西山瞳さんのヘビメタプロジェクトは、当初から3作作って終わりの予定だったらしいのですが、その完結編で聖飢魔IIの曲をカバーしたら、デーモン閣下と対談するというように、さらに知名度が上昇したようで、急遽、過去の3枚の録音での没テイクを集めて4枚めのリリース。

当然ながら、これまでの本編3作はしっかり聴いています。
 "New Heritage Of Real Heavy Metal" (http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63504218.html)
 "New Heritage Of Real Heavy Metal II" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64014299.html)
 "New Heritage Of Real Heavy MetalIII" (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/64663738.html)
さらに1回ですが、ライブも見てましてその参戦記は
 ”NHORHM (20161029)” (https://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/63908604.html)

メンツは初作から不変です。
西山瞳(P)、織原良次(B)、橋本学(Ds)

演奏曲は、本人のオリジナルを1曲含む、下記7曲。
Stratovarius,Slayer,Deep Purple,Metallica,Yngwie Malmsteenなんて名前が並ぶが、Deep Purple、Metallica位は名前を知っているが..。といった程度しか、個人的にはロックは聴いていません。

1. Galaxies
2. South of Heaven
3. Highway Star
4. Enter Sandman
5. Don't Let It End
6. P.C.P.
7. The Seventh Sign

「元曲を知らないのでどこまで元曲に忠実か判らないが、印象的な部分だけ残して換骨奪胎して、曲のキメの部分等判りやすいイディオムはしっかりと残していながら、おそらくジャズなコードを挟んだり、いろいろな仕掛けを多用して音楽としてはしっかりとジャズの範疇に収めていると推測。」
という文言は、最初のアルバムでの文で、その後も多用しているフレーズだが、本作でも同じイメージを持って聴いている。

これが4作めの作品で、4枚分の演奏を聴いているわけだが、ピアノの表現力の幅広さが肝になっていることを、あらためて思い知った。

ヘビメタの曲が持っている荒々しさ、哀しさ、美しさを、ピアノが、曲の美しい部分、パワフルな部分、繊細な部分、威勢良い部分と自在に渡り歩き独自の感性で表現していく。

「西山の繊細なピアノと、織原のメロディアスなベースで、しなやかにヘビメタサウンドの美しさを醸し出している。」というのも前作でのフレーズだが、ここまでそのまま流用し、さらに「橋本のドラムもしなやかである」と付け加えておく。

元曲が分かっている人は、元曲のピアノでの表現として、元曲を分かってない身としてはジャズとしては目新しい曲調のピアノトリオとして充分楽しめる作品である。というのは4枚に共通した印象

これまでの3枚と較べて、あの曲をやってる、この曲をやってる、というのはあるんだろうが、曲を知らない身としては、今までの3枚と同じクオリティで、普段あまり聴けないヘビメタ曲のジャズピアノトリオ版を楽しんだ。というのが正直なところ。
でも、そんなでも楽しく聴ける作品でもあります。

ベストは4曲め

"NEW HERITAGE OF REAL HEAVY METAL EXTRA EDITION" NHORHM(https://www.amazon.co.jp/dp/B07NRFKWHJ/)