日本のジャズを聴け     (和ジャズBlog)

最近の日本のジャズは、もの凄く面白い!! もっともっともっと聴いて欲しいので、たくさん紹介します。

吉本章紘カルテット(20181103)

前回掲載の、須川、吉本のデュオを聴いたあと、そのまま学芸大の学祭へ赴きました。
 須川崇志, 吉本章紘 デュオ(20181103) (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64646978.html)

ダブルヘッダーってあまりしないんですが、今回は珍しく実行。しかも、吉本づくしでありました。
もっとも、こっちがあったからその前にあっちに行ったというのもありましたが。

吉本章紘カルテットは、リズムが須川、石若と今回とは異なりますが。CDでは聴いています。
 "Moving Color" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63339524.html)
他にも似たメンツのアルバムをいくつか聴いてます。
 石若の"CLEANUP"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63579370.html)
 Aaron Choulaiの"Vada Taudia"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64286115.html)
ライブは、こんなのも!
 "石若駿Quartet(20150916)" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63372052.html)

今回のメンツは以下の通り。前述の通り、アルバムでは聴いていたAaron Choulaiを聴いてみたいというのが大いなる動機の1つにはなっています。
吉本章紘(Ts)、Aaron Choulai(P)、伊地知大輔(B)、吉良創太(Ds)

開場はL字形になっていてその角にステージが作ってあり、ステージ向かって後方と左側に客席があり、さらに簡易的な椅子を置けるところに起きまくっている感じで、ドラムの後ろにも席はありました。
ステージはそこそこのスペースは取れているがそれでも、自分の座位置から吉本は1mも離れていなかったんじゃないか?

そんなステージ配置は、角の一番奥にドラム、その左にベース、ピアノと並び、ベースの前にサックスが立つ。
そのサックスの左前に座ったわけです。
PAをほとんど使っていないので、後からピアノからちょっと離れすぎだったかと悔やんだが、サックスが演奏しているとピアノはあまり聴こえませんでした…

16:30の定刻通りに演奏開始。
冒頭のMCで、スタンダードを中心にと言ってたが、最初はオリジナルから。

昼の演奏とはうって変わって、吉本が骨太なテナーサウンドを立て続けにぶちかましてくる。

バンドの方向性が違うので当然だが、吉良のドラムは、世田谷トリオほどではないが、それでも暴れ気味の音数多めのドラミングで、そんなドラムが入ることで演奏のノリがだいぶ変わってきているような印象もあるか。

今回、生では初めて聴くAaron Churai のピアノが、ことのほか面白く、懐の深さ、広さというか曲毎に多彩なアプローチを見せ、縦横無尽、多彩多様にいろいろな表情を見せる。こんな面白い人だったのね…

伊知地のベースも実は今回初だったのですがキレイな音でしっかりとしたフレーズを刻んでて、底力はあるなと思わせる。

最後に、ピアノとサックスのデュオでStardustで締めくくり。

きっちり1時間たっぷりと演奏を楽しませてもらいました。

須川崇志, 吉本章紘 デュオ(20181103)

昨年が1回めの開催で、区が資金を出して開催された「森のジャズ祭」ですが、今年は
協賛と寄付とを集めての開催らしいです。
前回は、たまたまこの2人のアルバムリリースのタイミングでライブスケジュールを確認していて見つけて見に行き、今年もあることを確認して、他の興味深いイベントと天秤にかけて、こちらを選んだ次第。

前回の参戦記
 須川崇志, 吉本章紘 デュオ(20171103) (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64318290.html)

その前回は、30分ごとに10組のライブが並んでいたので、1組あたり、舞台替え時間があるので、長くて20分程度の演奏でしたが、今回は1時間に1組というゆとりのある構成で1グループ40?45分程度の演奏時間がありました。
その代わり出演者は4組と激減していますが..。個人的には、目当てが1組なので無問題です。

昨年も書いているが、昨年赴き購入したアルバムでの演奏は、すべて即興だけで構成されたフリー基調のスピリチュアルな演奏で占められているが、このステージでは、聴衆が一般人が多い前提で、スタンダードを中心にした選曲になっていまして、個人的には彼らの音触的にも、こっちの演奏のほうが会っていると思うし、好感触でもあります。
アルバムの記事は
 "Oxymoron" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64339949.html)
以前の情報では、2枚めも作る予定はあるようなので、次作はこっちの路線で作ってもらいたいところ。

パンフレット上の予定では、12時からとなっていましたが、ほぼ定刻通りのスタート。
1曲めは、枯葉から。

前回須川はチェロを持ち込んでいたが、今回は無し。
吉本は、ソプラノとクラリネットを持ち込んでいたが、クラリネットの出番は無し。

須川が、少し強めのタッチのしっかりした音でアグレッシブ気味にベースを弾いているところに、ソプラノが実にきれいな音でそこはかとなく緊張感を孕んだ音を入れてくる。
テーマはしっかり曲が判る演奏をし、ソロは演奏の雰囲気を壊さないような、それでいて聴き応えをしっかり感じさせるようなもの。

子供が騒ぎ、前に来て踊ってるような。。。犬が吠え、後ろでも横でも普通に会話を楽しんでいる人がいて、演奏している背後を歩行者が歩く。
そんな穏やかな空気を切り裂くようなそれでいて溶け込むような、そんなサウンドが響き渡る。

1曲あたり10分弱、2?3曲毎に須川のMCが入る構成で、5曲くらいのステージでありました。

Mad-Kab at AshGate "Live at CLOP CLOP"

Mad-Kab at AshGateの2枚めのアルバム。
前作は2014年にリリースされたスタジオ録音作でした。
コンスタントに活動は行っていたようですが、2作めが出る気配もなかったので、アルバムは1枚で充分だったんだろうなと思っていたら、突然の2枚めリリースでしかもライブ盤というのはちと驚いた。
前作は下記。
 "FUNNY BLUE"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62934401.html)

前作はDisk Unionでも扱いがあった(すでに売切)が、今作は基本手売りのようで、下にリンクを貼ってあるミュージックロックというお店からは通販ができるようです。
自分は、9月27日にあった後藤篤カルテットのライブの時に、後藤さんから買いました。そのときの実況は
 "後藤篤カルテット(20180927)"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64615488.html)
本当は、西荻窪の"clop clop"に行ってライブを見て買えば良かったんでしょうけど..。

メンツは不動の4人。
石渡明廣(G)、後藤篤(Tb)、上村勝正(B)、湊雅史(Ds)

3曲が前作収録のもので、他は新曲でよさそうで、全部で9曲。
1 We Get to Entertain
2 魅惑のプールの底に眠る水泳者のように
3 Barbecue Roll
4 記憶の路
5 Fifth gate
6 Doggy's Rotation
7 3rd Runner
8 Flowers
9 Migration of ●

同じメンツの同名グループなので当然といえば当然ではあるが、上述のスタジオ録音のアルバムと同じテイストのサウンド。
4年の歳月がこのバンドの音楽の方向性を変化させるようなことはなかった。

ベースの上村の繰り出す強力なドライブ感を持ったビート、湊の叩き出すロック系のというよりフリー濃度の濃いファンク系のドラムが噴出させるリズムによる高揚感。
石渡のいつもの音色によるいつものサウンド、ライブだからかもうちょっとはっきりとしたフレーズを多用して、浮遊感よりも演奏を前に押し出すノリの良さを強調してくる。
後藤は、後藤の持ち味であるT bらしからぬハキハキとしたサウンドでバリバリとした演奏を聴かせ演奏に喝を入れてくる。
このサウンドは、ちょっとクセになります。

曲としては緩急をしっかりと入れているが、いずれも8ビート主体のロック魂溢れる演奏で、気持ちよく首を縦に振りながら楽しませてもらってます。

ベストは、6曲めに

Mad-Kab at AshGate "Live at CLOP CLOP"(https://store.shopping.yahoo.co.jp/musique69/ys-04500.html)

世田谷トリオ "Live Bootleg Vol.2"

世田谷トリオは、2015年頃に下北沢はApolloで活動を開始したピアノトリオで、3人が世田谷在住ということでの命名らしいが、最近の公式では、出会った場所が世田谷区(下北沢は世田谷区)故の命名としているようです。まぁ、居住地は個人情報なんでね..。

このバンドは、過去に1回ライブを見ているのと、1枚アルバムをリリースしています。

ライブ観戦が先で、2016年のPit Innの昼で、約2年前。
 "世田谷トリオ (20160908)"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63849052.html)

その約半年後の今年4月頃?にアルバムリリース。一般流通はしていないのでライブ会場等での入手に限定されますが、これもしっかり入手済
 "Introducing Setagaya Trio"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64491031.html)

現在も精力的に活動中で地方ツアーもこなしています。最近も北関東長のツアーなんてのをやってました。

本作は、先日の後藤篤カルテットのライブの際に販売していたのを入手したもので、タイトルを手書きしたCD-Rにコピー用紙そのまんまのジャケという体裁のもの。
ライブではありますが、何時の何処のライブかとかそんな情報は一切書かれていません。

最近、こういった一般流通させないで手売りするアルバムをリリースする例がとても多くなってる印象。

メンツはいつもの3人。
高橋佑成(P)、岩見継吾(B)、吉良創太(Ds)

本作はそのVol.2で演奏曲は以下の通り。アルバムではオリジナルが主体でしたが、実際のライブの通りスタンダード多めの構成になっています。
このトリオとしてはこっちが本領でしょう。


1 Thelonious
2 Well You Needn't
3 Lady Luck
4 Giant Steps
5 Pure Imagination
6 O Term Azul
7 Shinny Stocking
8 Amapola

ゴージャスな4ビートと言った趣のThelonious
レゲエっぽいリズムで奏でられるWell You Needn't
コロコロとしたピアノが軽快感を醸すLady Luck
シンセによるテーマとシュッシュシュッシュと蒸気機関車的疾走感のあるドラムで駆け抜けるGiant Steps。
しっとりとしたイントロから、ダイナミックな曲調の本編へとなだれ込むPure Imagination。
曲のイメージ通りのテンポとテンションで演奏される、

Vol.1では多くの曲が、フェードイン、フェードアウトで終わっていたが、こちらはフェードインはいくつかありそうだが、エンディングはきっちり最後まで入っている曲が大半でやっぱり収まりが良い。

3者のアグレッシブな演奏に、奏者だと思うが掛け声も多く発せられ、テンションがより上がっていくような場面も見られ、聴いている側も気持ち良く燃えてくる。

演奏もVol.1に比して程よく雰囲気を変えてくる程度で、あまり多彩なスタイルに振っていないのでよりまとまり感のあるものになっているか。


ベストは、こちらも5曲めにします。

世田谷トリオ "Live Bootleg Vol.1"

世田谷トリオは、2015年頃に下北沢はApolloで活動を開始したピアノトリオで、3人が世田谷在住ということでの命名らしいが、最近の公式では、出会った場所が世田谷区(下北沢は世田谷区)故の命名としているようです。まぁ、居住地は個人情報なんでね..。

このバンドは、過去に1回ライブを見ているのと、1枚アルバムをリリースしています。

ライブ観戦が先で、2016年のPit Innの昼で、約2年前。
 "世田谷トリオ (20160908)"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63849052.html)

その約半年後の今年4月頃?にアルバムリリース。一般流通はしていないのでライブ会場等での入手に限定されますが、これもしっかり入手済
 "Introducing Setagaya Trio"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64491031.html)

現在も精力的に活動中で地方ツアーもこなしています。最近も北関東長のツアーなんてのをやってました。

本作は、先日の後藤篤カルテットのライブの際に販売していたのを入手したもので、タイトルを手書きしたCD-Rにコピー用紙そのまんまのジャケという体裁のもの。
ライブではありますが、何時の何処のライブかとかそんな情報は一切書かれていません。

最近、こういった一般流通させないで手売りするアルバムをリリースする例がとても多くなってる印象。
先日聞いた話だと、100枚程度でも安価にプレスもできるようなので、CD-Rにコピーする手間を考えたらプレスしちゃっても良いんじゃないかというのは..。

メンツはいつもの3人。
高橋佑成(P)、岩見継吾(B)、吉良創太(Ds)

本作はそのVol.1で演奏曲は以下の通り。
アルバムではオリジナルが主体でしたが、実際のライブの通りスタンダード多めの構成になっています。
このトリオとしてはこっちが本領でしょう。

1 Tea for Two
2 Birdsong 80/81
3 Don't Stop The Carnival
4 Wild Horses
5 Well You Needn't
6 Mellow
7 Wig Wise
8 Unforgettable

ラグタイムかと思わせるゴージャスなサウンドで奏でられるTea for Twoはご機嫌な演奏でありながら、フェードアウト。

続くBirdsong 80/81がビート感希薄な演奏からテーマを小出しに盛り上がりドラムソロで終わる10分超えの大作。
サンバ調のリズムにMichel Camilo バリのラテンフレーズを繰り出してくるDon't Stop The Carnival。
その後も、バラード、4ビート、エレピでの演奏、とさまざまなスタイルの演奏が詰め込まれ、曲ごとに雰囲気の異なる演奏が次から次へと出てきて百花繚乱的でありながら、散漫な印象にならないのは、なんらかの共通項が機能しているってことなんでしょう。

惜しむらくは、多くの曲がフェードアウトで終わっているところで、CDリリースを前提にした演奏ではないので、1曲にたっぷりと時間をかけていたであろうことと、CDでは多くの曲を聴かせたかったという思惑とのせめぎ合いがあったことをうかがわせる。


ベストは、5曲めにします。

世田谷トリオ(20181011)

連日のライブ参戦は、諸々の用事の合間に空いた時間を有効活用にと赴いたが、実は後の予定がちょっと忙しくなったが、それ以上に濃い演奏を堪能できたので無問題です。

お客さんは20人弱くらいは入っていたか。ほぼ定刻に演奏開始。

1stセットは、高橋のオリジナルが1曲と、他はエバンス、デイビス、エリントンと有名だがが並ぶ。
2ndセットは、オリジナル、ガレスピー、ザッパ、メセニー(travels,80/81)といった選曲だったか。


前回そんな感じではなかった気がするが、今回の演奏は…。
ベースの岩見君とドラムの吉良君とが結託して暴れまわれるだけ暴れまわっているのが強烈な個性を放っていて。
高橋君は曲の提示に徹しているくらいに、実際にはフリーにすら踏み込むほどのしっかりとしたソロも披露しているが、淡々とテーマを弾いているような印象に感じさせるほど。
ドラムが曲のあいだ中、ピアノソロもベースソロも関係なく、休む間もなくさまざまなパターンでの演奏をするのに加え、他のメンバーの演奏に過敏にちょっかいを出し、ずっとソロを演り続けているような状態だからそんな印象にもなるってもん。

ベースもほとんど休まず、ウォーキングからボウイングからフリーからと大熱演。

ピアノだけがドラムソロとか弾かない時間があったか(失礼)。
というくらいの演奏で、ピアノトリオというには…な気もするが、これはこれで最高に面白い。

お互いがお互いの手口を知り尽くしているから、待ち伏せて脅かすようなリフを入れてきたり、逆にはぐらかされてタイミングを掴めずあたふたしたり。丁々発止でありながら、特に岩見、吉良が率先して誰かにいたずらを仕掛けてやろうってくらいの意気込みなんで、張り詰めたような緊張感は感じられず。
終始笑いながら演奏を聴いているような状態。

そんな熱い熱いライブなのに、汗をかいているのは岩見君だけで高橋、吉良の両氏は汗をかいている気配が見えないのもちと異様な光景。

1st 55分くらい、2ndも55分くらいにアンコール(チェロキー)にも答えてくれて、てんこ盛りってくらいに濃密なライブを堪能させてもらいました。

小山, 山田, 永田トリオ (20181010)

MCでは1年ちょっとと言ってましたが2016年10月08日が初演だったので、もう2年経過しています。
この3人のライブは、No Trunksではコンスタントに行われていて、おおよそ年に3回くらいは演ってるんじゃないかと思います。

初演時のレポート
 "小山, 山田, 永田トリオ (20161008)"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63883813.html)
個人的には、昨年のGW以来なので、1.5年ぶりの参戦ということになります。
そのときのレポートは、
 "小山, 山田, 永田トリオ (20170429)"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64116045.html)

上のレポートにも写真が貼ってありますが、山田あずささんの髪の毛の長さが!!


メンツは不変の以下の通り。ギターの小山は、No Trunksでのライブがここのところ多い印象。
小山大介(G)、山田あずさ(Vib)、永田真毅(Ds)

入口正面にあたるところに、ヴィブラフォンを設置、その後ろにドラム。ピアノの前にギターが立つ、立ち位置。


1stセットは定刻を10分も過ぎたところから、2ndセットが21時半頃からで双方とも40分前後。
1stセットは、主にGary Burtonの曲を中心にしたもの、2ndセットは、Chick Coreaから始まりオリジナルを中心にした曲構成。
アンコールに応えてくれて、これは小山のオリジナルの美曲で締めくくられる。

ジャズロックかロックジャズかと標榜するくらいなので、アグレッシブに展開する曲が大半を占め、ギターもヴィブラフォンも早いフレーズを多用したソロをこれでもかと繰り出してくる。

山田がマレット4本持ちが基本のところ、興が乗ってくると、マレット2本に持ち替えてのソロ。
これを今回多用している印象で、アグレッシブな曲をよりアグレッシブに演奏してくる。

そして、小山のギターが、これまでは曲に煽られている感じが多少なりとも感じられたが、今回は早いフレーズ、カッティングともにこれまで聴いてきた中では一番しっくりとした演奏で、良い味が出てきているなと感じられた。

1時間程度の2セットがライブの通常の演奏時間と認識しているが、このバンドのライブは過去3回を含めてライブの時間が若干短い印象ではある。が、演奏のハードさを見るとしょうがないのかなぁと...。

これで都合3回ライブを見ていることになるが、回を追うごとに安定感と一体感が出てきているのと、Gary Burtonの曲を中心に演奏する当初のコンセプトから、オリジナルや他の曲に幅を広げて、しっかりと進化してきていることが感じられて、久々のライブをたっぷりと楽しませてもらいました。

聴衆は、前回、前々回は10人前後はいたようだが、今回はその半分程度。今の日本で、ヴィブラフォン、ギターのトリオでジャズロック的な演奏を聴けるのは、このバンドだけではないかと思うので、この貴重な演奏体験をもっと多くの人に体験してもらいたいと切に思う。

"RELOADING CITY" ものんくる

ものんくるの4作めのアルバムは、菊地(成孔)の呪縛(?)から逃れての初のアルバム。
発売は同じソニーのようなので大移籍ってわけではなさそう。

これまでの作品は以下の通りで、メジャーデビュー前のアルバムを1枚持っています。
 "SARA"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62448433.html)

 "飛ぶものたち、這うものたち、歌うものたち"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62039921.html)
 "南へ"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62945770.html)
 "世界はここにしかないって上手に言って"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64210001.html)

メンツは、たしか前作から2人で"ものんくる"を名乗り、他のミュージシャンをゲストとして招いてアルバムを作っているが、本作は約半数は他の奏者のクレジットがあるが、残りの半分は角田がすべて演奏しているということなんでしょう。
そういう意味では、演奏という意味でのジャズ濃度は薄まっていることは想像できます。
さらにゲスト参加しているミュージシャンに知ってる名前が少ない。
前作は知ってる名前(=ジャズ系)が多かったが、今回は宮川純くらいか..。

角田隆太(B,G,Kb)、吉田沙良(Vo)
小川翔(G:1,2,3,4,7)、宮川純(P:1,2,3,4,7)、伊吹丈裕(Ds:1,2,3,4)
田島華乃(Vln

収録曲は3曲目がポルノグラフィティで、他はすべて ものんくる のオリジナル
01 RELOADING CITY
02 夕立
03 アポロ
04 魔法がとけたなら
05 HOT CV
06 RELOADING CITY(tofubeats remix)
07 何度でも繰り返し夢見る

一聴して最初に感じたのが、音域であまり無理をしない範疇での歌唱だなぁというのと、特徴的な高音域がないのが理由だからか、声音が少し変化しているようにも聞こえたこと。

それと、具体的な事例があるわけではないけど、どことなくジャズ由来のポップスだったものが、ポップス由来のポップス(あえて変な表現)に変わったような気がする。
3曲めに入るポルノグラフィティが違和感なく溶け込んでいるのは、そんなところが理由のような気がする。

菊地の影響度が、しっかりジャズ方面に向いていたことが逆説的に判ったということか。

歌詞から「ボク」がなくなり、哀しみの表現にリアリティが加わってきて、そして全体の雰囲気に落ち着きが出てきたか。すべて、そんな気がするって程度の変化。

演奏としては、前述の通りミュージシャンを揃えた曲が4曲と限られていて演奏を聴かせてる部分も少なく、こういうところもポップス濃度が上がっているが故か。
強いて言えば、1曲め後半の乱れ打ち的な宮川のソロが演奏面での聴きどころになっているか..。

ベストは、ジャズ聴きとしては、1曲めにしときます。

ものんくる"RELOADING CITY" (https://www.amazon.co.jp/dp/B07FDN2LR7/)

後藤篤カルテット(20180927)

後藤篤カルテットはCDはリリース直後に聴いていて、とっくのとうに紹介済みなんですが、
 "Free Size" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63974359.html)
その演奏を生で堪能する機会を得るのに時間がかかってしまい、ほぼ2年後の2018年の4月のことでありました。
そのときのレポートは、
 後藤篤カルテット(20180409)(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64466324.html)

で、次に見るのは、地元のお店でのライブを口説いて開催する時だと漠然と思っていたんです。(信憑性薄)
メンツ的にも編成的にも絶対に地元のお店で演奏できると確信していたんですが、そんな提案をするタイミングをなんだかんだで逸していたら。。。
ちょうど、MAD-KAB-at-AshGate(後藤氏参加のバンド)の新作がリリースされるタイミングで、
 前作は購入&紹介済み
 "FUNNY BLUE"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62934401.html)
昼のPit Innのライブがありまして、CD入手(前日に持参されるのを確認済)も兼ねてライブを堪能してこようと思ったのが前日のこと。
9月の後半なんて期末のギリギリの仕事的には慌ただしそうなのを傍目にしらっと半日お休みを強奪して参戦してきた次第。

開場待ちしている酔狂な御仁は皆無で開場5分前(13:55)着でポールポジション。
最終的には、お客さんは20人弱くらいは入っていたか。

開演は予定時間を5分も過ぎたところから。
ピアノは定位置。中央奥に岩見のベース。その前に後藤のトロンボーン、右のちょっと奥めに服部のドラムというステージ配置。

冒頭、ちょっとシリアスめな雰囲気からスタートしてスタイルを変えてきたか?と少なからずビビったが、徐々にいつもの熱い演奏へとなだれ込んで、密かに"これこれ!!"とほくそ笑んだのでありました。

演奏は、いつもの常套なのか今回のパターンなのかは??ではあるが、いろんな趣向のイントロの後、後藤によるテーマからソロと続き石田のソロへという展開が基本で、そんな流れの曲が大半であったが。

この石田のソロがクセモノで、興が乗ってくる(たいがいどの曲も盛り上げてくるが、テンションの高さは、曲が理由ではないが、曲毎に結構変化する)と演奏がどこに行っちゃうかわからなくなるようなスリリングに発展していくところが、なんといっても大いなる聞きどころになっている。

いずれの曲も、1曲の中にハードバップな演奏からフリーな演奏までいろんな要素が入り込んでくるような状況で、息をも持つかせぬような展開がなんとも楽しい。

今回、特に石田のフリーな展開でのエンジンの掛かり具合が良い感じで、エキサイトでウハウハな演奏をたっぷりと堪能できた。
特に2nd setで、ベースの音量をちょっと上げた(のは石田の助言)のは見事だったと思う。

こうなると、他の3人の演奏がいつも通りと聴こえてしまうところが歯がゆいが、この3人あっての今回際立った演奏であることは間違いのないところ。

1st setが、5分遅れの1時間弱で、2曲やってMCその後3曲演奏だったか。半分がこのカルテットで聴いたことある曲だった気がする。
2nd setは、5分早いスタートでの50分くらい。3曲やってMCその後2曲演奏という流れだったと記憶。
アンコールは拍手が鳴り止んじゃって(孤軍奮闘したかったが..)残念ながらなし。(聴きたかった。)


夜の部が、板橋文夫オーケストラで、後藤氏ダブルヘッダー。
より熱そうな演奏が聴けそうで、きっと続けて聴く人も多いんだろうなと思いつつ、残念ながら今回は聴けずに、辞してきました。

"To the end of this world" ai kuwabara

桑原あいの新作です。
過去の作品は、トリオでの演奏のものが大半で、下記5作が出ています。
 "From Here To There"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/61449684.html)
 "Sixth Sense"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/61934350.html)
 "The Window"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62659308.html)
 "Love Thema"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63152665.html)
 "Somehow,Someday,Somewhere"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64062389.html)

1作だけ、デュオがありまして、石若駿との演奏でありました。
 "Dear Family" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64348943.html) 

本作は、大人数での初のアルバムで、そういう意味ではエポックメイキングな作品と言えそう。

メンツは以下の通りで、2つのトリオに他の楽器が入るものと異なる編成とが混然としている。
桑原あい(P, Key)、鳥越啓介(B)、千住宗臣(Ds)、織原良次(B)、山田玲(Ds)
吉田沙良(Vo)、
梶谷裕子(Vln)、石亀協子(Vln)、菊地幹代(Viola)、徳澤青弦(Cello)
武嶋聡(As,Ts,Fl)、Ben Wendel(Ts)


桑原のオリジナルが7曲、その他3曲で全部で10曲。
1. Opening-1
2. MAMA
3. Mother Sea
4. The Error
5. When You Feel Sad
6. Improvisation XV -Hommage a Edith Piaf-
7. Maria
8. 919
9. Love Me or Leave Me
10. To The End Of This World

美意識の高いピアノソロから、トリオに移ったところで、おもむろにフルートがテーマを演奏する、美旋律系でありながらちょっとダイナミックな1曲め。
ベースが鳴った直後にラップな声がする、冒頭からどっぷりのラップ(日本語)の2曲め。
個人的に、どうしてもジャズを聴く耳でラップを聴くことに拒否感(嫌悪感かもw)を抱いてしまうので基本的な好印象ではないが。
桑原のピアノのテイストとラップとの間にそう隔絶感はないと思うが、それでもラップのバックで演奏するよりは、間奏での即興という位置付けでラップとピアノが分離した演奏が主体。
後半では音が厚くなって対等な立場での競演みたいにはなるが一体感のある演奏とは言い難いか。
サックスの入った1ホーンカルテットの4曲め。
早めの4ビートで最近のハードバップ然とした演奏は全体としては格好良い演奏にはなっている。
が、桑原に注視して聴いていると、バッキングはコード弾きを主体にしたもので、中程の即興から以降こそ熱く盛り上がってくるが、良くも悪くも勢いはあるが粗めの演奏って印象で、全体としては主役がサックスになっているように聴こえる。
エレピで伴奏をつけるポップな吉田のボーカル(英語)の入る5曲め、ほとんど弦楽四重奏な6曲め、アルコ弾きのベースとピアノのデュオの7曲め、ピアノトリオの8曲め,10曲め
アコピで伴奏するブルージーでがっつりとしたジャズボーカル感満載の9曲め。
どっぷりとジャズボーカルを聴かせる吉田の音源はこれが初かも。

と、散文的に文章を書きながら何度か聴いていて、このアルバムは、桑原にとってトリオの3人だけでの演奏ではないが故にピアノが常に主役でなくとも良いという意識があったような気がして、大半において前面には出ずにバンマス的な立ち位置で臨んでいるんじゃないかと感じられる。

曲単位では良い演奏のものもあるが、ピアノが前面に出ない分、自身の役回りの自由度からか気楽いろんなスタイルの曲を齧ってみたように、ラップから、ボーカル、クラシックと散漫な内容になってて、個人的には落ち着かない。
実力がうんぬんというよりは、個人的嗜好と合わなくなってきているんでしょう。

ベストは、がっつりとした吉田のジャズボーカルが聴ける9曲めにつきるでしょう。

"To the end of this world" ai kuwabara(https://www.amazon.co.jp/dp/B07DKS65GS/)
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