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大友良英スペシャルビッグバンドというと、"あまちゃん"のバンドってことになると思うが、ドラマが2013年らしいので、約10年間も活動が続いているということで、これは凄いことだと思います。
以前ライブ盤が出たときには食指が動いたのですが、これまでこのバンドの演奏をしっかり聴いたことは残念ながらありません
 "Live At Shinjuku Pit Inn" (https://www.amazon.co.jp/dp/B018XB6T6G/ )
この盤も聴かせてもらってます。

メンツは、バンドのレギュラーメンバーにゲストが複数人参加する豪華なもの。
大友良英(G:, Turntable:1, banjo:9)
江藤直子(P)、近藤達郎(Org)
齋藤寛(Fl)、井上梨江(Cl)、鈴木広志(Sax)、江川良子(Sax)、東涼太(Sax)
佐藤秀徳(Tp)、今込治(Tb)、木村仁哉(Tuba)、大口俊輔(Accordion)
かわいしのぶ(B)、小林武文(Ds)、イトケン(Ds:1,3,5,6,8)
上原なな江(Marimba, Per)、相川瞳(Per)、Sachiko M(Sine waves)
Guest
Chris Pitsiokos(As:1,8)、類家心平(Tp:3,8)、吉田野乃子(As:3,8)
Wukir Suryadi(self-built instruments:8)、Yuen Cheewai(Electronics:6,9,Gamelan:6,G:9)、Ryu Hankil(Electronics:6,9)
Rully Shabara(Voice:8)、Yan Jun(Voice:6,9)、Dj Sniff (DJ:9)、Kahimi Karie(Voice:9)、Niki(Voice:9)

演奏曲は以下の通り。詳細は確認できていないが、オリジナルに有名曲が複数入っているということで良いと思います。
1.Stone Stone Stone
2.悲しくてやりきれない Kanashikute Yarikirenai
3.Music for Kinue Hitomi
4.孤独の歳月 Annees de solitude
5.Song for Che ~ Reducing Agent
6.GINGA
7.Music for Taiji Tonoyama
8.Gallophy
9.Hong Kong Hong Kong Hong Kong

聴いた雰囲気も、遠からずの第一印象で、和製(中央瀬沿線)ビッグバンドという意味でも、渋さとの対比をせざるを得ない気分。
大人数の管楽器によるユニゾンて奏でるテーマに、絶叫系のフリーキーなサウンドを絡めてくるような、
渋さ知らず的な迫力あるサウンドがおおよそ基本となるが、イントロにアコーディオンをフィーチャーしたり、ディストーションかかりまくりのギターが入ったり、エレクトロニクスな音が入ったりと、いろいろ変化球をつけてくるのが楽しいところ。
とはいえ、なんだかんだで、大友のギターが美麗的にも粗荒的にも凄い存在感を放っていて聴きどころはここに集約されるんだろうなという感じはあるか
こっちの方が、フロントがきっちりとした演奏をしようとする意識が高めで、対比するとベースドラムのリズム陣がガッツリと勢いをつけていくような展開で、全体に整った印象
あっちは、フロントもリズムも、一切合切荒々しく勢いつけて突っ走るような感じの印象で、良くも悪くも粗さのあるサウンドと言った印象。
どっちが良いとか悪いとかでなく、きっちりした演奏を好むか、勢いのあるエキサイトな演奏を好むかってだけではあるが。
5曲めの名曲は、暴力的なギターイントロからカオスな後半へという展開展開、なかなか味がある
6曲めと9曲めが、これはクレジットを見ればわかる通り電子音を多用して、フリージャズにエレクトロニカを混ぜ込んだようなさらに多彩な変化球で、これがなかなかうまい具合にはまっていて良い
と感じる。

ベストは3曲めにしましょう

"Stone Stone Stone" 大友良英スペシャルビッグバンド (https://www.amazon.co.jp/dp/B0B6L9GJX4/ )