日本のジャズを聴け     (和ジャズBlog)

最近の日本のジャズは、もの凄く面白い!! もっともっともっと聴いて欲しいので、たくさん紹介します。

"Nameless Piano" 栗林すみれ

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栗林すみれさんのリーダー作を聴く(というか紹介する)のはこれが2作め。
過去に2021年の下記作を聴いていますが、これはほぼ石若目当てでありました。
 "Live At Dede Studio Tokyo" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/483815668.html )
本作は、図書館にあるのを見つけて借りてきたもので、そういう意味では、あまり良い聴き手ではありません。
が、ライブでは過去に2回生演奏を聴いています。
 "20231208" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/501701858.html )
 "20240719" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/504069383.html )

本作は2020年にリリースされたソロ作。
栗林すみれ(P)

演奏曲は、栗林すみれのオリジナルがインプロ含め3曲(1,6,7)。
他は、Jesse Van Ruller(2),Esbjorn Svensson(3),Giovanni Paisiello(4),Sammy Fine(5),Giovanni Scasciamacchina(8),,Jimmy McHugh(9),Richard Rodgers(10)
と、イタリアオペラ、ミュージカルからの曲も含め様々な人の曲を持ってきて全部で10曲。
1.Nameless Piano
2.Cow Daisy
3.Believe, Beleft, Below
4.Nel col piu non mi sento
5.I'll Be Seeing You
6.Improvisation "Colored Woods"(inspired by Kaii Higashiyama)
7.Improvisation "Piangere
8.Ship
9.A Lovely Way To Spend An Evening
10.Edelweiss

1曲めが軽やかな疾走感の演奏で、2曲めはキースを彷彿とさせる場面も。
アルバム前半はノリやすいテンポ感のある演奏を並べていて、後半はテンポをキープするよりタメを重視して曲の情感を意識したような演奏。
インプロ曲が2つ間に挟まるが、これらも煌びやかな美しさを感じさせるような演奏で素晴らしい。
全体的に、曲の美しさを前面に押し出していくような演奏ではあるが、
ソロピアノなので自在に音の雰囲気を変えていけるはずだが、アグレッシブな展開に持っていく場面は一切なく。
そういう意味では、自身のアイデンティティを美麗な演奏に振り切ったような感じ
それが故に、美麗曲の美麗さをたっぷりしっかり見せつけてくれ、曲によりフレーズを唄う場面がありその相乗効果も見事
最後の曲がエーデルワイス、旋律を慈しむように、丁寧にゆったりと奏でて締めくくられる

ベストは6曲めにしましょう

"Nameless Piano" 栗林すみれ (https://www.amazon.co.jp/dp/B083XYRFF5/ )

"TrioII: 2" Marty Holoubek

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オーストラリア出身で現在は活動の拠点を東京においているMarty Holoubekの3作めのリーダーアルバム。
リーダーアルバムは2つのトリオでそれぞれ1作ずつ出ており、
Trio Iは、James Bowers, 石若駿とのピアノトリオ
 "Trio I" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/474534583.html )
Trio IIは、井上銘, 石若駿
 "TrioII" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/489133827.html )
本作は、Trio IIのほうの新作で、タイトルはそういう意味では実にシンプルw
参加作も多く、大半は石若関連のアルバムのようだが、自blogでも多数紹介している。
David Bryantのリーダー作
"Higher Intelligence" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/493406902.html )
 "COAT OF ARMS" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/502479781.html )
栗林すみれのリーダー作
 "Live At Dede Studio Tokyo" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/483815668.html )

メンツはTrio IIの不変的メンバーということで以下の通り
Marty Holoubek(B)、井上銘(G)、石若駿(Ds)

演奏曲は、Marty Holoubekが4曲、石若駿が3曲のオリジナルで全部で7曲。
1.Omaru
2.Uncle Izu
3.Shizuru
4.Maritta
5.Campfire
6.Beki
7.Misery Likes Company

16ビート多めの非4ビート曲が大半を占める。
さすがにベーシストがリーダーなだけに、普通のギタートリオとは異なりフロントをギターとベースが半々くらいに担っている。
4曲めだけがスローテンポの曲で、この曲は、冒頭ギターが前面に出て印象的なイントロからテーマを聴かせ、その直後にエモーショナルなベースソロになだれ込むところが萌える
さらに最後の曲では口笛が入るが、これは誰が吹いているのか..
Marty Holoubekはエレベだけを使っていると思うが、フロントでのソロでもバッキングでもメロディアスで速いフレーズをこれでもかと繰り出してくる
さすがにリーダーらしく、派手な振る舞い多めだが、これが実に格好良い
井上銘のギターは、オーソドックスなプレイから、粗い音、速いフレーズを駆使したサウンドまで、バックに回ってもフロントを食わない程度のところで自己主張をしっかり見せてくる
そして、複雑なパターンで強力な推進力わ発揮する石若のドラムは、ここでも絶大なパワーを発散しまくっている

ベストは 2曲めにしましょう

"TrioII: 2" Marty Holoubek (https://www.amazon.co.jp/dp/B0D9BDMSHR/ )

"Progress" 世田谷トリオ

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世田谷トリオの2枚めのアルバムで、1枚めは2018年にリリースされています。
 "Introducing Setagaya Trio" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64491031.html )
実際には、公式Bootlegなんてものも出ていて、その紹介が下記
 "Live Bootleg Vol.1" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64637096.html )
 "Live Bootleg Vol.2" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64637103.html )
この後ももしかしたら出ているのかもしれません。
ライブもちょこちょこ見てはいたんですが、CDを買うためにライブに行ってるというところもなきにしもあらず..。
 "20160908" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63849052.html )
 "20181011" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64627120.html )
 "20240817" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/504419469.html )
本作も直近のライブに赴いた際に入手したものです。

上記の通り活動期間が10年になろうかというもので、これだけ続いているのも実は珍しいと思う。そのメンツは不変。
高橋佑成(P)、岩見継吾(B)、吉良創太(Ds)

演奏曲は、Joseeph Lacalle, Paul Motian, Thelonius Monkに、高橋佑成4曲, 岩見継吾1曲, 共作2曲で全部で10曲。
01 Omrai
02 Metsa
03 Hako
04 Amapola
05 Skip Song
06 K.O.G.S.
07 Setado Funk
08 Jarvi
09 Bird Song
10 Thelonius

高橋のエモーショナルな美しさと、アヴァンギャルドさとを併せ持った演奏に、個人的にかなり惹かれているピアノ
少しハネるように強いピチカート、ゴリゴリのアルコ弾き、を縦横無尽に駆使して演奏を煽ってくる岩見のベース
強力な煽りから爆発的な打数で攻め倒してくるこの勢いにピアノもベースも追従したりしなかったり
これは実際にライブで目の当たりにしたほうが間違いなくおもしろい
曲自体も高橋の多彩なスタイルをしっかり出し切れるような多種多様なものが並んでおり、3曲めのしっとりと美麗なものから、5曲めのフリー濃度濃いめの曲、8曲めのゆったりとしたワルツな曲、9曲めの訥々とした曲。
いずれも聴きどころがたっぷりあると感じられ、満足度は高い。

ベストは 5曲めでしょう

"Answer to Remember II" Answer to Remember

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石若駿がリーダーを務めるAnswer to Rememberの2作めがリリースされました。
前作は2020年にリリースされた下記。
 "Answer to Remember" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/473155803.html )
しかし、相変わらず石若駿は主役脇役問わず、ジャズ非ジャズ問わず多彩な活動を続けています。
このバンドも1回だけかと思ってたんですが、2作めが出るってんで「へぇ」と思ってしまいました。

メンツは以下の通り。前作同様に若手、中堅にあたる面々を多く起用した布陣で、さらに曲ごとにゲストも入っているよう。ジャケの記載が面倒なんで細かくは確認してません。なもんで前作の紹介では割愛してたんですが..。
石若駿(Ds)、佐瀬悠輔(Tp)、MELRAW(As,G)、中島朱葉(As)、馬場智章(Ts)、若井優也(P,Key)、海堀弘太(P,Key)、Marty Holoubek(B)、Taikimen(Per)
KID FRESINO、HIMI、甲田まひる、ermhoi、Jua、Tomoki Sanders、KARAI、井上銘、閑喜弦介、二階堂貴文

演奏曲は下記14曲。ジャケでは曲ごとにフォントを変えててなんか意味があるのかもしれないが、全部石若のオリジナル。
1.ATR Theme
2.札幌沖縄
3.NEW POWER
4.Christmas Song II
5.KIMOCHIS
6.KWBR Kuwabara
7.Only Memory
8.Blue Jeans
9.Bim Bottle Circle
10.ONUSHIX
11.SKA ATR No.1
12.(つづく)
13.SEYA
14.KWBR Reprise

前作の記事で、SongBookシリーズが陰で、こちらが陽という位置付けというインタビュー記事を紹介しているが、そういう意味では本作もだいぶ陰の要素が強く出てきているような印象
石若が好んで多用している、固有のフレーズ、音使い、節回し、音の景色がふんだんに現れ、SongBookシリーズを聴いているのかと錯覚するくらいに感じられる場面すらあるような感じ。
当然のように、ボーカルはもとよりラップもボコーダーを使った変声も普通に起用せれているのは、時代の為せる技
これは、おっさんがとやかくいうフェーズはとっくに過ぎているのでノーコメントに徹することにします
石若節多めではあるがいろんな要素が詰め込まれているので、ベストトラックをどの側面で決めるか悩みどころではありますが、(いつも通り)深く考えずに…

ベストは4曲めにしましょう

"Answer to Remember II" Answer to Remember (https://www.amazon.co.jp/dp/B0D8VH4GZ8/ )

藤原大輔,市野元彦,大村恒(20241026)

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藤原大輔のトリオによるアメリカーナを演奏するライブは、おおよそ3か月毎に行われているはずで、これが7回めになるんだと思います。
その5回はたぶん以下のとおりで、自分は初回からちょうど1回おきにてみていることになります。
 20230121 (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/497217679.html )
 20230422 みれてません
 20230722 (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/500117192.html )
 20231104 みれてません
 20240330 (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/502838550.html )
 20240712 みれてません

このバンドのメンツは不変の以下の通り
藤原大輔(Ts)、市野元彦(G)、大村亘(Ds,Tabla)

配置は、左奥にドラムセット、その手前にタブラを置いて大村、さらにその手前に横向きに市野、右奥に藤原が立つ。
定刻を少し過ぎたところで開演。
前回は、藤原がエフェクト類を持ち込んで音作りをしながらの演奏だったが、今回は何も持ち込まずストレートなサウンドでの演奏。
市野が音楽監督的な立ち位置であることはこれまで聴いた時とおおむね同じ印象だが、イントロで曲の骨格を提示したあと、バックでの全体を破綻させない演奏と個性を魅せるソロと見事に聴かせる。
藤原のサックスは、過去少し感じられた主旋律を追うことに重点を置いているような印象もだいぶなくなり、テーマは元曲を尊重するように演奏するが、そこからシームレスにソロに移行するところは曲を自身のものにしてきているが故なんでしょう。
後半数局ではフルートを使っていたが、いずれもていねいに紡いでいくような味わい深い音色がとても沁みる。
大村の繊細かつ多彩にリズムを作り出していくようなドラムと、微細な指使いによる繊細なタブラ(後半で2曲程度使用)とが、このバンドのアメリカーナの独特な雰囲気つくりによく作用している
選んでいる曲はおおよそ固まってきているように思えるが、Full Metal Jacketの挿入曲Hello Vietnamが、このバンドのテーマ曲的に存在し、Ry Cooder, Bob Dylan, Charlie Haden、はては'50, '60頃のカントリーに属するような曲を選んでいる。
ただし、曲によってはアレンジが入って、前回とは雰囲気の異なる演奏もあったはず。

直前の藤原のXでのコメントに「回を重ねて自由になってきました。」とあったが、たしかに回を追うごとに曲がバンドのものになってきているのは如実に感じられ、元曲の心地よさとジャズな心地よさとが混然一体と押し寄せてくる。

お客さんは10人程度。1st setが50分くらい、2ndは60分くらいで、さらにアンコールにも応えてくれ、今回も大満足のライブでありました。
次回は3月に決まったそうですが、その前に北本団地「中庭」でライブがあるようです。

"Totem" Rs5pb

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自衛隊出身の類家心平がリーダーを務めるRs5pbの、これが3枚めのアルバム。
1stアルバムは、約8年前にユニット名がタイトルになったアルバムが出ています。
 "UNDA" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63739147.html )
2ndアルバムは、約4年前の下記作。
 "RS5pb" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/474534657.html )
RS5pbとしては4年に1枚のペースでのリリースとなるが、もう少し頻度高くアルバムを出しても良いような気もする
類家心平の個人としての活動は、昨今はデュオが多いようで、自blogを漁ると、中嶋錠二との
 "Duo" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/490034908.html )
山田貴子との
 "Live in Kyoto" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/495215233.html )
が近作として出てくる。

メンツは、1stアルバムから同じで、2ndアルバムではゲストが入っていたが、こちらは1stアルバム同様ゲストなしの布陣になっています。
類家心平(Tp)、田中TAK拓也(G)、中嶋錠二(P,Key)、鉄井孝司(B)、吉岡大輔(Ds)

演奏曲はすべて類家のオリジナル
1. TOTEM
2. Godot
3. The Melancholy of Flying Fish
4. SHIZUKANO UMI
5. Augustus
6. The Land
7. Ambergris
8. AXEMEN
9. Es-2
10. Dear

類家の怖いものなど何もないと言わんばかりに力を漲らせ、太々しく朗々と響かせるトランペット。
これがなんといっても最大の聴きどころでしょう
このサウンドを聴いているだけでその説得力にヤられる感じが強い
次に、場の雰囲気を一変させる力を持ったサウンドが田中のギターで、彼がディストーションをかけた派手なフレーズでのソロになると、一気にロックな雰囲気に染まり切るのが実に見事
ピアノの中嶋、ペースの鉄井、ドラムの吉岡。この3人が曲調に合わせて自在に変化させてゆくサウンド表現が変幻自在で、これが曲に勢いを増している原動力。
とくに、このピアノあってのこの表現力ではないかと感じられたが..
その曲調は、ジャズを基調にした迫力あるハードなサウンドで、クールな雰囲気とアバンギャルドな雰囲気とをあわせ持ったようなサウンド
これがなんとも格好良い。

ベストは3曲めでしょう

"Totem" Rs5pb (https://www.amazon.co.jp/dp/B0D5LZ1BHF/ )

eFreydut(20241011)

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eFreydutは、本年4月頃にNYで録音したアルバムが出ています。
 "Fairway" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/502983330.html )
このアルバムのレコ発ライブを、ベーシストに三嶋大輝を迎えて行っています。
今回、その一環(というわけではないと本人は言ってましたが)としてのライブが、いつものお店であるってんでいそいそと出かけてきました。

eFreydutのメンツは
永武幹子(P)、大村亘(Ds,Tabla)、三嶋大輝(B)

舞台は、左端手前に、三嶋のベース、その後ろに定位置から引っ張り出されたピアノ。
ピアノの定位置にドラムセット、その手前にタブらという配置。
お店に着いたのは開店直後くらいで、リハーサル終了直後のようでした。
定刻を少し過ぎたところで、演奏スタート。
今回の選曲は、アルバムからの曲が半分、新曲が半分、1曲を除いてすべて永武 or 大村のオリジナル。
最初に曲紹介をしたあとは、数曲続けて演奏するという進行で、これは「難曲揃いで、演奏の集中力を削ぎたくないから(意訳)」とのことで、それだけ難曲揃いの選曲であるという証。
ただ、聴いているだけだと流暢に流れるようなフレーズが非常に心地良い演奏、たしかに拍は単純ではないのは判るのだが..。
曲は、アルバムの曲も新曲もノリの良い曲が多めで、しっとりめの曲は1曲くらいだったと思うが、それもいくぶんかは熱気を孕んだ演奏。
永武のピアノは、アルバムでも感じた通り、これまで多く聴いていたような演奏とは少し雰囲気が異なるような印象で、それがフリー濃度が希薄だからか、よりエモーショナルな演奏に振っているからなのか..。
興が乗ると首を上下に振り、キメでは首を左右に振り両者に合図を送る。
三嶋も2人の音をしっかり聞き取りながらの渾身の演奏、ソロではベースを抱えるように背を丸めての演奏が印象的。
そんな両者をがっちりサポートしつつ、しっかり煽るところはしっかり煽ってくるのが大村のドラム&タブラ。
とくにタブラが素晴らしい。

たしか、前半5曲で50分くらい、後半も5曲で55分くらいに、アンコールにも応えてくれました。
アンコールは来年米国でリリースされる大村さん参加のアルバム?からの曲を演奏して大団円
満足感たっぷりの演奏を堪能させてもらいました。次回もありそうな気配だったので楽しみに待ちたいと思う。

"Rise in the East" CRCK/LCKS

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CRCK/LCKSは、Saxの小西がリーダーを務める若手の敏腕ジャズミュージシャンが集まって結成したポップバンドという紹介で良いと思います。
本作は、2021年10月のライブ音源を収録したもので、ダイジェスト版は2022年にダウンロード販売されていました。
 "(Digest ver.)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/492782602.html )
全貌版は、2022年夏のツアーの際に会場限定で発売されていたが、このCDがこの度一般発売されまして、ダブるのを承知で購入してきたもの。
CRCK/LCKSのアルバムは2016年からこれまでに5作リリースされていてその紹介文は以下の通り。
 "CRCK/LCKS" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63750539.html )
 "Lighter" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64210000.html )
 "Double Rift" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64572120.html )
 "Temporary" (http://jazz-to-audio.seesaa.net/article/472752629.html )
 "Temporary vol.2" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/473385838.html )

メンツは、このとき表明していた脱退を撤回した井上銘を含む現在は安定している以下の5人
小田朋美(Vo,Key)、小西遼(Sax)、井上銘(G)、越智俊介(B)、石若駿(Ds)

演奏曲は以下のとおり、ダイジェスト版より8曲も多い!
01.Goodbye Girl
02.パパパ”!
03.O.K.
04.窓
05.Kiss
06.エメラルド
07.IDFC
08.ひかるまち
09.たとえ・ばさ
10.Lalala
11.Get Lighter
12.No Goodbye
13.Skit
14.ながいよる

さすがにライブらしい勢いのある演奏が気持ち良い。
ちょっとクセのある、難易度高そうな楽曲をアルバムの演奏と遜色なく再現し聴かせるのは実力者揃いのバンドであることを見せつける。
ジャンルとしてはポップスになるはずなので、演奏が主体になる場面は非常に少ないが、それでもこれだけのメンツなので、演奏を中心に楽しんでも充分に満足できる
5曲めでの井上のバッキングとリフのキレの良さ格好良さ。
いろんな曲でたっぷりと格好良く弾きまくっているので井上を聴くだけでも満足度はかなり高い
1曲めのキレキレのソロも良いが7曲めのゴリッとしたリフも良い味出してる小西のサックス。
ところどころフルートも吹いている。
全編にわたってグルーヴ感たっぷりの越智のベースもどこを切っても格好良い演奏を聴かせている。
9曲めでは高音基調の短いソロを披露。
さまざまな音色で、華やかなリフをいろいろ聴かせている小田のエレピ。
9曲めのイントロのしっとりとした演奏の味わいが素晴らしい。
10曲めのイントロが石若のソロ然としていて重厚なビートをたっぷりと堪能することができる
井上の復帰宣言は、 2曲めで「戻ってきました」と、最後に二言三言会話が聞こえる
このアルバムのサウンドから井上がいなくなった時の音を想像するとかなり物足りないものになる気がするので、継続参加してくれて、聴く側としてもとっても安堵している

ベストは4曲め

"Rise in the East" CRCK/LCKS (https://www.amazon.co.jp/dp/B0D47ZSD9L/ )

"Will II" 若井優也

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若井優也のリーダー作を聴くのはこれが3枚め
過去作の粗油会は以下の通り。
 "Will" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/480584314.html )
 "Poem" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/499736957.html )
いずれもメンツは同一だが、1枚めは本作の第1弾にあたるもの。
本作がその第2弾と判別できるタイトルにも関わらず、2枚めは別タイトルで出しているところが、あらためて並べてみると不可解。
邪推してみると、発売レーベルがすべて異なっていることが、なんらか影響しているのかもしれない。
ちなみに、初作がBody &Soul、次作がDays of Delight、本作がDede Recordsとなっている。

メンツは上述の通り不変で下記のとおり。
若井優也(P)、楠井五月(B)、石若駿(Ds)

演奏曲は、クレジットは書かれていなかったが、すべて若井のオリジナルでしょう。
1.For Heaven's Sake
2.Waltz #14
4.Hedera
5.Immortal Jellyfish
6.Will: Part 1
7.Waltz #13
8.Turn Out The Stars
9.Old FriendsII
10.M.O.B.

冒頭がラテン調のリズムで、ちょっと意表をついてくる
以降の曲は、4ビートを含むモーダルな不思議な旋律の曲を含むが全体としては比較的オーソドックスな曲調が並ぶ
若井のピアノは、単音主体左手も同時に弾くのは指2本くらいの音数に抑えて、空間をとった音作りの場面が大半。
そこに楠井のベースが低音のバックアップをしてくるが、こちらも空間を広くとったような展開をみせる。
両者が空けた空間に、石若のドラムが自由度は高いがドライブ感がしっかりと感じられる、石若らしいドラミングで埋めていく
8曲めでエバンスの愛奏曲が出てくるが、テーマこそピアノがしっかりと弾き切るが、聴きどころはドラムソロにあるような気がする
そんな感じなので、若井のリーダー作ではあるが、石若を聴くためのアルバムのような印象を持ったのでありました。

ベストは2曲めにしましょう。

"Will II" 若井優也 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0D4QTJS3R/ )

"Viento" 山口真文

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山口真文さんは、自身のhp(https://mabumi.com/ )のプロファイルをみると、1970年頃から活動を開始した人ですが、自分の琴線にはこれまで一切引っかかってこなかった人。
先日、いつものお店でライブがあり名前を認知した次第。
そのライブには赴いていませんが名前はしっかり憶えまして、あるタイミングで図書館にあるのを見つけて借りてきて聴いたのが、先日紹介の2022年の下記作。
 "Trinity" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/503512214.html )
本作は現行最新作である2023年のアルバムですが、これも聴かせていただいています。

メンツは前作のベース、ドラムはそのままに、ピアノの片倉さんを追加したカルテット。
片倉さんのリーダー作は10年以上前に1枚だけ聴いています。
 "Faith" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a60259969.html )
山口真文(Ss)、片倉真由子(P)、小牧良平(B)、本田珠也(Ds)

演奏曲は前作とはうって変わってすべて山口さんのオリジナルで全部で8曲。
1. Sequel to a Dream
2. Evening
3. Let Your Mind Alone
4. Thalia
5. True Face
6. Viento
7. Empty Mirror
8. 遠い約束(Toi Yakusoku)

本作では、山口はソプラノだけを吹いている。
朗々と吹き鳴らしている堂々とした佇まいという山口のサックスの印象はそのまま気持ち良いサウンドがフロントを担う。
その山口をバックアップする3人の演奏が凄みのある4ビートの迫力が演奏全体の気迫をより増長しているような感じ。
律儀にチンチキと4ビートを繰り出していながら、おかずでの煽りがドスを効かせる珠也のドラム。
粒立ちのある音離れの良い演奏が美麗なれど躍動感を感じさせる片倉のピアノ
小牧のベースは盤石なペースメーカーを担う。
曲としては、心地良さを感じるくらいの均整の取れたものではあるが、出てくるサウンドは、冷静さと熱気とを同時に孕んだような緊張感溢れるもので
6曲めのラテン調リズムでも8曲めのバラードでも癒し感というよりも緊張感をより感じるような様相。
聴いてて疲れるとは言わないが、聴いていると背筋が伸びて来るような硬派なサウンドではあると思う。

ベストは4曲めにしましょう

"Viento" 山口真文 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0CMPP9HH8/ )
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