日本のジャズを聴け     (和ジャズBlog)

最近の日本のジャズは、もの凄く面白い!! もっともっともっと聴いて欲しいので、たくさん紹介します。

"CLNUP4" 石若駿

石若駿のCleanUp quartetの新作ですが、もとは須川、井上とのCleanUp Trioだった気がするのだが..。

20170806に放送された"セッション2017"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64325364.html)での、
Niran Dasikaの入ったセットがことのほか良かったので、たぶんこのメンツで固定したんじゃないかと推測。

ちなみに前作の紹介が下記。このときは、メンバーは固まっていたわけではなく、今回のメンツが高頻度に登場しているが、コアメンバーという感じでもない。
 "CLEANUP"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63579370.html)



しかし、このメンツはかなり強力だと思う。メンバーを眺めるたびにそう思う。
石若 駿(Ds)、Niran Dasika(Tp)、井上 銘(G)、須川崇志(B)

演奏曲は、下記5曲で、石若のオリジナルが4曲に、Paul Motianで全部で5曲という構成。後半2曲がライブ収録。
01. ShihoHappoh I,II
02. Yoshi
03. Playgroundz
04. ShihoHappoh III(Live)
05. Mumbo Jumbo(Live)

奔放に叩きまくるドラムにまずは打ちのめされる1曲め。
ギターが多重録音で、伴奏とソロとをNiran Dasikaのトランペットが、ソロの部分を引き継ぐ。

2曲めがゆっくりの4拍子曲。
平易なフレーズをギターが奏でるイントロから、Niran Dasikaの少しカスれめのトランペットが入ってテーマか。
Niran Dasikaの音色を魅力をたっぷり感じさせるつくりではあるが、ドラム的には聴きどころはないか。
3曲めは、もう少し速い8ビート。
複雑なパターンを刻むドラムに、多重録音と思うが、2管2ギターが聴こえ、ベースが聴こえず、キーボードが小さく入ると、いろいろ仕掛けが仕込んである。

後半の2曲がライブ録音だが、双方とも無機的でフリー濃度濃いめな散文的な演奏。
こういうのをライブ録音から持ってくるのは、臨場感が出しにくかったからと、好意的に捉えるが、演奏後の拍手の始動が緩慢なのは曲が難解な故か。

メンツ的に、誰の演奏に注視しても満足できるクオリティは期待できるが、殊更にドラム目当てで買っていると、ちょっと肩透かしを食らったような感じになるか。

そういう意味でも、1曲めがなんといっても格好良い!


"CLNUP4" 石若駿(https://www.amazon.co.jp/dp/B07RHLS71S/)

"Escargot" Ortance

坪口昌恭の新作は、ギターを加えた新ユニットでの1stアルバム。
坪口のリーダー作としての前作を調べたら、Tokyo Zawinul Bachの人力バンド以来で、実に5年ぶり。
ちょっと驚くくらい間が空いていました。
 "Switchover Gravity"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62961307.html)
 "ChangeGravity"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62621736.html)
本作のメンツである西田修大は、石若駿の"Song Book"、けものの新作"美しい傷"(http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64823829.html)と、最近参加アルバムが出てきている人で、これからの注目株と言えそう。
ドラムの大井一彌は、今回初聴きになる人だが、ユースカルチャーの注目バンド「DATS」のメンバーなんだそう。
インタビュー記事がありました。(https://i-voce.jp/feed/11600/)

そんなメンツは以下の通り。
坪口昌恭(Syn)、西田修大(G)、大井一彌(Ds)

演奏曲は、すべて坪口のオリジナルで全部で11曲。
01. Prelude pour Hortense
02. Escargot(Vocal:Kiala)
03. Muse Skip
04. Tutuala Drink
05. Baroque Pearl(Vocal:ermhoi)
06. East of Eden(Vocal:Kiala)
07. Nega Posi
08. Even Shuffle
09. Space Dragonfly
10. Black Morpho
11. Unknown Lettura
アコピによる響き豊かな打音によるイントロ的な単品からスタート。
アコピが多めだが、エレピのこともある、ピアノによるテーマぽいフレーズに、西田のギター、坪口のシンセ、メカニカルな電子音が有機的に絡み合って作り上げていくようなそんな作風。
ドラムは、8ビート、16ビートの速いリズムを基調にしたものが多めで、ときにヘヴィメタ調の大仰な展開を垣間見せたりしてくる。
西田のギターは、坪口の電子音と被っている可能性も否定できないが、多分音を出している場面はそう多くはなさそう。
そんな中でも、強インパクトというか破壊力のあるギターサウンドで自己主張してくるのは、最近知名度を開けている理由の一つと言えそう。
坪口のアコピ、エレピの美旋律と、シンセによる効果音的なものの使い方と、さらに電子音をピッピッと散りばめていく、そんな3種のセンスがバランスよく融合している、さらに、ドラム、ギターを含めて、リーダーとしての融合のセンスなんてのも出ていそう。
全般的に曲調は、ビートのはっきりしたものから、プログレ的に大仰な感じなものといった感じで、演奏のイメージ(音楽の展開とか、合いの手の入れ方、音色等々)としては、tzbのサウンドに近いかなぁという印象を感じる。
これは、前述の通り坪口のセンスがぶれていない、坪口のアイデンティティがしっかり出ているが故という事なんでしょう。

ベストは、2曲めでしょう。

"Escargot" Ortance(https://www.amazon.co.jp/dp/B07R2QFZVT/)

石田幹雄, 須川崇志 デュオ (20190807)

石田, 須川のデュオは、2019年1月と3月にありました。
残念ながら1月はいけませんでしたが、3月には見ています。
その時の記録は、
 石田幹雄, 須川崇志 デュオ (20190330) (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64770896.html)
ここのところ、ライブに行けてなかったので、仕事もちょっと多忙で疲れ気味だったり、梅雨明け後の暑さに負けつつある感じでもあったのですが、このデュオを聴き逃す手はないと、お店に赴いた次第であります。

ステージは、デュオ時の定番配置のピアノを左手前に移動したもので、ピアノの定位置(ちょっと奥まったところ)に須川が立つ。
定刻の20時を10分も過ぎたところから演奏開始。
演奏曲は、オリジナルを中心にしたもので、主に4ビート、バラード系の美旋律な曲が多かったか。
今回は、前回よりも拍を明瞭に提示した演奏多めという印象で、テーマもしっかりっと演奏し、即興もたっぷりと聴かせる。
前回は、石田がいつも以上に唸り声をあげていたのが印象的だったが、今回はもう少しおだやかな気配でピアノに向かい合っての石田節爆裂といった感じの演奏。
石田はほとんどピアノに向いたまま。エンディングのタイミング合わせに数曲後ろを向く程度で、ピアノに集中していたのもまた、印象的な光景でした。

逆に今回は、須川のほうが、ろうろうと気持ち良く演奏をしている印象で、弓は2ndセットの2曲で使っただけで、ほとんどが指でビシビシと、ちょっと強めに弦をはじいていたのが印象的。

1stセットは、20時10分から50分程度
2ndセットは、21時30分からたっぷり1時間に、アンコールにも応えてくれました。
聴衆は15人弱といったところ。

"坂田明×トリプルエッジ" 坂田明 / 坪口昌恭 / 早川岳晴 / 藤掛正隆

ドラムの 藤掛正隆が主宰するFullDesign Record(http://fulldesign.sakura.com)のアルバムはメンツが気になっていくつか購入したのが馴れ初め。
過去に、下記6枚を購入しています。メンツ見るだけで中央線ジャズ好きには...^^
 片山広明、太田惠資 "K.O."(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63350019.html)
 トリオねじ×林栄一 "トリオねじ×林栄一"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62373668.html)
 片山広明×石渡明廣×藤掛正隆 "8Seasons"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62310970.html)
 トリオねじ×坂田明 "トリオねじ×坂田明"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63566354.html)
 "Trio Edge"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64055424.html)
 "Inside or Outside"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64294220.html)
本作は中央線ジャズな面白さを期待したわけではなく、あの!坂田明と坪口昌恭が共演しているというクレジットを見たら、ほとんど接点なさそうな芸風の2人が共演したらなにが起こるのかという興味だけで購入を決めています。
メンツは、上記、坂田、坪口に、早川岳晴がベースで入る布陣。強力です。
坂田明(As,Cl)、坪口昌恭(P,Syn)、早川岳晴(B)、藤掛正隆(Ds)
演奏曲はすべて4者共作になっているので、全部即興演奏ということで良いと思います。
01. Triple Edged
02. S.A.C.
03. S.A.V.
04. Mifune Coat
05. Saitara-bushi Yellow Vision

冒頭の、無調での重厚なサックスの響きにピアノが絡む展開から、ベースとドラムがヘヴィなリズムを擁しての大即興大会へとなだれ込む、この重量級のサウンドが、坂田、早川、藤掛といった面々から期待する通りのサウンドでいきなり萌えてくる。
このバンドに参加しているのが、完全に異色としか思えない坪口であるが、ピアノ以外にシンセ由来と思われる電子音を効果的に使っていて、このピアノと電子音の使い分けのセンスを買われての起用ということをうかがわせる。
なんというか、中央線ジャズっぽい土着な雰囲気を持った演奏に、最近のジャズと並べても遜色ないような新しい響きを注入しているようなイメージか。
3曲めは坂田のドスの効いた声をフィーチャーした曲。
ドンドコ打ち鳴らされるドラムに、野太い坂田の咆哮が、野武士のうたげのような雰囲気を醸し出す。
5曲めも坂田のドスの効いた声が響く。
エッジと付くバンド名に違わず非常に鋭角的なサウンドを聴かせるバンドで、聴いていて4者それぞれの強烈なサウンドが耳に飛び込んでくるのだが、個人的にはなかでも早川の骨太なベースによるうねうねとドライブするビートが、妙に耳に残るのは聴き馴染んでいるが故か..。
ベストは、4曲めにしましょう。

"坂田明×トリプルエッジ" 坂田明 / 坪口昌恭 / 早川岳晴 / 藤掛正隆(https://www.amazon.co.jp/dp/B07RNJS6QG/)

"Lady's Blues" Shinpei Ruike Quartet

類家心平のリーダー作で、これが通算5枚めのはず。個人的には、4枚めの購入で過去盤の紹介は以下の通り。
 "4 AM"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62350850.html)
 "Sector b"(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/61093238.html)
 "UNDA"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63739147.html)

リーダー作以外の参加作でも多数聴いてて、大どころをみつくろって以下のような感じ。
最近では、板橋文夫との活動が多いような印象。

 板橋文夫
  "Fumio 69"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64698636.html)
  "Alligator Dance 2016"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63979738.html)
  "みるくゆ"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63880619.html)
 DUB SEXTET
  (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/51005890.html)
  (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/54256138.html)
  (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/56023039.html)
 Tokyo Zawinul Bach
  (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62621736.html)
  (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/62961307.html)

メンツは、前リーダーの5人からギターが抜けた4人構成。
類家心平(Tp)、中嶋錠二(P)、鉄井孝司(B)、吉岡大輔(Ds)

演奏曲は、Wayne Shorter, Dusko Gojkovic, 日野, Rolank Kirkなどで全部で7曲。
1 A Lovely Way To Spend An Evening
2 Speak No Evil
3 Old Fisherman's Daughter
4 Bluestruck
5 Betty
6 Lady's Blues
7 I Fall In Love Too Easily

トランペットが、スローでカスれ気味な雰囲気たっぷりのサウンドでテーマを気だるく奏でていく。
ベースもピアノも最小限の音出しでバックアップ。
しっとりとしながらも渋い演奏がオープニング曲。

続く2曲めが、モード感強めの4ビート曲はShorter作。ピアノの印象的な伴奏を素にオープンでパリッとしたトランペットが響く。
ここまでそう目立っていなかったドラムがここでソロを披露。曲調もあるので渋めだがなかなか聴かせる。

3曲めは、ベースだけを伴奏に従えて、タメを効かせた演奏をミュートでしっとりと聴かせるイントロから、6/8拍子の耳馴染みの良い曲へとなだれ込む。

といった感じに、類家のさまざまな奏法でのパリッとしたトランペットが冴え冴えしく鳴り響くのをどっぷりと堪能できる。
ピアノが、出過ぎないところでしっかりとした主張を見せ、トランペットの出ないところでの演奏を好バックアップしていて好感触。さすがに、共演歴の長さを見せつける。

ドラムもベースも程よくキレのある演奏で、全体の雰囲気を整えて一体感のある演奏に仕立てているのは、こちらも共演歴の長さがしっかりと良い方向に作用している印象。

渋めの演奏が多めなので熱さの充満したようなとはならないが、そんなところが類家らしい美学を感じさせる作りになっているわけで、おしなべて好感触な作品と言える仕上がりと言えるでしょう。

この盤、ゴムバンドが付いているんですが、5念もすると劣化してボロボロになるんだろうなぁと萎え..。

ベストは、1曲めのインパクトが大きいかなぁ

"Lady's Blues" Shinpei Ruike Quartet(https://www.amazon.co.jp/dp/B07QW532GT/)

First Impression" Espaco

Espacoでエスパソと読むそうです。
リリース直後ですが、機会をいただいたので聴かせてもらっています。

たしか、このバンド自体の活動期間は相当長いが、ここのところほとんど活動が停滞していた。
そこに、石田幹雄が参加したことでアルバムを作ることになったような、そんな話を聞いたようなちょっと間違っているような。。

かなりしばらくぶりのアルバムではあるようなので、活動歴に長い面々が揃っているよう。
ただ、個人的にはこれまで遭遇したことのない面々がほとんどではあります。
唯一知っているのが、ピアノの石田ということになります。

柳原たつお(B)、石田幹雄(P)、青木秀明(Ts)、小野寛史(G)、上村計一郎(Ds)

演奏曲は以下の通り。ちゃんと確認しませんでしたが、すべてメンバーいずれかのオリジナルで良いと思います。
01. Remember
02. 葉風
03. CYCLES
04. まどろみ
05. 盆の窪
06. River View House
07. IRAMUSA-2019
08. J.C.Waltz
09. 彩色
10. Long Short Story
11. First Impression

タンゴ系のザクザクしたリズムの1曲め。
こんな歯切れの良いピアノを石田が弾くのもなかなか遭遇できないそのノリのまま、ギターソロからピアノソロへと突入。
控えめにではあるがフリー方面へアプローチする姿勢を見せてはいるが、曲調から、派手な立ち回りには至らない。

3曲めでも途中からフリーな展開に入っていく4曲めがバラード。
他の曲でも途中でフリーな方面になだれ込む場面はあるが、同様に行き過ぎないところで留まるのは、全体のバランスから言って正解でしょう。
5曲めのベースソロの裏での演奏は、比較的石田感を強めに感じるような演奏

総じて、石田の演奏は、これまで聴いてきたものに比して感情を抑制したような演奏に聴こえていて、美旋律も、これまでで聴いてきたような意識を集中して集中して極限で紡ぎだすような渾身のと感じられる部分は希薄。
数少ない激しめな演奏の部分も、感情剥き出しのような挙動には至らず。
5曲めのソロで唸り声が聞こえたが、ここが一番感情が高ぶった瞬間じゃないかと思う。
他の曲では唸り声は聞こえないはず。

手を抜いているというよりは、曲調に合わせた演奏に徹したらこういう演奏になったんだと推測。
それが、石田の真骨頂を捉えているとは言い難いというのもありそうだが、逆に石田の違う一面を聴けるという意味では貴重な演奏とも言えそう。
と、石田の挙動を中心とした文になっているが、なにしろ知ってる名前が石田だけなので彼の挙動に耳が集中してしまうのは許してほしいところ。

他のメンバーも相応に良い演奏をしているのは間違いないが、なんか引っかからないというか、耳を持ってれないというか…
なかではベースが良い味出しているほうなんじゃないかと思う。

作られた曲の部分は、4ビート多め、8ビートもありで、とビートのしっかりとした諳んじられそうな平易な旋律のものが大半で気持ち良く聴いているにはそれで良いが、そういう意味では演奏で耳目を惹きつけるようななにかがもう少し出ていれば尚良かったんじゃないかと思うのは、聴く耳が悪いが故の感想かも。

ベストは4ビートの5曲めにします


"First Impression" Espaco (https://www.amazon.co.jp/dp/B07RZR3D9K/)

江藤良人、加藤一平、早川岳晴(20190629)

ギタートリオでエレクトリックマイルスを演るって告知で、そのメンツに加藤一平、早川岳晴の名前があれば、それはどういう演奏になるか薄々予感しつつ、そんな予想を上回る演奏が聴けるんじゃないかと、そんな期待感を持って開場に赴きました。

メンツをあらためて
 江藤良人(Ds)、加藤一平(G)、早川岳晴(B)

19:30の開場直後くらいにお店に着いたんですが、すでに5〜6人のお客さんが入っていました。
とはいえ、いつも座る席は確保できたので、そこで開演を待ちます。
20:00開演予定なんですが、この30分にお客さんがどんどんやってきて、定刻にはほぼ満席。

定刻を5分も過ぎたところで演奏スタート。加藤のMCから。
もともとは、ドラムの江藤から加藤に声がかかって、ベースは誰が良い?という問いに早川を要望(&快諾)にて、このユニットが完成したとのこと。

最初に曲名を言ってから演奏スタート。
たしか spanish key, in a silentway, directions なんて言ってた気が..。

ちゃんと譜面台に譜面を用意し、いずれの曲もどこかでしっかりとテーマを提示してくれるので、どの曲を演っているのか判らなくなることはないし、ドラムパターンだったり、テーマ進行の拍だったりすると思うが、その曲として抑えるところはある程度は抑えられているので、エレクトリックマイルスを聴いたことがあれば、その曲にノッて気持ちよく体をタテにヨコに揺らしながら...。

と、先に書いておきますが、実際の演奏は、江藤のパワフルなドラムに、こちらもいつも通り(いや以上か?)にゴリゴリと低音をかき鳴らし。
そして、いつもながら(もしかしたらいつも以上?)に暴力的な..実際には非常に突拍子もない過激なサウンドであることが多いのは事実であるが、痒い所に手が届く的に、この場面で鳴らすのかこの音色でこのフレーズをこの音量でと、足回りの機材を使って、音色変化、ディレイととても繊細にコントロールしている。

こんなサウンドが、さらに音量が大きいのと相まって、陶酔されたような洗脳されたようなトリップしちゃったような、そんな感覚に襲われる。

セットの終わりにようやくメンバー紹介。「はやかわたけはるさま〜っ、」と様付けでやってたのがご愛敬。

2ndセットは、21:15くらいからだったか。
こちらも曲名を先に言ってました。こんな Jean Pierre, bitches brew, jack johnson 布陣だったと記憶。

1stセットが40分くらい、2ndセットがアンコールを入れて50分超くらいだったか。アンコールはBlack Satin
演奏するほうも相当体力を使うと思うが、聴くほうも相当体力を使ったので、両セットとも1時間に満たなかったが、満足度も 充足度も充分に満たされた。

けもの "美しい傷"

「けもの」というユニットは「青羊(あめ)」さん1人でのユニット名で、過去に2枚アルバムが出ています。
 "LE KEMONO INTOXIQUE"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63238654.html)
 "めたもるシティ"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64210007.html)

本作は、ほぼ同時期にEPでのリリースもされていて、各2曲ずつ4曲がEPでも聴けて、それに1曲加えてミニアルバム(CD)でリリースしたのが本作ということで合っていると思います。

これまでの2枚のアルバムは、菊地成孔がプロデュースをしジャズ系ミュージシャンが演奏をするというスタイルでしたが本作はセルププロデュースで、ジャズミュージシャンが演奏をするスタイルは不変としています。

個人的に、彼女のアルバムを買っている理由はジャズミュージシャン(とくに石若駿)を起用しているところが大きいのは、間違いないでしょう。

そんなメンツは以下の通り。ここのところギタリストの西田修大の名前を聞く機会が増えている気がしてます。
青羊(Vo,P:3,G:5)、トオイダイスケ(B:1-4)、西田修大(G:1,2,4)、石若駿(Ds:1,2,4,5)、安田コウタ(P:2)、村田直哉(TurnTable:4)

演奏曲は下記5曲。3曲めだけがEPでは聴けない音源です。
1. コーヒータウン
2. リップクリームダブ
3. room707
4. ただの夏
5. トラベラーズソング

ほのぼのとゆったりめなポップスと言った趣が全体の印象。
全体をさらっと聴き通して、ジャズを感じるような部分は、ほぼ皆無。

冒頭の曲なタイトルをはじめ、コーヒーが主題になるような歌詞が多め。

演奏面では、ギターがさまざまなサウンド、奏法で変化を与えて、目立っているのはポップスとしては常套的なことと言えるんでしょう。

石若がドラムを叩いているが、特にソロとか目立った振る舞いはないが、カサカサした音色での微妙に前ノリな気配を感じるドラミングは、なかなか気持ち良い。

ベーシストが音楽監督的な立場らしいが、演奏面では堅実なベース演奏に終始している

前作は、菊地成孔がプロデュースに入っていたはずだが、それが故に歌詞とか、サウンドテイストとかに、いかにもな気配を感じたが、さすがに本作ではそんな色合いは目に見えて抜けている。


ベストは、2曲めで

けもの "美しい傷"(https://www.amazon.co.jp/dp/B07QVG94SZ/)

"NEW HERITAGE OF REAL HEAVY METAL EXTRA EDITION" NHORHM

西山瞳さんのヘビメタプロジェクトは、当初から3作作って終わりの予定だったらしいのですが、その完結編で聖飢魔IIの曲をカバーしたら、デーモン閣下と対談するというように、さらに知名度が上昇したようで、急遽、過去の3枚の録音での没テイクを集めて4枚めのリリース。

当然ながら、これまでの本編3作はしっかり聴いています。
 "New Heritage Of Real Heavy Metal" (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63504218.html)
 "New Heritage Of Real Heavy Metal II" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64014299.html)
 "New Heritage Of Real Heavy MetalIII" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64663738.html)
さらに1回ですが、ライブも見てましてその参戦記は
 ”NHORHM (20161029)” (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63908604.html)

メンツは初作から不変です。
西山瞳(P)、織原良次(B)、橋本学(Ds)

演奏曲は、本人のオリジナルを1曲含む、下記7曲。
Stratovarius,Slayer,Deep Purple,Metallica,Yngwie Malmsteenなんて名前が並ぶが、Deep Purple、Metallica位は名前を知っているが..。といった程度しか、個人的にはロックは聴いていません。

1. Galaxies
2. South of Heaven
3. Highway Star
4. Enter Sandman
5. Don't Let It End
6. P.C.P.
7. The Seventh Sign

「元曲を知らないのでどこまで元曲に忠実か判らないが、印象的な部分だけ残して換骨奪胎して、曲のキメの部分等判りやすいイディオムはしっかりと残していながら、おそらくジャズなコードを挟んだり、いろいろな仕掛けを多用して音楽としてはしっかりとジャズの範疇に収めていると推測。」
という文言は、最初のアルバムでの文で、その後も多用しているフレーズだが、本作でも同じイメージを持って聴いている。

これが4作めの作品で、4枚分の演奏を聴いているわけだが、ピアノの表現力の幅広さが肝になっていることを、あらためて思い知った。

ヘビメタの曲が持っている荒々しさ、哀しさ、美しさを、ピアノが、曲の美しい部分、パワフルな部分、繊細な部分、威勢良い部分と自在に渡り歩き独自の感性で表現していく。

「西山の繊細なピアノと、織原のメロディアスなベースで、しなやかにヘビメタサウンドの美しさを醸し出している。」というのも前作でのフレーズだが、ここまでそのまま流用し、さらに「橋本のドラムもしなやかである」と付け加えておく。

元曲が分かっている人は、元曲のピアノでの表現として、元曲を分かってない身としてはジャズとしては目新しい曲調のピアノトリオとして充分楽しめる作品である。というのは4枚に共通した印象

これまでの3枚と較べて、あの曲をやってる、この曲をやってる、というのはあるんだろうが、曲を知らない身としては、今までの3枚と同じクオリティで、普段あまり聴けないヘビメタ曲のジャズピアノトリオ版を楽しんだ。というのが正直なところ。
でも、そんなでも楽しく聴ける作品でもあります。

ベストは4曲め

"NEW HERITAGE OF REAL HEAVY METAL EXTRA EDITION" NHORHM(https://www.amazon.co.jp/dp/B07NRFKWHJ/)

J. J. Soul (20190608)

永武さんの演奏は、レギュラートリオを中心に、いろんな人とのデュオ等、いろいろ聴いていますが、もう1つの継続的に活動しているトリオが見れてなくて、今年初めにようやく生で見れました。
それが、J.J.Soulというユニットであります。

 "J. J. Soul (20190118)"(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64713913.html)

今回、地元のいつものお店で初のライブということでした。

吉良は世田谷トリオ(https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64627120.html)等で生演奏を聴いているが、石川はこのバンドでだけ聴いています。
永武幹子(P)、石川隆一(B)、吉良創太(Ds)

20時を曽越過ぎたところで開演。

1stセットは、速めの曲とバラードを交互に演奏して5曲くらい。たしか、永武オリジナルが3曲入っていたと記憶。
他は、Duke Ellingtonと本田竹広等だったか。
2ndセットは、富樫雅彦、Steve Swallow、prelude to a kiss、本田竹広(サラームサラーム)等で4曲に、アンコールが if I were a bell
という構成だったか。

前回のライブの文章では、"ソウルな雰囲気をたっぷりと感じさせる"演奏という語を使っているが、今回は曲の構成をしっかり維持したなかでの、ジャズな即興を楽しめるような要素を強く感じた。
3者が顔を見あってタイミングを合わせるような場面が少なく、曲の進行(アレンジ)がしっかりしていることをうかがわせる。
とくに、バラード系の曲でそんな傾向が強めになっているかなぁと感じられた。

オリジナルトリオが実験的なことを多用して演奏がどこに行っちゃうか(おそらく演奏している当人達も)読めないような演奏を繰り広げているので、好対照なピアノトリオという位置づけになるんでしょう。きっと

今回特に永武の弾く打鍵の強さがこれまでに増して強めに感じられ、そんな強い打鍵でありながら、速いフレーズもしっかりこなしていて、この日の気分がとっても良かったのか、はたまた腕と指の調子が著しく良かったんじゃないかとかいろいろ考えてしまいました。

今日のセットがバラード系のスローな曲が多かったからかもしれないが、バンドの役割的には速い曲をよりアグレッシブに突っ走らせる吉良のドラムと、ゆっくりな曲にしっとりとした情感を込めていく石川のベースという分担があるのかなぁ、なんてこともぼんやりと考えていたりして。
さらに、石川のベースを前面に出してくる場面が多めに感じられたのも、スローな曲が多めだったからなのか..。

あらためてバランスの良いピアノトリオであることを認識した次第であります。

終演後、いろんな人とちょこちょこ話をしていたら2時近くなってしまいました。
聴衆は、15人近かったんじゃないかと思います。
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