日本のジャズを聴け     (和ジャズBlog)

最近の日本のジャズは、もの凄く面白い!! もっともっともっと聴いて欲しいので、たくさん紹介します。

"Unity All: Live At Pit Inn 完全版" 大西順子

大西順子のセクステット編成のアルバムがリリースされたのは、2018年末でありました。
 "XII (twelve)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64728211.html )
このアルバム発売時のライブ音源がリリースされたのが2020年初頭。
 "Live XI" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/474638294.html )
このリリースからそう時を経ないところで、その時の音源の基になった新宿Pit Innでの音源すべてを3枚のCDに収めたコンプリート作がリリースされました。
これはコロナの影響から収益確保が理由ではないかとも思うが、donationの意味も含めつつ、速攻で買い込んできたもの。

この時の3日の公演は同じ曲をいっさい演らなかったとのことなので、結果的にベスト集となった直前作の曲がどこから持ってこられたのかを書き留めておきます。
1.Water Reflection          D2-5
2.Rain in March           D2-2
3.Unity 1              D1-1
4.2 Laps Behind           D2-6
5.Route 43              D3-2
6.Peace in Chaos           D3-6
7.Gate Crasher            D1-3
8.Apple of My Eye          D3-4
9.To The End of The World with You  D3-5
10.Lost and Confident        D1-8
11.Magic Tough            D1-5
Disk1から4曲、Disk2から3曲、Disk3から4曲なので、日に関係なく満遍なく持ち寄っている事が分かります。

メンツは、(当然ですが)前作と同様
大西順子(P)、吉本章紘(Ts,Fl)、広瀬未来(Tp,Flh)、片岡雄三(Tb)、井上陽介(B)、高橋信之介(Ds)
吉田サトシ(G)、デイビッド・ネグレテ(As)、ウォーネル・ジョーンズ(Vo)

演奏曲は以下のとおりのぜんぶで28曲です。
Disk1
01. Unity 1
02. Remembering Spring
03. Gate Crasher
04. Baby I'm Yours
05. Magic Touch
06. Falling Rocks
07. Head Towards the Light
08. Lost and Confident
09. One Lap Behind
Disk2
01. Unity 2
02. Rain in March
03. Kind
04. July
05. Water Reflection
06. Two Laps Behind
07. Dr. Pu!Poon
08. Dark Chime
09. Tropical Sky
Disk3
01. Unity Blues (Unity 3)
02. Route 43
03. Wakanda
04. Apple of My Eye
05. To the End of the World with You
06. Peace in Chaos
07. Cura de gatos
08. Teenager
09. Alert 5!
10. Speak Your Name

冒頭がM-Baseぽさを感じさせる曲で、ライブで演奏する最初の曲としてのインパクトは、こんな曲がベターなんだろうなと感じさせる。
10分超えの長い演奏だが、後半で出てくる大西のピアノソロがかなりの圧巻さでのけぞる。
以降、バラード、4ビート、ファンク、Coltrane系のハードジャズと、手を替え品を替え的にいろんなスタイルのジャズを聴かせるが、中編成のバンドを縦横無尽に駆使して、さまざまなサウンドを繰り出してきて飽きさせない。
基本は正統なジャズのフォーマットを踏襲しているが、異端児的に入っているギターがガッツリと前面に出てくると一気に雰囲気が激変して、ファンクだったり、ロックだったり、ポップスだったり、ジャズじゃない色合いがググッと濃く出てきてちょっと驚くくらい。
ただ、これが入ることで広い意味でも聴き馴染んだジャズっぽさではなくなるので、そんなジャズに慣れた耳に一撃を喰らわせるような、そんなインパクトを受けることになる。
この別次元的なサウンドの良さというか面白さも充分に感じられると思うので、良いカンフル剤になっていると解釈するのが正しいと思う。
日による差があるのかまで子細には聴き比べていないが、
それぞれの日がそれぞれに充分満足度の高い演奏だったんじゃないかというのは、しっかりと感じられる。
たぶん、実際のライブの場では大西の楽しいMCがあったと思うが、さすがにそれは全部カットされているのが、ちと寂しいところ。

ベストは、Disk2の7曲めですかねぇ..

"Unity All: Live At Pit Inn 完全版" 大西順子 (https://www.amazon.co.jp/dp/B087Z34DHF/ )

永武幹子ソロ 独壇場 (20200810)

永武さんの演奏を聴くのは、本年2月以来。この時も独壇場でした。
 永武幹子, 江藤良人 デュオ独壇場+ (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/473425622.html )
ソロとしては、2019年11月の回を、こちらも独壇場で見ています。
 ”20191118” (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/471625745.html )
ピアノの位置を前回同様左側に引っ張り出してあって上蓋も少し開けてある。
ほぼ定刻に演奏開始。冒頭、立て続けにスタンダード?を3曲演奏。MCを挟んで、1曲インプロを披露。

タッチこそいつものように強めに響く右手の打鍵が勝っているような印象だが、全体にはエモーショナルな気配をたっぷりと感じさせるような演奏。
エバンスが男っぽいタッチで叙情的なサウンドを聴かせていたのと対照的?に、女性的に繊細なフレーズを、アイデンティティである強めのタッチでしっかりと聴かせるような、そんな演奏というふうに聴いたが…。
即興は、中低音を中心とした迫力を感じさせるような、徐々にノリが良くなっていくような展開。
普段だと、不協和音とかフリースタイル(拳、肘等)な演奏を入れて激しい側面をも見せてくるが、今回はそんな場面はほぼ見せず、しっかりと美旋律を聴かせるような演奏を聴かせる。

今回、座った位置のせいもあると思うが、左手の小指の強さを妙に意識して聴いているところがあって、細い指を反らしての強めの打鍵で繰り出される低音の凄みが妙に印象に残った。

即興に続いて2曲演奏、そのあとにJaki Byardジャキのソロ曲のコピー?を。
苦手と言いつつ、ストライド調のピアノを交えた演奏を披露。
店に入ってきてすぐピアノの前に座って、ピアノの調子を見つつ指鳴らしをしてたのだが、そのサウンドに
ストライドピアノを想起したのはこの伏線だったのかと合点がいった。
アンコールで、客として来ていたフルート奏者の天辰直彦を呼んで、On Green Dolphin street を披露し終了。

本編ほぼ1時間に、アンコールとたっぷりと演奏を聴かせてもらいました。

林栄一, 早川岳晴デュオ(20200801)

林さんの演奏を聴くのは、今年の2月以来。その時の記録は..
 "林栄一ソロ(20200226)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/473772172.html )
早川さんは、昨年7月の加藤、江藤とのトリオ以来でした。
 "江藤良人、加藤一平、早川岳晴(20190629)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64824231.html )
ほぼ開場時間に到着。一番のりでした。いつもの定位置に座って開演を待ちます。
と、林さんが後からやってきました。
ということは、リハーサルも前打ち合わせもなく演奏するということになりますか..
定刻を少し過ぎたところで開演。

あらためてメンツは以下のとおり。
林栄一(As)、早川岳晴(B)

Charlie Haden(O.C.), Ornette Coleman(Lonely Wo,man), Roland Kirk(Lady's Blues) 等4曲演奏して1st set終了
今回、早川さんはウッドベースを持ち込んでいて、早川さんのアコベを聴くのはいつぶりだ?と、とても久々な気がしている。
立ち位置は、中央に早川さん左側に林さん、早川さんのソロになると林さんは椅子に座るようなことが多かったか
(宿酔いで迎え酒をしながらの演奏だった)
イントロは、打ち合わせでいずれかが担い、そこからテーマを演奏し、ソロになだれ込むという展開はだいたいの曲でのパターン。
曲も、(冒頭記載の通り)その場で打ち合わせして決めているよう。
ただ、譜面はほぼなく、早川さんが最初の曲でちょっと見て、アンコールで林さんが見ていたくらいか。
早川さんの硬質な音色でのゴリゴリのベースが心地良くソロのたびに聴き惚れる。
林さんのいつも通りの快調な演奏も健在。
前述の体調を考えたら、どっからそんな演奏をする力が出てくるのか?って気もするが、そこはさすがの長年の技なんでしょう。
テーマもがっつり聴かせ、ソロもがっつりと、音色の変化もいつも通りに格好良くキメてくる。

2nd setは、オリジナル(回想), スタンダード(You Don't Know What Love Is)、Thelonius Monk(Well You Needn't), オリジナル(Naadam)という布陣。
冒頭の、林オリジナルのバラードが何とも沁みる演奏で良かった。
最後の曲が、名曲ナーダムで、これは最近のお決まりになっているということでしょう。
今年2月のソロでも最後の曲だった気がする。あの日もLonely Womanは演ってたので、これも定番曲だと思う。

アンコールは、林さんが後ろに行って自分の楽譜帳を引っ張り出してきてのLeonard Cohen(hallelujah)。
これが
店主、村上さんも感動していたようです。

1st,2nd両セットとも45分くらいだったか。それにアンコールにも応えてくれました。
お客さんは10人を切る人数(徐々に増えてった)でしたが、その分1人が享受する音のパワーは多かったということで、良い思いをさせてもらいました。

"20th Anniversary Live" Tokyo Zawinul Bach Reunion

Tokyo Zawinul Bachが結成から20年経ったということで、その記念ライブの記録がアルバムとしてリリースされたもの。
個人的には、eweからのメジャーデューからの付き合いで、それ以前にリリースされた作品もしっかり聴いてます。持ってます。
 東京ザヴィヌルバッハ(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a37357551.html )

これまでリリースされたアルバムを記しておきます。すでに入手できないものも多いんじゃないかと思います。
自主制作
 "live in tokyo"
 "Hamlet on the Highway"
デビュー
 "cool cluster" (http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=451995 )
 "Vogue Africa" (https://www.amazon.co.jp/dp/B000095KZQ/ )
 "a8v(on the Earth)" (https://www.amazon.co.jp/dp/B0002JDUWE/ )
 "Vogue Africa "Naked"" (https://www.amazon.co.jp/dp/B0007P11E2/ )
 "Sweet Metallic" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a52829346.html )
 "AFRODITA" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61623128.html )
スペシャル名義
 "Change Gravity" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62621736.html )
 "Switchover Gravity" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62961307.html )

メンツの変遷は、
1,2作 :坪口昌恭, 菊地成孔, 五十嵐一生
3-7作 :坪口昌恭, 菊地成孔
8作  :坪口昌恭
9-10作:坪口昌恭, 織原良次, 石若駿, 類家心平, 宮嶋洋輔
アルバムリリース以降、石若は多忙過ぎてライブでは参加していないことが多い。

今作のメンバーは、オリジナルメンバーの3人に、人力スペシャルの織原, 守が加わったもの。
波平氏も最近のライブのメンバーらしい。石若は飛び入りだったよう。
坪口昌恭(P,Syn)、菊地成孔(Ss,Ts,CD-J, Rap(N/K)、五十嵐一生(Tp:1,2,4-6)
織原良次(B:1,2,4-6)、守 真人(Ds:1,2,4)、石若 駿(Ds:5)
河波浩平(Vo:k6)

演奏曲は、2曲目が初期2作で演ったもの、4,5曲めが"live in tokyo"、3曲めが"Cool Cluster"からと古い曲を多く採用したもの。
1.TZ-1 Choral
2.12 Special Poison
3.Poly Gravity
4.Bitter Smiles
5.New Neuron
6.Drive Inn High

冒頭、ピアノ/キーボードとサックスの掛け合いから、ベースが少々出張ってくる展開の、スローテンポな曲。
さらに五十嵐が入ってきて、初期TZBの布陣の揃い踏みとなる。
Mの独特なサウンドが散りばめられた美旋律系のスローな演奏は、初期のTZBのスローな曲としての、ぽさ がしっかり感じられる演奏。
たしかに初期はこんな感じだったなぁと遠い目に..。
3曲めが、ほとんどMを駆使しまくった演奏といった様相で、クレジットのとおり、ベース、ドラムを廃した正調TZBのサウンドを聴かせる。
ほぼすべてのパートがMとピアノのせめぎ合いで、時折挟まれるMの喋りと、要所ではサックスが登場してくるような展開。
最後のひとフレーズで聴き慣れたテーマが登場し、おぉっとなる。
4曲めは、アフリカンな打楽器によるリズムに、シンセでないとできないような、唐突に現れ、ブチっと切れる弦楽器に、坪口のピアノによる即興がエモーショナルに格好良い。
後半はドラムのハードなリズムに変わって、五十嵐のトランペットが奏でるテーマの繰り返しでエンディングにいたる..。
坪口のピアノと五十嵐のトランペットで静かに始まる5曲めは、2分も過ぎたところでドラムが入ると一気に雰囲気が変わる。石若のパワフルに複雑なドラムに圧倒させられる。
最後の曲は菊地のラップで、9.11をテーマにしたワードが語られ、メンバー紹介然としたソロまわしでエンディング。

ベストは5曲めってことになるでしょう。

"20th Anniversary Live" Tokyo Zawinul Bach Reunion (https://www.amazon.co.jp/dp/B089HFC99W/ )

Undercurrent 4(20200725)

6月末の後藤4(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/475959101.html )以来のライブ参戦です。
コロナ渦のなか、なかなか頻繁にライブに行く感じでもないのですが、たまには刺激を享受するべきでしょう。

渡辺隆雄の演奏を聴くのは実は初めてで、これまでの来歴も知らなかったんですが、この文章を書きつつ調べていたら、中央線ジャズ、忌野清志郎界隈の人だったんで、音楽的ニアミスはしてたようです。

メンツは、重鎮、若手入り混じった感じでなかなか思いつかない布陣ですが、コンスタントに活動しているバンドです。
渡辺隆雄(Tp)、加藤一平(G)、瀬尾高志(B)、芳垣安洋(Ds)

ほぼ開演時間に到着して3番めくらいだったか。
ステージは、扉の前に渡辺、中央奥が芳垣、左奥に横向きで加藤、その手前に瀬尾が立つ。
1st setは定刻を10分も過ぎたところで開演。
オリジナルとJoe Zawinl、Roland Kirkを演奏して、約1時間をちょっと切るくらい。
2nd setは21時20分過ぎに開始で、すべてオリジナルで1時間強といったところ。
8ビートを中心に、バラードと4ビートを少しづつ入れた曲構成で、数曲演奏して渡辺のMCが入る。
話題は、コロナと明けない梅雨(この日の昼は断続的に強い雨が降っていた)の話が中心になるのは、しょうがないでしょう。
お客さんは10人前後。今日のライブは渡辺さんがネット配信をしてました。(facebookでundercurrent 4を検索すると、しばらくはアーカイブが聴けると思う。)

ミュートを使わず、終始オープンで朗々とした演奏を繰り広げる渡辺のトランペットが清々しい。
似合わないほどオーソドックスなバッキングからの、強くエフェクトをかけたフリーキーなサウンドとか、動と静、秩序と混沌、秩序と無秩序・・とが渾然一体に目まぐるしく駆け巡るような展開。というのは、最近では違和感はなくなったが加藤のギターのいつ聴いても刺激的で鮮烈な印象を受ける。
今回、自分の1mあるかないかってところでベースをかき鳴らしていた、瀬尾のゴツゴツとしたサウンドがまた圧巻で、ソロでのパワフルな演奏にも圧倒され続け。
そして、芳垣の重厚感溢れる重量級のドラム。
大口径のマシンガンで撃たれるような、ダンプに轢き潰されるような、怒涛の如く押し寄せるようなサウンドといった様相で。と言って意味が通るかわからないが、その迫力たるや筆舌に尽くし難い。
最近、聴く機会を全然持てなかったのだが、久々に聴いてもそのサウンドには圧倒された。
ということで、フロントのサウンドも充分素晴らしかったのではあるが、座った場所もあるだろうが、完全にドラムを筆頭にしたベースとバッキング時のギターにヤられたような
アンコールにも応えてくれて、忌野清志郎の”夜の散歩をしないかね”をしっとりと演奏して終了。

楽器の片付けを眺めながらゆっくりと余韻に浸り、”雨上がりの夜空に”を口ずさみながら帰路につきましたw

"Moonset And Carnival" 荒武裕一朗

荒武裕一朗の演奏は、ライブでもいくつか聴いているが、最近はとんとご無沙汰してしまっています。
アルバムは、コンスタントに聴いていて、安東昇、力武誠でのトリオ作
 "I Dig IT!"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62011814.html )
若手ベーシストの三嶋大輝と組んでの演奏活動から、当時のレギュラートリオでの演奏
 "TIME FOR A CHANGE"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63656092.html )
他に中古で見つけた安東とのデュオ
 "Reunion At Bunca" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62295756.html )
なんてのも聴いている。
近作は、レギュラーバンドから本田珠也が抜けたタイミングでリリースされたアルバムを聴いています。
 "Constant as the northern star"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64781512.html )
本作はメンツを見ると、"Time For A Change"のためのセッションの際に録音されたものであると推察され、そこではゲストとしてクレジットされている橋本信二, 小泉P克人が入った演奏を集めて、自主レーベル発足の記念ミニアルバムのような位置づけでリリースされたものだと思う。

メンツは以下のとおり。
荒武裕一朗(P, Rhodes)、橋本信二(G)、小泉P克人(B)、本田珠也(Ds)

演奏曲は、荒武のオリジナル2曲に、本田竹広、スタンダードという構成のミニアルバムです。
1.Wind Surfing
2.You Don’t Know What Love is
3.夕焼け
4.Movie Star

ギターをフィーチャしたFusion臭をプンプンと匂わせたNative Sonの曲が1曲め。
エレピによる軽快なテーマからキレの良いギターへと引き継がれる元曲からバタ臭さを減じたような印象で、洗練された演奏を聴かせる。
続く2曲めがピアノソロで聴かせるスタンダード。
しっとりめのテンポで、ダイナミックに音を拡げてゴージャス感を出したような演奏で、荒武らしいというか、本田の影響を感じさせる。
3曲めが"I Dig IT"で演奏していた荒武の代表曲とされるもの。
ラテン調のリズムで、ギターを効果的に起用してノリの良いソロを堪能した後、ピアノソロを挟んで、後半の本田珠也のごっつりとしたソロがたっぷり聴けるところがミソでしょう。
そして4曲めもピアノソロで、校歌で使えそうな曲をちょっとジャズなアレンジを施して聴かせる。
本田竹広も校歌を作っているが、それをリスペクトしているようなところもあるのだろうか..。

言ってしまえば"Time For A Change"には納められなかったテイクを集めていることになるので、アルバムとしての統一感みたいなものは若干希薄ではあるが、荒武の多彩な演奏を楽しむということと、2曲ではあるが本田珠也のドラムを楽しむには良いアルバム担っていると思う。

ベストは3曲めで良いと思います。

"Moonset And Carnival" 荒武裕一朗 (https://www.amazon.co.jp/dp/B089M1CK92/ )

"Vibrant" 西山瞳

西山瞳の2枚めのソロアルバムです。
1枚めは、"Crossing"(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62379855.html )で、2014年にリリースされていました。
ソロも1回聴かせてもらっていまして、そのときの記録は
 "西山瞳ソロ(20140201)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62393247.html )
このときのホールは、このほぼ半年後(http://vqh.jp/)に、急な閉館に追い込まれていたことを今知って驚いている。(現在は違う経営でやってるよう..。http://soundfix.jp/hall/index.html )

最近では、ヘヴィメタをピアノトリオで演奏するユニットが一世を風靡していた。
 "New Heritage Of Real Heavy Metal" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63504218.html )
 "New Heritage Of Real Heavy Metal II" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64014299.html )
 "New Heritage Of Real Heavy MetalIII" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64663738.html )
 "New Heritage Of Real Heavy Metal Extra Edition" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64818756.html )
が、これもひと段落しているはずで、次の活動がどのようになるのか気になるところでの、ソロ作のリリースということになる。
そういえば最近作の "The Tree of Life"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07PVQT7X9/ )を買っていなかった..。

メンツは当然ながら..。
西山瞳(P)

演奏曲は、すべて西山のオリジナルで、2,9以外が初録音とのこと
01. Empathy
02. Vibrant
03. Recollection
04. Until The Quiet Comes
05. To The North
06. Hand In Hand
07. Behind The Door
08. Snow Train
09. I'm Missing You

程よくスローなテンポで、すべての打鍵をしっかりコントロールしたような演奏。
低音をしっかり効かせながら、高音でのひたすら美しい旋律を、さらりと乗せてくるような感じ。
クラシックの小品集を奏でるように、演奏が少しの余韻を持って終わると、少しの間を開けて、おもむろに次の曲が始まるような感じで、淡々と流れるように次へ次へと進んでいく。
これでもかというくらいにたっぷりと美旋律を堪能させてくれるわけだが、そんな印象は前作とおおよそ似たような感じではある。
それ故に、西山の美意識というか女性らしさというか、そんなものをしっかりと感じさせてくれるような演奏に仕上がっていると言えそう。
こういう作品は、文章で読むもんではなく、ただただひたすらに音世界を堪能するべきものだと思うので、文章短め..。

ベストは、3曲めにしましょう。

"Vibrant" 西山瞳 (https://www.amazon.co.jp/dp/B086P9BB4M/ )

後藤篤カルテット(20200627)

コロナの緊急事態宣言下からの自粛緩和にともない、徐々にライブも復活してきています。
自分の復活初ライブは、後藤篤カルテットに赴きました。
3月の”浅利史花, 石田衛デュオ”(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/474091829.html )以来なので、実に3か月ぶりということになります。
後藤カルテットも、No Trunksでのライブを数回は見送っているので、2019年11月6日以来ということになります。
そのときのレポートは、こちら(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/471381007.html )

開場時間過ぎくらいに到着。一番乗りでした。(最終的には6人だったか..)
楽器配置は、向かって左側に完全に横向きにドラム、その奥にベース、ピアノは定位置から少しだけ斜めに出して、板は全部はずし天板だけ反響するよう半開きにしている。トロンボーンはドラムの正面、ドアとの間に立つ配置。
毎回、似た配置でありながら微妙に異なるところがおもしろい。
定刻を少し過ぎたところから演奏を開始した1stセット、21:30を待たずに2ndセットはスタートし、それぞれ1時間弱で
曲は、オリジナル7割、その他が3割程度といった比率か、特筆は、各セットの最後が
herbie nicholsの曲だったことと、エピソードを
Carla Bleyの Lord Is Listenin' to Ya, Hallelujah! を演ったところか。
お決まりの三陸ファイトソングのパワフルな演奏も特筆ではあった。(この曲のパワー感は好きです)
いずれの曲でも4人が嬉々として演奏しているのが良く感じられる。
アンサンブルとかアレンジとか、型をきっちり決めることを意識しているというよりも
勢いよく、ガッツリとした演奏を楽しんでいるような、そんな様が見れるのが心地良い。
途中、服部がスティックを落としたり、タムが落ちたり、岩見のベースの駒がずれたり、
多少のミスとか、合わせるところがしっかりあわなかったりとかハプニングがあったが
それすらも、演奏を楽しんでいることをしっかりと感じさせるようなそんな感じだった。

おそらくだが、4人とも、ライブ演奏ができるよう復活してから、まだそんなに回数をこなしているわけではないと思われ、お客さんを前にして演奏することに体が順応していないことは想像できるので、たぶん体力的にもツラかったんじゃないかと思うが、たっぷりガッツリの演奏を堪能させてもらいました。

聴く側も、ライブの圧倒的なパワーを浴び続けて、体力的に少々つらいところがあったのか、疲れを感じたので早々に辞してきました。

SMTK "Super Magic Tokyo Karma"

石若駿がリーダーを務めるSMTKの2作めで、これが初のフルアルバムになります。
前作は、Tower限定でリリースされたミニアルバム(EP?)で紹介は下記
 "SMTK" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/474772985.html )
これが2020年4ガツ15日のリリースで、本作が5月20日ということで、おそらくアルバムのために録音した曲が1枚では収まらないだけの量でありはがらクオリティが高かったんで、こっちも出しちゃいましょう的なノリだったんじゃないかと推測する。
そして、そのEPを安価にリリースすることで予告編的な意味合いも込めたんじゃないかと推測するが..。

メンツは、当然だがまだまだ不変の下記4人
石若駿(Ds)、細井徳太郎(G)、Marty Holoubek(B)、松丸契(Sax)

演奏曲はすべてメンバーのオリジナルで、松丸が2曲, 細井が3曲, Marty Holoubekが3曲, 石若が1曲という内訳。
このバンドでは石若の曲の使用頻度は低そう
本編7曲に、ボーナスディスクにライブが2曲分入っていました。
1.SUPER MAGIC TOKYO KARMA
2.3+1=6+4
3.Otoshi Ana feat.荘子it (from Dos Monos)
4.Let Others Be the Judge of You
5.Where is the Claaaapstaaack??
6.ドタキャン
7.My Country is Burning
8.すって、はいて。
9.長方形エレベーターとパラシュート

B1.Otoshi Ana (Live Ver.)
B2.ホコリヲハイタラ (Live Ver.)

作風は基本的に前作と大きく変わるものではないが、本作を聴いていてふと思ったのは、ロックなリズムにフリー濃度の高い即興を重ねていくような展開が中央線ジャズの発展系みたいな感触を感じたこと。
ラップとか電気処理したボーカルとかが入る曲が含まれており、印象としてはジャズというよりも、もっと新しい音楽に位置つけたいようなそんなサウンド。
もしかして、中央線ジャズの発展形がこんなサウンドになるのかもとかそんな印象も持ったが、本人達にとってはもっと広く日本のジャズの発展系くらいの意識を持っているのかもしれない。
速いフレーズをものともせずに暴れまわる石若のドラム、ロックテイストをたっぷりと感じさせながらしっかりジャジーな細井のギター、ドライブ感のある攻めたサウンドのベース、フリーキーにアヴァンギャルドなサウンドで咆哮するサックス。電子音を操るのも松丸であろう。
メンバー全員20 代だったと思うが、各人の現代感溢れるセンスをしっかりたっぷりと感じさせるような先鋭的で過激なサウンドに仕上がっている。
前作より若干だがギターの主張が減じているか?
3曲めがラップをフィーチャーした曲で、個人的にはアレだが、これも若い世代の一般的なセンスであることは理解している。
ボーナスディスクは、ライブ音源が2曲、上記ラップ入りの曲のラップなしバージョン(個人的にナイスと言いたい)と前作からの曲。
2曲めが客いじり、曲後のMC入りのライブ感たっぷりで好感触。

ベストは本編の2曲めにしましょう。

SMTK "Super Magic Tokyo Karma" (https://www.amazon.co.jp/dp/B085RNL3L6/ )

"Spring Night" Kiyoshi Kitagawa

北川潔の新作は、前作と同じく、石若、片倉のトリオでの演奏。
 "Turning Point" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64350959.html )
石若、片倉ペアは、何度も書いているが、Tower限定のトリオ作で度肝を抜かれた、その当事者。
 "Live at The Body & Soul" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61999075.html)
居住が、米国と日本ってことでなかなか共演する機会はないとは思うが、このトリオは北川もかなりの満足度をもって挑んでいるのではないかと推測できる。
今春に日本でのリリースツアーが予定されていたが、コロナ騒動ですべてキャンセルになってます。
おそらくライブ会場では販売されたであろうこのアルバムの入手についても、現状一部お店でしか扱いなく(大手では扱いなし。)実店舗も閉まっている中、かなり難儀な状態になっている。自分はDiskUnionの通販を利用しました。

あらてめてメンツ。
北川潔(B)、片倉真由子(P)、石若駿(Ds)

演奏曲は、以下の通り。すべて北川のオリジナルで全部で10曲。
1.Thought #5
2.Wishy-Washy
3.Believe It or Not
4.Thought #6
5.Forgiveness
6.Cross the Line
7.Thought #7
8.Spring Night
9.Side Sleeper
10.You Know What

#のついた曲と最後の曲がベースソロで、他のすべてがトリオでの演奏。
アグレッシブでドライブ感のある4ビートの2曲め、疾走感のある8ビートの3曲め
、エレガントなワルツテンポの5曲め、ダイナミックな4ビートの6曲め。
いずれも粒たちの良い片倉のピアノ、しなやかにビートを刻む石若のドラム、と躍動感と
緊張感とを感じさせるハイクオリティなピアノトリオを楽しめる。
そして、ベース。
その力強いサウンドがかなりな魅力を放っていて、とくに都合4曲おさめられているベースソロだが、弦が胴を叩く音、北川の息遣いと臨場感のトラックで、トリオ演奏もさることながら、このベースソロが大いなる聴きどころになっているのは間違いのないところ。

ベストは6曲め

"Spring Night" Kiyoshi Kitagawa (https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008111625)
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