で見れました。
それが、J.J.Soulというユニットであります。

 "J. J. Soul (20190118)"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64713913.html)

今回、地元のいつものお店で初のライブということでした。

吉良は世田谷トリオ(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64627120.html)等で生演奏を聴いているが、石川はこのバンドでだけ聴いています。
永武幹子(P)、石川隆一(B)、吉良創太(Ds)

20時を曽越過ぎたところで開演。

1stセットは、速めの曲とバラードを交互に演奏して5曲くらい。たしか、永武オリジナルが3曲入っていたと記憶。
他は、Duke Ellingtonと本田竹広等だったか。
2ndセットは、富樫雅彦、Steve Swallow、prelude to a kiss、本田竹広(サラームサラーム)等で4曲に、アンコールが if I were a bell
という構成だったか。

前回のライブの文章では、"ソウルな雰囲気をたっぷりと感じさせる"演奏という語を使っているが、今回は曲の構成をしっかり維持したなかでの、ジャズな即興を楽しめるような要素を強く感じた。
3者が顔を見あってタイミングを合わせるような場面が少なく、曲の進行(アレンジ)がしっかりしていることをうかがわせる。
とくに、バラード系の曲でそんな傾向が強めになっているかなぁと感じられた。

オリジナルトリオが実験的なことを多用して演奏がどこに行っちゃうか(おそらく演奏している当人達も)読めないような演奏を繰り広げているので、好対照なピアノトリオという位置づけになるんでしょう。きっと

今回特に永武の弾く打鍵の強さがこれまでに増して強めに感じられ、そんな強い打鍵でありながら、速いフレーズもしっかりこなしていて、この日の気分がとっても良かったのか、はたまた腕と指の調子が著しく良かったんじゃないかとかいろいろ考えてしまいました。

今日のセットがバラード系のスローな曲が多かったからかもしれないが、バンドの役割的には速い曲をよりアグレッシブに突っ走らせる吉良のドラムと、ゆっくりな曲にしっとりとした情感を込めていく石川のベースという分担があるのかなぁ、なんてこともぼんやりと考えていたりして。
さらに、石川のベースを前面に出してくる場面が多めに感じられたのも、スローな曲が多めだったからなのか..。

あらためてバランスの良いピアノトリオであることを認識した次第であります。

終演後、いろんな人とちょこちょこ話をしていたら2時近くなってしまいました。
聴衆は、15人近かったんじゃないかと思います。

徳田雄一郎 "Wind"

本作は、さる知人の方に教えてもらったもので、ギターの鈴木直人が良いというというのがそもそもの発端だったと記憶しています。
他のメンツでは、ドラムの柵木君はライブで生で聴いたことがありますが、他の人は初だと思います。。

そんなメンツは以下の通り
徳田雄一郎(As,Ss,Vo)、鈴木直人(G)、柳隼一(P)、大垣知也(B)、柵木雄斗(Ds)

演奏曲は以下の通り、すべて徳田雄一のオリジナル。
01 MANDALA
02 WIND from Normandy
03 Brings Me Southern Distance
04 Verano De Escocia ~ Summer in Scotland
05 KAMOME ~ Seagull
06 The Hat Catches The Leeway
07 Sweet Dreams My Love
08 Lotus Flowers
09 One Flag
10 WIND ~ Prayer
11 WIND ~ Space Dreamers Version

日本人の演奏するフュージョンとしては、テクニック偏重になっていない、程よく心地良いサウンド。
この辺は個人的嗜好との兼ね合いではあるが、最近の邦人ジャズとしては、ダンスに寄り過ぎず、速度に執心せず、良い塩梅のスタイルではないかと思う。

4曲めで手拍子を入れ、そこはかとなくPMGからの影響を感じさせる。もっともあんな複雑なパターンではないが。

7曲めだけボーカルが入っていて、ここでちょっと雰囲気が変わる。
アルバムの中ではインターバル的な位置付けになるんでしょう。

8曲めはsong for bilbaoを彷彿とさせるような曲で、どことなくブレッカーバンドの影響を垣間見せる。

サックスはノンビブラートを基本とする奏法を持ち味としていて、これも個人的嗜好ではあるが、このバンドと演奏の中では、特にスローな曲ではもう少し抑揚があっても良いようには感じた。

そんなことを考えながら聴き進むと、ギターがクールなスタイルを基調にしているが、程よく熱気を孕んだ演奏で痒いところに手が届くようなタイミングとフレーズで個人的には結構気に入っている。

自Blogを漁ると、なんとこのギタリストは生で見て(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63728914.html)いまして、あのときはかなりのブチ切れ演奏だったようなので、表現の振り幅がかなり大きいことがわかる。

ベースは、エレベを使用していてエレベらしい良く動くフレーズではあるが、高音方面へは進出は控えめで、これは(個人的嗜好としては)好感触。

前述のとおり、柵木も生で聴いて(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63835477.html)いる一人。当時の記憶的には本作でもちゃんと持ち味の出た演奏をしている印象。
※ギタリストもドラマーも3年前なんで偉そうなこと言えない..。 orz

ベストは9曲めにしましょう。

徳田雄一郎 "Wind"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07G2MYVD3/)

四管獣 "四管獣"

四管獣は、纐纈雅代三が参加しているユニットとして認知してます。
グループ名通り、各種サックス奏者4人からなるユニットです。
残念ながら、他の3人のミュージシャンの方々は存じ上げていません。

縁あって、四管獣の1stアルバムを聴く機会を得たので、その紹介です。


RIO(Bs)纐纈雅代(As)上運天淳市(Ts)佐藤敬幸(Ss,As)

演奏曲は以下の通り。
1 Beast Blues
2 Liberation of Maize
3 The Sky is The Limit2018
4 Many Drops Make a Song
5 Weyper
6 Katatsumuri Parade
7 Beast Blues

冒頭はバリサクによるリズムフレーズを、その後は複数管によるアンサンブルが伴奏を担う曲もありというなか、残りの楽器が、ソロだったり、アンサンブルだったりで、テーマを奏で、即興を奏でる。

テーマは、2曲めのバラードな美旋律とか、難易度低めの美しい曲が並び。3曲めが、スーパーマリオのような、まるまるもりもりのような曲で楽しい。
6曲めがタイタニックのテーマをちょっと感じさせる、こちらも美曲。


そして、大半がソロだが、一部バッキングでも出てくる即興部分が、各人の持ち味を出していて、フリー濃度の濃い泣きのフレーズ、粗いサウンドでのブロー、サブトーンを絡めたしっとりとした演奏、などなど、いずれも良い演奏でテンションを上げてくる。

最後の曲が日本語のラップが入るが、やっぱりいらないなぁと思ってしまうのは、自分がじじいだからか…

ベストは4曲めで

四管獣 "四管獣"(http://masayokoketsu.com/discography)

"ふつえぬ" 鳴らした場合

タイトルは上記の通りだが、どっちがグループ名でどっちがアルバムタイトルか、いまいち判別がつきにくいところが..(萎)
鳴らした場合がグループ名で、加藤一平がリーダーをつとめるバンド。

ここのところ加藤の活動が活発で、自blogでの最近の参加作は
 しわぶき "Generators" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64719128.html)
 Nouon "Flow" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64701959.html)
ライブでも、日野皓正バンド、渋さ知らズ等々と精力的な活動をしています。

このバンドの他の2人は、ElectronicとTurntableなんで、自分の守備範囲にはいない人です。
加藤一平(G)、Yuki Kaneko(Electronics)、村田直哉(Turntable)

演奏曲は以下の通り。すべて加藤一平のオリジナルです。
1、D sleep
2、えいしこ
3、ふぃー 〜 ゆき
4、ふつえぬ
5、しかぞく
6、らすく
7、ぎあも
8、てぃぱ

ギターがフレーズにもならない程度の短い、でも牧歌的だったり穏やかさを感じさせるような、そんな印象を持つ旋律を奏でていく。
そこに広く空いた空間に、さまざまな電子音、雑音めいた音、
ものが落ちる音、弦楽器、管楽器、ピアノ、人声等々
さまざまなノイジーなサウンドがばらまかれる。

電子音、ノイズ音は、シンセで作り出したもので、残りがTurntableから出ている音でしょう。
そして、さらにループ、ディレイなんかも駆使していると思われる。

牧歌的な旋律が、ノイジーな横やりで壊されていきそうで、微妙なバランスで壊れていかない、そんな危なっかしいある種の変態性が妙に気持ち良い。

そもそも、加藤がノイジーなサウンドの素養を持っているわけで、自身のフレーズも微妙な音程のズレから
カオスの世界に落とし込む気配を小出しにしつつ、ある一線で踏み止まっているような
そんなサウンド。

この文を書くために何度か聴いているが、聴くたびにこのサウンドがだんだんと変な快感になってきているのが…

これは曲単位で聴くもんじゃないと思うので、
ベストは決めません。


"ふつえぬ" 鳴らした場合(http://jazztokyo.org/reviews/cd-dvd-review/post-35356/)

菊地成孔, 小田朋美デュオ(20190522)

慶応大学で開催された、「菊地成孔、菊地成孔を語る」というイベントの後半で、菊地成孔さんが小田朋美さんとのデュオでの演奏を披露してくれました。

前半の”語る”のパートではかなりラフな格好で登場したが、演奏のパートでは黒いシャツに着替え、真黒ないでたちで登場。
前回の山下洋輔さんのとき(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64765074.html)も、トークとライブと衣装を変えていたのはミュージシャンとしての意気込みなんでしょう。
小田さん(は、トークパートは未登場)も真っ黒なワンピースでの登場でした。

冒頭、"花と水"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/57539139.html)というアルバムが、菊地リーダーのなかで2番目に売れたアルバム(ガンダム系で順位は変わったらしいが..)だという話から。
実は、"花と水"はアルバムタイトルではなく、和のテイストを強く持ちながら和楽器を使わずに演奏をするユニットの名前だという話をし、今回はピアニストを変えて"花と水"での演奏であるとの説明から、即興から2曲ジャズの有名曲を演奏するという情報だけを明かし曲目を言わずに演奏開始。

短フレーズで音数も少ないほとんどフレーズになっていないような即興から次の曲の萌芽を見せながら、おもむろにOver The Rainbowにすり替わる。
冒頭は、訥々というより一音一音にたっぷりと時間をかけ、一音鳴らして座り直しリードの調整をし息を吸い込んで次の音に進むようなそんな進行から、エモーショナルな盛り上がりを経て、旋律の途中でサックスが途切れ、ピアノがバシーンと鳴り響いて曲が終わる、劇的な演出。

短い拍手に続いてピアノのイントロから、今度はオーソドックスにテーマを吹くBlue In Green。
短い即興が入るが、基本的には丁寧にテーマを吹くことに徹した凝縮した短めの演奏。

過去ログを見ていただければわかると思うが、ほぼ100%と言っても過言でないほどに菊地関連のアルバムを買い集めて聴いているくせに、今回はじめて菊地のサックスを生で聴いたのだが、力強く艶があり、説得力なのか魅了力なのか完全に引き込まれるサウンドで、あらためてそのもの凄さを感じ入った。

小田のピアノは、今回は菊地のサポート役に徹したもので、旋律らしい旋律もほとんど弾かずソロパートもごくごく少なかったが、
それでも存在感というか印象の強さというかそんなのがたっぷりと感じられるサウンドで、やっぱりただ者ではないことを思い知らされた。

会場も、演奏が始まったとたんに信じられないくらいに雑音を出さない実に凛とした雰囲気に包まれるなか、30分程度の短いしかも無料で見せてくれた演奏ではあるが、ちょっとやそっとでは体験できないくらいにインパクトのある演奏を聴かせてもらった。

"Zek! II" ZEK Trio

Zek Trioは、ピアノトリオでLed Zeppelinの曲だけを演奏するというコンセプトのバンドで、地元(の違う店)でライブを演っているのも知っているが、前作"ZEK!" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63976804.html)を興味深く聴いていたにもかかわらず、結局いまだに生でこのバンドは見ていないまま。
その前作のリリースが2016年で、それから3年後に次作のリリースが告知されまして、これも迷わず買いを決めています。

メンツは、当然ですが前作と変わらずの3人。
清水くるみ(P)、米木康志(B)、本田珠也(Ds)

ここに収められている音源は、2018年に行われたライブからの収録で、その内訳は以下の通り。
PIT-INN NIGHT (2018年8月2日録音)
KAMOME NIGHT (2018年8月1日録音)
JIROKICHI NIGHT (2018年9月25日録音)

Pit Innのアルバムで1枚分、他の2か所の音源で1枚分とした2枚組です。
演奏曲は、前作とのダブりもほぼなく、アルバムリリースをするたびに、Led Zeppelinの楽曲のレパートリー(じゃなくて記録)が増えていっているような塩梅になっていると..。
アルバム内ダブりが1曲Trampled under Footありますが..。

[Disc1]
PIT-INN NIGHT
1. We're gonna Groove (08:33)
2. Over the Hills and Far Away (09:34)
3. You Shook Me (09:15)
4. Hots on for Nowhere (08:19)
5. Kashmir (14:38)
6. Trampled under Foot (10:18).
7. Stairway to Heaven (08:27)

[Disc2]
KAMOME NIGHT
1. Whole Lotta Love (14:47)
2. Trampled under Foot (11:58)
JIROKICHI NIGHT
3. Heartbreaker (08:36)
4. Baby come on Home (09:52)
5. In My Time of Dying (12:49)
6. Immigrant Song (03:42)
7. Rock and Roll (04:52)

ピアノは、流暢なフレーズを基本としながらも、タッチはミスタッチかと思わせる打鍵も含め(良い意味で)粗め。
そして、ここぞという場面では打鍵を強めてインパクトを与える。

元曲の旋律をただなぞるわけでもなく、オリジナルの演奏の雰囲気を再現しようとしているわけでもなく、強力無比なリズムを従えて、ピアノでの表現でどこまで熱く聴かせるかを追求しているような印象

ベースのゴリっとした音色でのドライブ感のあるサウンド。
曲の骨格を形成しながら、演奏に勢いをつけていくところは、巧さを感じる。

重量級のドラムの、これでもかというくらいの乱打の爽快感。
前作でも書いているが、なんだかんだこのトリオは、珠也のドラムを堪能するのが大いなる目的の一つであることは、間違いのないところ。

ベストは、disk2の7曲めにします。



"Zek! II" ZEK Trio (https://www.amazon.co.jp/dp/B07P1954VH/)
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