守谷さんのリーダーアルバムを聴くのは、たぶんこれが初めてだと思います。
参加作だと、旦那の 本田珠也 のリーダー作で聴いていたり。。(下記)
 "Second Country" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64270321.html)
 "Save our Soul" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64748027.html)

ライブでは、Yam Yma's (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/471801695.html)で聴いていたりと、相応に頻度高く聴いているし、リーダーライブの告知は相応に見ているにもかかわらず、現場にはあまり赴いていないという..。

メンツは、ここのところ共演頻度が非常に高い 守谷,永武のデュオに、スガダイローの最近のレギュラートリオのドラマーである今泉総之輔を加えた3人ということになります。
今泉の近作では "公爵月へ行く" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/469415774.html) を聴いています。
守谷美由貴(As,Ss)、永武幹子(P)、今泉総之輔(Ds)

演奏曲は、守谷のオリジナルが3曲に、山下洋輔のオリジナルが2曲を中心にその他2曲と言うそんな構成。
01 ミナのセカンドテーマ
02 用心棒
03 むかしむかし
04 Think of One
05 Castaway
06 キアズマ
07 Every Day is a New Day

メンツ構成と選曲とを見れば一目瞭然のとおり、山下トリオを範とした演奏であることは自明。
守谷のファンファーレのようにサックスが鳴り響く冒頭から、フリースタイルの怒涛のブローへと。
ドラムソロをそのまま繋いで2曲めへとなだれ込む。
3曲めがバラードでこれがタイトル曲で、情感たっぷりのしっとりとした演奏でなかなか沁みる。
1曲め、6曲めが山下の曲でフリーの熱い演奏。
5曲めは牧歌的な旋律のおおらかな雰囲気を持った曲で、この曲後半の永武のナイアガラグリッサンドとでも言いたいグリッサンドはなかなか圧巻。
7曲めはおだやかな8ビートのポップな曲で、これが最後の曲ということになる。
守谷の渾身のブローが聴けるフリーから、愚直なまでにしっとりとしたバラード、そしてポップな曲までとバリエーション豊かにてんこ盛りではあるが、あまり散漫なイメージにはなっていないか。
個々の演奏では、なんだかんだやっぱり、永武のソロの鮮烈さにやられているか。
特に2曲め 6曲めでの長尺ソロが個人的白眉で、音数多めにガシガシと攻め立てたかなりアグレッシブなソロを聴かせてくれる。
もう一つ、今泉の重量級のドラムが演奏を重厚なものにしていることも特筆すべきでしょう。

フリーな演奏に真骨頂があると思っているので、
ベストは、6曲めにします。

"むかしむかし" 守谷美由貴 (https://www.amazon.co.jp/dp/B07ZW9PY9W/ )