松丸契の絡んでいるプロジェクトはいくつかあって、
 m°Fe は、2月にアルバムがでるらしい
 THINKKAISM は、2019年にアルバムが出ています。 https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/470849815.html
 SMTK https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/475485933.html は、石若のプロジェクト
と、これまではユニットの名称でのアルバムが続いたが、ようやく個人名義のアルバムがリリースされました。

メンツは、Boys Trio(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64034776.html )をリズム隊に迎えたカルテット。
言い換えると、THINKKAISMを1人ドラムにしたものとも言える。
松丸 契(As,Ss)、石井 彰(P)、金澤英明(B)、石若 駿(Ds)

演奏曲は以下の通り。松丸5曲、石若2曲、金澤1曲のオリジナルに、Interludeは即興なんでしょう。
01 harim tok (for West Papua)
02 ignorance is bliss
03 虫籠と少年
04 interlude
05 it say, no se
06 霧雨
07 夏は短い
08 interlude
09 暮色の宴
10 when we meet again

濁りのあるサックスが第一声。
これで、アルバムのおおよその傾向がわかるというか、難解なんだろうなとは感じられる。
ビート感のないスピリチュアルな気配濃厚なサウンドが大半を占める。
松丸のサックスの神経を尖らせ、慎重にコントロールされた音色、フレーズが空間を切り裂くように響く。
一聴、とっつきの悪い曲調に、訥々とした演奏もあるので、少々理解しにくい部分もあると思うが(自分も似たようなもん)、
回数重ねて聴くことでその真価深化具合が垣間見えてくるような印象。
Boys Trioの面々が、磐石のコンビネーションで松丸の音世界をバックアップする
曲の雰囲気に追従もし先導もするような変幻自在のドラミングのもの凄さ
なんだかんだで石若はやっぱり凄いと思わされる。
4曲め8曲めがサックスとのデュオで、これがまた程よいドライブ感と緊張感で聴き応えあり。
ピアノはほぼバッキングに徹するがそれでも存在感に揺るぎのないもので(当然だが)侮れない存在。
聴けば聴くほどに、なんだかわからないけど凄いと感じてくるようなアルバム。

ベストは3曲めにしましょう。

"Nothing Unspoken Under The Sun" 松丸契 (https://www.amazon.co.jp/dp/B08KHRNJ1C/ )