大西順子の新作は、菊地プロデュースのアルバムに続いての2年連続のリリース。
 "Tea Times" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63821643.html)
この作品がオーケストラと共演にラップもありと賛否両論な作品で、菊地らしい話題作とも言えたシロモノ。
これまでは、1作出して引退宣言してしばらく活動しないようなことが続いていたが、前作発売以降ライブも精力的に演ってるようだし、もう継続的に活動を続けるんじゃないかと期待しています。

今年の新作は2作同時発売。その2枚は下記2つで、トリオ作とバラード集です。
 "Very Special" (https://www.amazon.co.jp/dp/B075NJJ38J/)
 "Glamorous Life" (https://www.amazon.co.jp/dp/B075NJJ38J/)

本作はそのうちのトリオ作のほうで、メンツは以下の通り。
大西順子(P)、井上陽介(B)、高橋信之介(Ds)

オリジナル5曲、初期ジャズ曲、Hasaan Ibn Ali、Joe Zawinul、映画サントラで全部で9曲。
1. Essential
2. Golden Boys
3. A Love Song (a.k.a Kutoubia)
4. Arabesque
5. Tiger Rag
6. Almost Like Me
7. Hot Ginger Apple Pie
8. Fast City
9. 7/29/04 The Day Of (from "Oceans 12")


曲としては、あまりハードだったりヘヴィだったりするものは希薄。
4ビート、8ビートを基調にしたものが中心ではあるが、オーソドックスというよりはかなり現代的な響きを感じる。

演奏も、ブラシを使って軽快にビートを刻む場面から、ロックばりに激しく叩く場面と、幅広い演奏を聴かせるドラムに、冒頭4ビートこそ強力なウォーキングだが、その後はウォーキングに徹することなくメロディアスなフレーズを繰り出しよく歌っているベース。
こんなリズムに、ピアノの大西は、大西らしい強いタッチも聴かせつつ、全体には緩急のメリハリをしっかりとつけた演奏で、おおらかかつダイナミックなピアノを聴かせる。

冒頭のちょっとダークな演奏にガツンと入れてくる4ビートのインパクトももの凄いが、
5曲めが1917年に録音された最初のジャズ曲らしいが、ラグタイム調のごきげんに速い演奏を聴かせ、
8曲めではWeatherReportと、ちょっと意表をついた選曲もあり飽きさせない

そういう耳で聴くと、6曲めはRockin' in Rythm のイントロのような演奏でこれがまた楽しい。

ベストは、その6曲めにしましょう。

大西順子 "Glamorous Life"(https://www.amazon.co.jp/dp/B075NHH4Y1/)