後藤浩二というピアニストは、日本人のジャズを聴き始めたころに名古屋に良いピアニストがいるということで誰かに教えてもらった記憶があります。
当時の新譜を聴いた記録がありまして(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a4038691.html )
blogのごく初期で、中身薄いですが(恥)
が、タイトルが書いていない(笑) 年代的に"Azul"(https://www.amazon.co.jp/dp/B0008GJZDY/ )だったと思われる。(手放してないはずなので探せば出てくると思う)
この頃から名前は憶えていたが、以降アルバムを買う(聴く)ことはありませんでした。すいません。

本作は、先日のライブ(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/473425622.html )のときに江藤さんが、持ってきていたのを購入しました。
メンツは、以下の通り。加藤雅史のベースは、ライブ、アルバム含め初のようです。よく見ると3人とも「*藤」なんですね(笑)
後藤浩二(P)、江藤良人(Ds)、加藤雅史(B)

2018年10月に行われた名古屋のライブハウス jazz in LOVELY でのライブを収録したもので、CD2枚にたっぷりと演奏が入っています。

後藤のオリジナルが3曲、江藤のオリジナルが2曲に、Joe Henderson, Charlie Haden, Don Cherry, Duke Ellington等々で全部で14曲、なかでもBeatlesが2曲入っているのが特徴的。
DISC1
1 Recorda Me
2 First Song
3 Nostalgia
4 SHIROKO
5 You are My Everything
6 Utakata
7 The Nearness of You
DISC2
1 The Fool on the Hill
2 The Rainy Day
3 Art Deco
4 In a Sentimental Mood
5 Hey Jude
6 This is New
7 La Rencontre

後藤の強めでありながら流麗なタッチで奏でられるピアノ。
速いフレーズも、本人が弾きたいフレーズを淀みなくきっちりと弾ききって聴かせる。
ただ、テクニック偏重なんてことはなく、粗さをものともしないノリの良さ、タメを効かせたしっとりとした表現等々しっかり弾き分けて、表現力の幅の広さを見せ、多彩な表現力と盤石のタッチは、旨さ上手さ巧さを感じさせる。
力強い運指で強めの音を弾き出す、音程もしっかりゴンゴンというが如くのベースがまた素晴らしい。
ノリの良い曲では演奏をグイグイと煽っていくようなドラミング、しっとりとした曲では演奏を包み込んでいくようなドラミングと、打力を微妙にコントロールしながら、緩急織り交ぜ、演奏をきっちり締めている江藤のドラム。
各人の演奏は、個々に聴いていると硬質な部類になると思うが、3者が揃ったところで奏でられる音楽は柔軟な雰囲気を感じさせる、とても心地良いくつろいだ気分に変化。

選曲も、ジャズメンオリジナル、Batles、を含む4ビート8ビートを中心にしたもので、テーマもあまり崩さず演奏しているので、難易度も高くなく、2枚続けて気持ちよく体を揺すって聴ける作品に仕上がっている。

ベストはDisc1の3曲め

"Warm Feelings" the EROS(https://www.amazon.co.jp/dp/B07PQTYD13/ )