本来は、高橋祐成とのデュオの予定でしたが、高橋祐成が発熱でお休みということで、急遽林栄一ソロとなったライブです。

開演ちょっと前に到着、今日はかぶりつきでと、一番前に陣取ったら、大半のお客さんが前の方に座るという、ちょっと珍しい展開。
定刻を5分も過ぎたところで演奏開始。

最初の曲こそ、即興での演奏だったが、次の曲から、スタンダード、ジャスメンオリジナルを中心とした選曲に切り替えてゆく。
Thelonius Monk、Ornette Colemanといった曲から、2ndでは、Astor PiazzollaのLibertango、Eric DolphyのFire Waltzまで披露。
Ornette Colemanの曲はLonely Wonanだったはずだが、途中で、夢は夜開く が紛れ込んでくるあたりが、林節の真骨頂か。
曲の間はさることながら、曲の途中でもこまめにリードの調子を整えながら、最善の音出しにこだわった演奏を聴かせる。
テーマをそこはかとなく提示しつつ、気の向くままに演奏を展開して即興へと雪崩れ込む、そんなスタイルが林栄一らしく、ずりすりと引き込まれていく。

2ndの後半で伝家の宝刀ナーダムを繰り出し、そこが今週のハイライトってな様相か。
しかし、あの曲の破壊力は凄まじいものがあるとあらためて実感する次第。

1stが30分強、2ndが45分くらい、ソロでの演奏であることと年齢を考えたら、充分にたっぷりとした演奏を聴かせてくれたと言えるでしょう。
お客さんは10人を少し欠けるくらい。濃密な演奏を分かち合いました。
平日なので早めに辞してきました。