坂田明×トリプルエッジのアルバムは、2019年夏に、なんとミスマッチな組み合わせのバンドを作ったもんだと驚いて買いを決めてまして、その紹介は
 "坂田明×トリプルエッジ" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/468530050.html )
冷静に考えると、レーベル主催の藤掛さんがブッキングしたってことなんですかね?
坂田明に坪口昌恭をぶつけてくるという発想は英断というか見事というか意表を突き過ぎているというか。。
そんな初作に引き続いて、Pit Innで行ったライブ音源がリリースされたので、これは買わねばならぬ聴かねばならぬと、買い込んできたもの。
しかし、ライブを演ったのも凄いが、反響が良かったということでしょう、ライブアルバムまで作ってしまうというのがこれまた凄い。

メンツは、前作と変わらず、坂田、坪口に、早川岳晴とレーベル主催の藤掛正隆が入ったカルテット。
坂田明(As,Cl)、坪口昌恭(P,Syn)、早川岳晴(B)、藤掛正隆(Ds)

演奏曲は以下のとおり。クレジットの記載はないが、全部即興ということで大丈夫と思います。
1. Triple Edged Due
2. In Seven
3. Yansa-Yoiyasa
4. Botchan Dongri
5. Rolschach Suite 2019
6. Nyudo Seikyo

坂田のサックスと藤掛のドラムのもの凄さに圧倒されるってのが第一印象。
さらに、怒涛のドラムにベースの低音が乗ることで、ど迫力のリズム、グループが鳴り響く。
坪口のピアノが冷静に絡んでいくが、耳はパワフルなサックスとドラムに持ってかれてる場面が大半か。
2曲め、5曲めとか生ピでなくとシンセサイザーを多用している曲ではバランス的には対峙できてるような気がしている。
半分くらいの曲で、坂田の語りがフィーチャーされているが、これがまた面白くて、意味があるような無いような言葉をドスの効いた声音で捲し立てられると、異様な説得力というか聴かせる力を持っていて侮れない。
4曲めは「どんぐりころころ」を講談どころでない迫力で語り尽くす。そう来たか!って感じ。
前作でも書いているが、坂田、坪口という合わなそうな両者の組み合わせだが、このライブのほうがしっくりきているようにも感じられるのは、何度かの共演でそれぞれの立ち位置を明確にしていったからか。
それが生ピを弾く比率を上げてバッキング的な役割を担う場面が多いということからもしれないし、あるいは坂田の語りに重きを置いた曲が多めってのにあるのかもしれない。
4曲め、6曲めでは、坪口のボコーダーと坂田の語り、サックスとの掛け合いがあるが、個人的にはここが坪口を起用した最大のおもしろさだと思っている。

ベストは、6曲めにしましょう。

"Live At Pit Inn" 坂田明×トリプルエッジ (https://www.amazon.co.jp/dp/B08J4P5HP5/ )