コロナ禍で、入手困難だったりそこまで手が回らなかったりでこれまであまり聴けていない邦人ジャズを集中的に聴かせてもらう機会を得ました。
これから散発的にちょっと古い日本人のジャズの紹介が紛れ込む予定です。

本作は、生活向上委員会大管弦楽団(https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a8022528.html )が解散した直後の1982年に録音されたもので、ピアニストにMal Waldronが入っているのが異色。

メンツは、生活向上委員会にも参加している早川岳晴, 菊地隆を擁したカルテット。
梅津和時(As,Bcl)、Mal Waldron(P)、早川岳晴(B)、菊地隆(Ds)

演奏曲は、こちらもちょっと異色の4ビート曲が並ぶ。
1 I Should Care
2 Lonely Nights
3 Hole In Stomach Woman
4 Circular Line
5 Round Midnight

Mal Waldronが入ったカルテットってことで、梅津にしては珍しい(と言っても良いと思う)スローテンポを含んだオーソドックスな4ビートジャズが並ぶ。
そのMal Waldronのソロから始まる1曲め。このMal Waldronの演奏がなんとも素晴らしい。
梅津は、スローテンポでも演歌感のある泣きのフレーズには陥らず、梅津の個性はしっかり発揮しながらジャズの語法の範疇での演奏に終始する。
逆に3曲めのテンポ早めの曲では、梅津節爆裂的な演奏に逆に安心感すら感じてしまう。
ワンホーンだからというより、特別ゲストだからってのが主な理由になると思うが、Mal Waldronが前面に出てくる場面は当然の如く多い。
そんなMal Waldronのリリカルなピアノでのバッキングも素晴らしいし、早川のゴリッとしたベースが演奏を締めているさまも盤石なもの。
Mal Waldronが入るという異色の組み合わせではあるが、個性的ではあるがキワモノ感なく、しっくりと楽しめる演奏ではあると思います。

ベストは5曲めにします。

梅津和時 "Another Step" (https://www.amazon.co.jp/dp/B000UVECVC/ )