日本のジャズを聴け     (和ジャズBlog)

最近の日本のジャズは、もの凄く面白い!! もっともっともっと聴いて欲しいので、たくさん紹介します。

永武幹子ソロ (20191118)

これまで永武さんのライブは何度か見ていますが、トリオが多いのは厳然たる事実として、デュオも大所帯(変則技)も見ているが、ソロは無かったなぁと思ったので、月曜ではありましたがライブに赴いた次第。

ちなみに最近の記録を列挙すると以下の通り。なかなかな濃ゆい内容です!!
 トリオ(J. J. Soul):http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64815087.html
 トリオ(レギュラートリオ):http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64693412.html
 デュオ(岩見継吾):http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64575612.html

で、今回のライブですが21時開演のところ約1時間前にお店に到着してすでに7〜8人は先客がいたか。
開演時には、15人くらいのお客さんがいたのではないかと思う。
最近の人気ぶりには驚かされる。

ほぼ定刻に演奏をスタート。
低音を効かせた出だしからなかなかシリアスな音楽を繰り出してくる。
5〜6分ごとに、速いフレーズのフリー、しっかりとした旋律の曲、ミニマルな左手の演奏を基調とした即興、拳を駆使したノイズに近いもの、不協和音を織り交ぜたもの、もの凄く速い打鍵の連続、等々と、基本的には曲を演奏することはなく、強打鍵多めに即興での演奏をさまざまな表現で演奏し、単音をいくつか鳴らす”つなぎ”をいれながら、次々とつないでいく。

本編は10本の指をずっと全部使い続けているような勢いの音の洪水状態でしかも打鍵が強い。
ちゃんとした曲になっているパートも存在するが、いずれも聴き知ったようなフレーズを1小節も出てくることはなく(少しはあったかも)、その発想力の源泉にもおののく。

実はもう少しさらりと美旋律系で聴かせると予想していたのだがしっかりと裏切られ、かなりヘヴィでアグレッシブな演奏に度肝を抜かれたというのが正直な感想。
種明かしは演奏後にあって、深夜のtwitter投稿でCecil taylorのソロが好きと書いていた。あぁ。。

途中、どういう気持ちで演奏しているんだろうかとぼやっと考えたりもしたが、たぶん絶好調だからこその重い表現だったのではないかと推測している。

ほぼ40分、拍手をするいとまを与えず延々と弾き続け、
アンコールは美旋律な即興を、こちらはさらりと聴かせて演奏は終了。

終わったときの一言「ありがとうございました」を息を切らせながら言ってたのが印象的。
そしてカウンターのところですかさず放った「ビールください」とともに演奏にどれだけパワーを使ったのかを感嘆せずにはいられない。

Final Spank Happy "Mint Exorcist"

Spank Happyは、菊地成孔と女性とのデュオユニットで、ポップスを歌っているものという認識。
結成は1992年で、相方を変えながら、停滞期を含みながら、でも延々と活動を続けているというもの。

個人的には、菊地の存在を知った後から聴いているので、たぶん2002年以降で、第二期が盛り上がっていた頃に知ったことになります。
 "SPANK HAPPY" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a16124335.html)
第一期のアルバムは、2011年に再発されて、これを購入しています。

第一期(ハラミドリ)
 "My Name Is" (https://www.amazon.co.jp/dp/B005G66X72/) 1994
 "Frewak Smile" (https://www.amazon.co.jp/dp/B00469A3V2/) 1995
第二期(岩澤瞳)
 "International Klein Blue" (https://www.amazon.co.jp/dp/B00005S6ZB/) 2001
 "Angelic" (https://www.amazon.co.jp/dp/B0000641MA/) 2002
 "Computer House of Mode" (https://www.amazon.co.jp/dp/B00006AUQT/) 2002
 "Vendome, La Sick Kaiseki" (https://www.amazon.co.jp/dp/B0000DJWAX/) 2004
 "普通の恋" (https://www.amazon.co.jp/dp/B00016ZR8I/)
第二期後(ドミニク・ツァイ, 野宮真貴)

第三期(小田朋美)
 本作

細かいところは、wiki (https://ja.wikipedia.org/wiki/SPANK_HAPPY) を見ると詳しいです。
この第三期は、才女小田朋美が菊地の前に現れたことで、第二期の後10年以上活動停滞していたSpank Happyを再始動させるきっかけになったということでしょう。
菊地がどれだけこのユニットにこだわっているかという..。

その小田の最初のアルバムでは、第二期の曲(Angelic)をカバーしていました。
 "シャーマン狩り" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63273496.html)

第三期の活動としては、本作の前に2018年に"夏の天才"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07D6WYSP2/)が伊勢丹のキャンペーンソングとしてリリースされています。

メンツですが、菊地成孔、小田朋美という名前では活動しておらず、それぞれ下記の呼称を使っている。
Boss the NK(菊地成孔)、OD(小田朋美)

演奏曲は以下の通り。とくにカバーとかはなさそう。
1.NICE CUT
2.Devils Haircut
3.雨降りテクノ
4.夏の天才
5.アンニュイエレクトリーク
6.ヌードモデル
7.エイリアンセックスフレンド
8.tO→Kio
9.共食い
10.太陽
11.ヒコーキ
12.mint exorcist

聴き始めの前半では、自身でテクノと言っているように、サウンドとしては決してジャズではなく、リズムはテクノか、それに近いメカニカルなもので、ダンサブルなノリの良いもの。
これまでの(ということは、岩澤ボーカル)の時よりサウンドはもうちょっと先鋭的なものと感じられ、ポップよりも先端感を優先したような音作りと感じられる。

歌詞は、これまで通りに、エロティックで、アンニュイで、ブランド主義で、エレガントで、それていてちょっと意味不明な感じなものは踏襲されている。
以前からだが、なんかちょっと変な世界観の音楽でそれでいてなんだか不思議にハマってますw。
そんなんで、5曲めくらいまできて少しスローな曲調に変化してくると、後半はエレクトロな影響はありそうだがバラードな気配の曲が増え、さらに電気的な音が減ってくる。
最後の曲が、ついにピアノだけの伴奏になってちょっと驚く。

このアルバムは、流通を限って販売価格も上げてライブに通うようなコアなファンだけが手にすれば良いというスタンスで、あまり売れない前提での販売だったと推測する。
そんななんで、3曲めで菊地が曲の説明のような、最後の曲で小田が、アルバムのお礼のような語りを入れているのも、コアなファンに向けてのユーモアとメッセージなんでしょう。
現況(2019年11月頃のネット情報)をみると、おそらくそんな見込み以上には売れていそうで、小田の最後のMCで(おそらく半分冗談で)次作を予告しているが、あながち嘘ではなくなるのかもしれない。

ベストは11曲め

Final Spank Happy "Mint Exorcist" (https://www.bureaukikuchishop.net/product-page/final-spank-happy-mint-exorcist)

後藤篤カルテット(20191106)

後藤篤カルテットはCDはリリース直後に聴いていて、とっくのとうに紹介済み
 "Free Size" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63974359.html)
その演奏を生で堪能する機会を得るのに時間がかかってしまい、ほぼ2年後の2018年の4月のこと。そのときのレポートは、
 後藤篤カルテット(20180409)(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64466324.html)
その後も、見れる機会がありまして、そのレポートも書いています。
 後藤篤カルテット(20180927)(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64615488.html)
 後藤篤カルテット(20190223)(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64744341.html)
この後も、1〜2回 No Trunksでライブがあったはずだが、それらはタイミングが合わずに聴くことができませんでした。

19時40分くらいにお店についたら、石田さん以外は外出中でした。
パワーをつけに(食事)行ってるんだと思います。
20時の10分も前には皆さん戻ってきていました。

楽器配置は、向かって左側に完全に横向きにドラム、その奥にベース、ピアノは定位置から少しだけ斜めに出して、板は全部はずし天板だけ反響するよう半開きにしている。トロンボーンはドラムの前あたりに真横を向いて立つ。

定刻の20時を10分も過ぎたところでライブスタート。
後藤をのぞく全員が冒頭からTシャツ姿で楽器を前にする。後藤も演奏直後にシャツを脱いで全員Tシャツ姿でのライブと相成った。

演奏曲は、メンバーのオリジナルとジャズメンのオリジナルを中心としたもので、これまでのライブでも聴いているお馴染みの曲が多い構成だったと思う。
今回は、久々だからというのもあるかもしれないが、これまでのお馴染みの曲もアレンジが変わっていて、お馴染みのテーマを心地良く聴きながら、その前後のアレンジされた部分、趣向を変えたイントロ、そして各人のソロを新鮮に聴くことができた。
さらに今回は、いろいろがしっくりいっていたようで。
終演後、服部さんとちょっとだけ交わした会話で、演奏している側も良い感触の演奏だったことを聞けました!
あいかわらずパワフルな演奏で、そんなパワフルな演奏を体全体で享受することで、パワーをたっぷりといただきました。

お客さんは10人を少し超える人数。たまに、たまたま入っちゃったような人がまぎれることがありますが、今回はちゃんとライブを聴くことを目当てに来ている人で埋まりました。
2ndセットの途中でご婦人が来場されましたが、その方が短い時間の演奏を手を上げて踊るようにたっぷりと享受していたのが印象的でした。
ほぼ視界に入らない位置なので、ちょっとだけ見ただけですが..。

1st setが20時10分くらいからほぼ50分弱、2nd setが21時30分頃から50分強、さらにアンコールにも応えてくれて充実した演奏をたっぷりと楽しんできました。

THINKKAISM “THINKKAISM”

THINKKAISMは、シンカイズムと読むそうです。
ここのところ話題沸騰中にサックス奏者、松丸契の初リーダー作。
そんな松丸契の演奏は、生でも聴いています。
 mo℉e (松丸契、高橋祐成、落合康介) (20190818) (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/470295189.html)
この盤のメンツは、Boysというトリオの3人(石井, 金澤, 石若)に、ドラムがもう1人加わったもの。
 Boys featureing SHUN (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64034776.html)
そのドラマー、高橋直希は、北海道の現役高校生だそう(驚)
メンツは以下の通り。
松丸契(As, Ss)、金澤英明(B)、石井彰(P)、石若駿(Ds)、高橋直希(Ds)

演奏曲は、松丸, 石若が各3曲、石井, 金澤が各1曲、日野/石井の共作が1曲に、John Coltraneという構成。
1.Welcome
2.Ichiro
3.THINKKAISM
4.Sail
5.April Fools
6.Dad Milkman
7.Parsley Sparsely
8. View Figure 1a
9.Star Field (Akira Ishii & Terumasa Hino)
10.A Thousand Brushes

曲としては、フリーインプロっぽい訥々とした感じの曲が多め。
曲として聴かせるというよりも、音、音色、音触を聴かせることを主体にしていると感じられる。
ざらざらとした音色のサックスに、アルコ弾き、擦過音を交えたベース。
キーボードで鳴らした電子音、ピアノが振りまく音の粒、さらにさまざまな鳴り物と多彩な音が散りばめられる。
そんな、音色、音触を使って、ちょっと不思議な節回しや、ちょっと独特な音使いなどで個性を出してくる。
さすがに、最初聴いたときのとっつきはあまり良くなっかったのだが、聴き込んでくるといずれの曲もいろんなパワーを感じさせることがわかってくる。
そんなかなりな聴き応えを持ったアルバム。
本作の2人のドラムは同時出演で、そんなツインドラムによる厚みのある打音が印象的なのは6曲めと9曲め。

でも、ベストは4曲め


THINKKAISM “THINKKAISM”(https://www.amazon.co.jp/THINKKAISM/dp/B07TR6K2KP/)

"High Ball Party" .PUSH

この盤はピアニストの魚返明未の名前を見つけて、内容を確認したもので、日本の若手ミュージシャンの演奏は聴けるなら聴いておこうと、いう意識もありますが、1曲だけではあるが、"ものんくる"の吉田沙良が入っているのも気になったところ。
バンド名が".Push"(ドットプッシュ)で、アルバムタイトルが「ハイボールパーティ」なんですが、当初はなぜだか逆に覚えてしまっていたのは...(悩)

メンツは、サックスの中島朱葉は、石若駿の"CleanUp"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63579370.html)に入ってた人、
ドラムの西村匠平が"ものんくる"の元メンバーで、2013年の"国立パワージャズ"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62322629.html)にいたはず。
高橋陸は、2018年の松原慎之介のリーダーライブ(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64389254.html)で見ている人と、すっかり忘却であるのがほとんどだが、しっかり聴いている面々が揃っているのでありました。
.PUSH(ドットプッシュ):魚返明未(P)、中島朱葉(As,Ss)、西村匠平(Ds)、高橋陸(B)
吉田沙良(Vo:8)

演奏曲は以下の通りで、西村が4曲、魚返が2曲、中島が2曲のオリジナルで全部で8曲。
01.プッシュのテーマ
02.High Step Corner
03.Like a Candle Light
04.Pisca-Pisca
05.トキシラズ
06.いっぽいっぽ
07.High Ball Party
08.SAG〜始発、朝焼け、5時散歩〜

ラテン調の1曲め、くつろいだ雰囲気の4ビートの2曲め、全体に難解な方面には向かわず、ゆったりと心地良いサウンドに終始した曲調。
1曲めに続いて4曲めもラテン調リズムを入れてきているので、ラテン調を中心に据えたノリの良さを踏まえつつ、心地良いサウンドを志向したバンドなんでしょう。
そんな雰囲気には、中島の軽やかなノリのコロコロ歌うようなサックスがよく合っている。
ちょっと前ノリな気配を感じる西村のドラムに、溜めを効かせた演奏をしてくる魚返のピアノなんてのも、ちょっと良いバランスが取れている組み合わせになっていると思う。

個人的聴きどころは、なんだかんだで魚返のピアノになるわけだが、特にソロでの朗々と伸びやかな演奏は。聴いていてとても気持ちが良い。
7曲めが刻みの細かい6/8拍子のおおらかな曲調で、それまでの曲とちょっと雰囲気が変わる。
ここでの中島のソロがテンション高いもので、続く魚返のソロでは、ソロフレーズを歌い(唸り)さらにテンションを上げてくる。
最後はメンバーがラララーと歌って大団円を迎える。
ライブのエンディング曲なんじゃないかという終わり方。
が、これで終わりではなく8曲めでは、ものんくるの吉田沙良のボーカルが入った曲。
曲調も吉田のボーカルが映えるような作風だからというのもあると思うが、
ちょっと前のものんくるで演ってそうなそんな感じの曲に仕上がっているイメージ。
後半の中島のサックスと吉田の声が絡むところとか、良い雰囲気を醸し出している。


ベストは、バラードの6曲めにします。


"High Ball Party" .PUSH(https://www.amazon.co.jp/dp/B07T4711JY/)

中村恵介 "Humadope 2"

この盤は、邦人の若手で気になっている面々が多く入っていたので、それが気になって買い込んできたもの。
タイトルが2なので、1もあるが、メンツは変わっているよう。
本作のメンツは以下の通りで、吉本、魚返、竹村が、個人的白眉の面々。
リーダーの中村は、今回が初聴き。ネットで漁っていたら松本茜との共演歴もあるんですね。
中村恵介(Tp,Flh)、吉本章紘(Ts,Fl)、魚返明未(P)、金森もとい(B)、竹村一哲(Ds)

演奏曲は、6曲の中村のオリジナル、魚返、吉本のオリジナルが各1曲という構成。
01 Space Boy
02 Came Back from Korea
03 So Nice!!
04 Fudge Factor
05 North Kingdom
06 Genseirin
07 Sense of Mission
08 A Prayer "Where you belong”

エコーをたっぷりかけたトランペットのソロから、ドラムがアメリカンガレージのイントロのようなドラムを叩く本編に突入。
速めのテンポの4ビートを中心にした構成で、前へ前へと推し進めていくような演奏に、バラード曲を挟めていくような作風。
速い曲は、一哲のシンバルが煽るように打ち鳴らされ、高音域を多めに使ったビシビシ決めてくるベースが響くなか、そんなリズムに促されるように2管のユニゾンでのテーマが格好良い。
そして、両者のソロへと突入していくが、勢いを削がないテンションで怒涛の如く突き進んでいく。
バラードな曲では、ベースの太い音色で全体を包み込むような雰囲気の中、管がしっとりとした演奏を奏でる。
最後の曲ではベースがフィーチャーされ、ゴリッとした感触のソロを披露している。

いずれも、若い現代的な響きを感じさせる格好良い演奏を聴くことができる。
と、なんだかんだ書き散らかしてみたが、何度か聴いていて、いつでも魚返の存在感が個人的には大きく感じられ、特に一哲との掛け合いのような状況になったときが、一番の聴きどころになっている。
そしてそんな場面は多数準備されている。
そこがウハウハポイントになっているわけであります。


ベストは7曲めでしょう。

中村恵介 "Humadope 2"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07SZGSY1D/)

mo℉e (松丸契、高橋祐成、落合康介) (20190918)

先日、初リーダー作をリリースしたばかりの若手注目株サックス奏者松丸契を擁したバンドのライブ。過去に1回あったんですが、その時はタイミングが合わず。今回初参戦。
店主絶賛だったので、、聴き逃す手はないと思っていた次第。
バンド名が、mo℉e という名前で読み方は失念。Electro-Acousitc Trio と称しているようです。
メンツは、若手注目株2人に中堅ベーシストの3人。
松丸契(As)、高橋祐成(P)、落合康介(B)

ステージは、左奥にピアノ、その手前に椅子がありサックスが座る。このピアノとサックスの間にエフェクタ類がてんこ盛りに置かれている。右端にベースが立つが、この周囲にも馬頭琴に、(パーカッションというより、)いろんな物が置かれている。

上記メンツのところに楽器を書いてあるが、正確には、高橋(P, つまみ)、松丸(As, つまみ)、落合(B, 馬頭琴, 石, 小枝, 鐘)と書いたほうが合っている。

冒頭から、高橋つまみいっぱいの箱を抱えつまみいじりまくり、ビーとかギーとかそんな音が鳴り響く。
松丸、サックスのキーをカタカタと動かし、その音を元につまみをいじって変化していくいろんな音を響かせる。
落合、石をふたつぶつけてガチガチ鳴らし、竹筒に粒が入った楽器でジャラジャラした音を出し…。
そこから、高橋がピアノに向かい曲のテーマを提示してくる。
過激というか、若さ爆裂のアプローチに意表を突かれるというか、そんな感じ。

後半の曲では、多少のエフェクトは入れてくるが、基本を生音に置いた演奏にシフトしてくる。


きっと、このバンドのやりたいことは前者の中にあるんだと思う。
が、
昔とった杵柄含め、演奏し慣れたものが後者の中にあり、メンバーそれぞれが安心して成り行きのまま演ってしっかりこなせる曲を一定の割合で入れているんだろうなと推測。
それでも、ヒリヒリするような緊張感のある

電子音少なめのパートで、エフェクトをかけていない時の松丸の音の骨太さ、凄みみたいなものが聴きとれ、本来の実力の高さを垣間見られたんだと強く感じられる

高橋も、しっかりとコントロールされたタッチに、大胆なアプローチだったり、細かい音のニュアンスを入れてきたり、全体的に貫禄が出てきたような印象
(そういえば、最近日野バンドに加入しので、その影響も大きいか!?)


演奏は、即興ではなく、ちゃんとスタンダード、オリジナルを含む既成曲を演奏、1set中に3曲を区切り無しに一気に演奏する。

1st setは、ほぼ定刻にスタート。2nd setは、9:20頃スタートだったか。
各set 45分くらいに、アンコールにも応えてくれ
、充実のライブを堪能させてもらいました。

浅利史花, 落合康介デュオ独壇場+ (20190916)

ギタリストの浅利さんが、最近 No Trunksに出演する頻度が高いのは、ライブ告知を見ていて知っていたが、これまでライブに赴くタイミングがとれずに、まだ見たことはなかった。
今回、ベースの落合とのデュオということで、ここが見るべきタイミングとお店に赴いた次第。
独壇場は、月曜の21時からの1セットだけのライブで、若手ミュージシャン数人が順繰りに出演して月1回程度開催されている。
浅利史花(G), 落合康介(B)
落合が店の奥側に立ち、浅利はしまわれたピアノの手前に立つ。
さすがにギターはアンプに繋がれていたが、落合のベースにはアンプなし。
なので、音量も全体的に抑えめなもの。
演奏曲も、スタンダードを中心にToninho Horta, Charles Mingusを入れた選曲で、オリジナル、最近の曲は演っていなかったと記憶。
しっとりめの曲をしっとりめの音量でしっとりと奏でていく。
浅利の奏でる訥々としたテーマに、落合がメロディアスなベースを絡めていく。
All The Things You Are の後のMCで、中牟礼さんの(格好良いバースをしていたという)話題をはなしていたが、ピックで固めの音色を奏でた後に指でコードをじゃらんと鳴らすような、スタイルとしては中牟礼さんの演奏を模範としたようなもので良いと思う。
大半は、ギターのスイッチもボリューム以外ほぼいじらず音色も変えずに演奏していたが、途中で1回だけピックアップの設定?を変えて柔らかな音でジャカジャカ演てたのが印象的。

これもMCで話していたが、独壇場はいろいろ実験のできることになっているので、エフェクター(コーラス)をプロになって初使用したとのこと。
ただ、これも本人が暴露していたが、立ち位置の後ろにセットしてあり、曲の冒頭で操作するくらいで、曲の間に操作はせず、あまり強くもかけてはいなかったようで、スイッチのon/offでそう大きく音の変化が感じられるほどではなかかったか。
約1時間の演奏のあとに、アンコールにも応えてくれ、Antonio Carlos JobimのNo More Bluesを演奏して終了。
お客さんはとっても少なかったが、しっかりたっぷりの演奏を楽しませてもらいました。

"Grateful" 浦ヒロノリ

この盤は、井上銘の名前で惹かれてチェックしていたんですが、日本の若手ミュージシャンの演奏は聴けるなら聴いておこうと、買いを決めています。
財布の紐が絞り気味の時だったら買ってなかったかもしれません。
メンツのうち、ドラムの福森康は、佐山雅弘の遺作 "B'Ridge"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64583078.html) 他で聴いています。
リーダーの浦ヒロノリは、福岡を中心に活動をしている人のようですが、ベースの高橋佳輝とともに初聴きのはずです。
かくいうメンツは以下の通り。
浦ヒロノリ(As)、井上銘(G)、高橋佳輝(B)、福森康(Ds)

演奏曲は以下の通りの5曲、すべて浦のオリジナルで良いと思います。
1 Quiet Storm
2 Walking in Blue
3 Grateful
4 Home
5 River Waltz

最近の、クラブ系で使いそうなリズムパターンにサックスのゆったりめのテーマが乗る1曲め。
井上のギターが刻むカッティングが格好良い。

浦のサックスは丁寧にフレーズを繋いでいて、破綻することなく流暢なサウンドを聴かせる。
テンションが上がる場面も、音色は変化させてくるが、フレーズは冷静にきっちりと淀みなく吹き切る。
スタジオ録音で粗さの出にくい状況というのもありそうなので、ライブではどんな演奏をしているのかちょっと興味を惹かれる。
2曲めがスローな曲で、3曲めがポップな8ビート、5曲中3曲がスローな曲でエモーショナルな表現のほうが得意なのかもしれない。
リズムの二人はきっちりとしたリズムキープ力を発揮して気持ちよく曲にノれる態勢を構築している。
聴きどころは、当初の予想通りに井上のギターになってしまうが、演奏の凄さは当然だが、バッキングもソロも音が出ている場面が多めでもあり、音量もしっかり出ているのもあって、演奏のどの場面でも気がつけば耳がギターに引っ張られているような感じ。
ちゃんと耳を引きつけるだけの揺るぎないしっかりとした力量を感じさせる。

ベストは1曲めにします。

"Grateful" 浦ヒロノリ(https://www.amazon.co.jp/dp/B07TBCJG1Q/)

"公爵月へ行く" スガダイロー

スガダイローの新作は、ようやくの新レギュラートリオでのフルアルバム
それまでの、東保光、服部マサツグとのレギュラートリオは、東保氏の音楽(JAZZ)活動休止により解散。
2016年の"渋さ知らズを弾く"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63685918.html)が、最後のアルバムでした。
その後、ソロ活動といくつかのユニット(Littele Blueとか秘湯感とか..)の活動はありましたが、全部は追いきれていません。
最近作は、ソロ作の下記。
 "季節はただ流れて行く"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64500060.html)
ここのところのスガのピアノ表現の凄さにヤられているところがあるので、ピアノが中心となる作品は欠かせないが、参加作まではなかなか..。
というところのピアノトリオ編成のアルバムリリースは、待ってました!!というところ。
2期めのレギュラートリオのメンツは以下の通り
スガダイロー(P)、千葉広樹(B)、今泉総之輔(Ds)

演奏曲は、スガダイローのオリジナルの間に、Duke Ellington, Thelonious Monk, George Gershwin等が入っているが、8曲めは市野元彦さんの曲でした。
01.Solitude
02.公爵月へ行く
03.African Flower
04.Wild Flower
05.Off Minor
06.Acoustic Kitty
07.夏になったら鳴きながら、必ず帰ってくるあのツバクロさえも、何かを境にぱったり姿を見せなくなる事だって、あるんだぜ
08.\Oceanus
09.I loves you porgy
10.君の見る夢

Duke Ellingtonを前面に出しつつ、スガ自身のアイデンティティをたっぷりどっぷりと表現したような演奏というのが聴き始めの第一印象。
スガの美しさを求めきった美フレーズ、Duke Ellingtonの曲での骨太な4ビート、そして得意のフリーフレーズと、変幻自在に渡り歩きながら、いずれもがスガダイローワールドとして一貫した気配を感じさせるところが、なによりも凄いところ。
千葉広樹のベース、今泉総之輔のドラムと、双方とも曲にあっているようでいながら、微妙にズレを感じさせるバッキングで、この気持ち悪さがスガサウンドにはなんとも心地良さを感じさせる。
8曲めが千葉の奏でるゆったりとしたベースのアルコ弾きをフィーチャーしたもので、このベースの響きの大らかさはちょっとした聴きもの。
9曲めのイントロでの、スガと今泉の打鍵、打音の連打が格好良い。

ベストは、2曲めでしょう。


"公爵月へ行く" スガダイロー(https://diskunion.net/jazz/ct/detail/XAT-1245710884)
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