日本のジャズを聴け     (和ジャズBlog)

最近の日本のジャズは、もの凄く面白い!! もっともっともっと聴いて欲しいので、たくさん紹介します。

"Coast To Coast" Native Son

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Native Sonというと本田竹曠のFusion Bandで、1970〜1980年代に活動していたバンドという認識。
当時は、欧米ジャズも日本のジャズもFusionが流行っていた時期だったのは周知のことで、多くのジャズミュージシャンがFusionかそれに近いサウンドを演奏していました。
ジャズ聴き始めの頃いろいろなジャズ周辺の音楽を聴いていると、このあたりのFusionもいくつか耳に入ってきていたが、完全に個人的嗜好ではあるが、日本のFusionは肌に合わないものが多数ありその後ほとんど聴かなくなってしまいました。
そのため自Blogで、日本のジャズを多く紹介していますがこの頃の日本のFusionはほぼ皆無ということになっています。
Native Sonの結成は1979年で、本田と峰が中心になって結成。
本作は、1980年にアメリカで行ったライブ音源で3枚めのアルバムのようです。
さるときさるところでかかっていたのを聴かせてもらい、ちょっと気になったのでその場でそのままお借りしてきました。

メンツは以下のとおりで、当時のオリジナルメンバーというのであっていると思う。
Romy Kinoshita(B)、Hiroshi Murakami(Ds)、Motonobu Ohde(G)、Takehiro Honda(P,Kbd)、Kohsuke Mine(Ts,Ss)、Hiroshi Fukumura(Tb)

演奏曲は、デビュー・アルバムとセカンド・アルバムからのヒット曲に各メンバーによる新曲で構成
Disc 1
1.Wind Jammer
2.Coke Screw
3.Sexy Lady
4.Savanna Hot-Line
Disc 2
1.Autumn Dreams
2.Orange Sunshine
3.Racing Around
4.Jay Walk
5.Super Safari

時代が時代なので、いわゆる和のFusionサウンドといって良い、エレピ、エレベ、エレギが入り8ビートの軽快なリズムに乗って爽やかさを感じさせるような心地良いサウンドが基本
ただし、当代ジャスの名手目白押しのメンツなのでソロになれば、その才能を遺憾無く発揮した即興をたっぷりと時間をとってがっちり聴かせてくれるので聴き応えは相当なものがある
そのソロは、福村のトロンボーンがノリの良い安定のフレーズで気持ち良さを上げてくれるようなサウンド。
峰のサックスはハードにテンション上げめのソロでがっつりとした雰囲気を盛り上げてくる。
大出のギターは、ソロの出番が少なめな感じだがポップなフレーズで全体の雰囲気を明るめにしてくれる。
そして、なんだかんだでやっぱり本田のピアノの存在感が際立っている印象。
ノリが良いけどエレガント。
完全なソロの場面はあまり多くない印象だが、バッキングでもしっかりとセンスの良いサウンドを振り撒いていて存在感をみせつけている。

ベストは3曲めにします

"Coast To Coast" Native Son (https://www.amazon.co.jp/dp/B0738X7N26/ )

"The Vibe" 治田七海

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治田七海の2枚めのリーダーアルバムです。
1枚めのアルバムの紹介は下記。タイトルが"II"ですが、これが1枚めでした。
 "II" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/498436443.html )
たしか、このアルバムをリリースしたあとに渡米留学、現在もそのまま米国で活動を続けているはずです。

なので、この2枚めのアルバムのメンツはあちらの方ばかりで以下のとおり。
Rodney Whitaker, Ulysses Owens Jr.とそうそうたる面々を揃えています。
さらに、Michael DeaseとChris Minamiがゲストとしてクレジット。
Michael Deaseは師匠にあたるようです。Chris Minamiは個人的には初聴きです。
Nanami Haruta(Tb)、Xavier Davis(P)、Rodney Whitaker(B)、Ulysses Owens Jr.(Ds)
Guests:
Michael Dease(Tb)、Chris Minami(G:11)

演奏曲は、治田のオリジナルの他に、Renee Rosnes, Gregg Hill, Curtis Fuller, Christian McBride, Michael Dease, Rodney Whitaker, Alex Northの曲で全部で11曲。
1.Girlie's World
2.The Vibe
3.Algonquin
4.Toshi
5.Sister Rosa
6.Easy Money
7.Heartstrings
8.How It Goes
9.Jamerson's Lullaby
10.Woodpecker
11.Unchained Melody

冒頭6/8の可愛らしさを感じさせるテーマを持った曲からスタート
頭から2本のトロンボーンが絡むような展開だが、その音色の違いにちょっと驚く
Michael Deaseのほうがエッジの立ったサックスと勘違いしそうな音色に対し、治田の方が丸みのあるトロンボーンらしい音色といった印象
他の曲を含めて、2本のトロンボーンのアンサンブルとユニゾンとを駆使したテーマが印象的で、このユニゾンがエフェクトをかけて音が2重になっているかと聴き間違えるような見事にシンクロしたユニゾンを聴かせる曲もあり、それがものすごく格好良い
続く2曲めが明るめのノリの良い4ビート、3曲めはマイナー調でありながら豪快でビート感強めな4ビートでこういうのを聴くとジャスメッセンジャーズを思い出すw
以降、4ビートを中心に6/8とかバラードとかを交えた曲が並ぶような曲構成。
治田のトロンボーンは、前述のとおりMichael Deaseと比べてより優しい雰囲気を感じる音色で可愛らしさを感じさせつつ平易に思わせるフレーズを紡いでゆく
このサウンドが中心となるので、全体にメロディアスでたおやかな雰囲気に包まれたアルバムというのが全体の印象
ここに絡む他のメンツでは、Xavier Davisの派手ではないが痒い所に手が届くような合いの手の入れ方が秀逸で侮れないピアノが良い仕事してるなぁと思わせる

ベースがRodney Whitaker、トラムがUlysses Owens Jr.というのも非常に贅沢な起用で、当然だが良い仕事をしてくれている

ベストは8曲めにしましょう
"The Vibe" 治田七海 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0DWDKQB18/ )

"Tokyo Quartet" 井上銘

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井上銘のリーダー作としては、自身が歌唱している下記作以来ということになるか
 "POP MUGIC" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/483148140.html )
複数名義だと魚返とのアルバムが出ている
 "魚返明未&井上銘" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/487809305.html )
あとSTEREO CHAMPというバンドでアルバムが出ているが、これらはすべて未聴。(もう3枚も出ていた)
 "STEREO CHAMP" (https://www.amazon.co.jp/dp/B071RQRTKN/ )
 "MONO LIGHT" (https://www.amazon.co.jp/dp/B07HSKPHJD/ )
 "The Elements" (https://www.amazon.co.jp/dp/B0C789JN2R/ )
他にも参加作は聴いているので久々感という感じはまったく感じられない。

本作のメンツは、自Blogの邦人ジャズアルバムでは登場頻度の高い面々そろい踏みといった様相。
井上銘(G)、David Bryant(P,Kbd)、Marty Holoubek(B)、石若駿(Ds)

演奏曲は、井上が8曲, Marty Holoubekが2曲(6,10)のオリジナルで全部で10曲。
1.Royal Brunei
2.Darn That Stream
3.New Dance
4.Slumber
5.Gmaj in Tojiya
6.Leftover Luxury
7.cielo
8.Cafe Demeure
9.River Moods
10.Are You Full?

16ビートや8ビートを軸にした、ロックテイスト、あるいはフュージョン寄りのノリ。
今回の選曲はそんな雰囲気が色濃く漂っている。
石若駿のビートはズッシリと重厚でありながら、全体のサウンドは驚くほど軽やか。
その絶妙なバランス感が、バンド全体の色を決定づけている印象。
特に、David BryantとMarty Holoubekが電気楽器を使う曲では、さらにその「軽やかさ」がきわ立つ。
これはもう楽器のキャラクターの成せる業でしょう。
David Bryantはアコースティックピアノとエレピを半々くらいで使い分け、Marty Holoubekもアコースティックベースとエレキベースを絶妙なバランスで行き来。
それぞれの音色が曲ごとの表情を大きく変えてゆく。
そして井上のギター。
曲によってフレーズの粗さや美しさにニュアンスの差こそあるものの、基本的なスタイルは一貫。
ガッチリとしたハードなサウンドを叩きつけ、特にテンポ速めのソロでは、その格好良さと疾走感がたまらない。
石若の独特な「かかかっ」と刻むビートは、もはや彼の真骨頂。
抜群の安定感と個性を両立させたドラミングに、否応なく惹き込まれていく。
きっと誰もが納得するはずクオリティに仕上がっているはず。

ベストは2曲めにしましょう。

"Tokyo Quartet" 井上銘 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0DTP92ZGW/ )

"Live Life This Day: Celebrating Thad Jones" Miho Hazama

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挾間美帆の新作は、主席指揮者を務めるDanish Radio Big Bandとデンマーク国立交響楽団が共演する超大所帯による、Thad Jonesに敬意を表することをテーマにした作品。

前作も、今作と同様にDanish Radio Big Bandとデンマーク国立交響楽団との演奏による企画作品といってよいものでした。
 "Babylon Hotel" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/504299684.html )
なので、挾間の作品というよりは、デンマーク国の作品というような印象を持たせるもの。
挾間の作品といえる最近作は2023年の下記作ということになるんでしょう。
 "Beyond Orbits" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/501182905.html )
個人的には、この挾間の作品の次作を心待ちしたいところ。

メンツは割愛するが、上述のとおりに超大所帯といえる編成での作品になっています。
Miho Hazama(Cond)
Danish National Symphony Orchestra
Danish Radio Big Band

演奏曲はThad Jonesの曲に挾間の曲(4,5)を2曲加えた以下の7曲。
1.My Centennial
2.Mornin’ Reverend
3.A Child Is Born
4.Live Life This Day: Movement I
5.Live Life This Day: Movement II
6.Live Life This Day: Movement III
7.The Farewell

管楽器のパルシブなサウンドと弦楽器の優雅な継続音の響きという対比、さらにそこに乗っかる管楽器、ピアノなどのソロイストのサウンド。
この3者が織りなす優雅でゴージャスなサウンドな音模様の見事さに感嘆させられる
ノリが良かったりアグレッシブだったりするサウンドとがそれぞれ登場もするが、同時に同居もしているようなサウンドがあったり、その展開の妙もこれまた楽しい
おそらく、ジャズとクラシックと多くのジャンルのたくさんのメンバーを起用した中で、挾間カラーを出しつつ全体をしっかりまとめ上げるのは相当な力量が要ると思うが、その力量のとんでもなさをひしひしと感じさせる。
過去の演奏歴を踏まえるという意味での技術面と、大枠のジャンルがジャズになるという前提での特有のグルーヴ感とを体現させる大作に仕上がっていると感じられる、凄い演奏。

ベストは4曲めでしょう

"Live Life This Day: Celebrating Thad Jones" Miho Hazama (https://www.amazon.co.jp/dp/B0DPYGR113 )

"Time Is On Our Side" BCG Republic

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ここでピアノを弾いているハクエイ・キムが個人的になんだか縁がなく、これまでリーダー作を聴いていません
自blog検索すると参加作は2つ出てくる
 "Sector b" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a61093238.html )
 "Fotos" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/486278044.html )
そんななか、本田珠也を擁したトリオ作が出るってんで、ちょろっと試聴したらこれが凄かったので速攻買いに走ったもの。

メンツは、ハクエイ、珠也に杉本智和を加えたトリオ。杉本智和は過去に日野皓正のアルバムで聴いています。
 "Beyond The Mirage" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/473262473.html )
 (このアルバムのメンツも凄い)
ハクエイキム(P)、杉本智和(B)、本田珠也(Ds)

演奏曲は、杉本が1曲、ハクエイが7曲のオリジナルを提供していて全部で8曲。
1.Construction Site
2.Your Sky
3.Fish Market
4.The Calm ( Before The Storm)
5.Ladders
6.Rosario
7.See You On The Other Side
8.Yuse

テーマはFusi o n的なキメのあるような曲という感じではあるが、展開にひと捻り入れることで一筋縄ではいかないサウンドを作り上げているような曲が多く並ぶ。
もっともソロに入れば、がっつりとヘヴィなサウンドに終始するジャズ的に充分な満足度の演奏を聴かせる。
そのソロは、
しっかりしたタッチで粒立ち良い、ちょっと堅めな音色で、おおらかで美麗なフレーズを緩急をつけながら紡ぎ出してゆくハクエイのピアノ
豊かな低音をゴリっと響かせながらハードなフレーズを奏でてゆくベース
そして、このアルバムの肝はなんといっても本田珠也のドラム
音数も多いのでパワフルで強烈に迫力あるサウンドが押し寄せてくるような重圧感すら感じさせる
と言った感じで、全体としては聴き応え充分な演奏をたっぷりと楽しむことができます。

ベストは2曲めでしょう

"Time Is On Our Side" BCG Republic (https://www.amazon.co.jp/dp/B0DVGBPJDT/ )

小松悠人カルテット(20250430)

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ライブをよく見ている永武幹子、伊地知大輔の両名が参加している小松悠人の新作(下記)が5/14にリリースされます。
 "Defune" (https://www.amazon.co.jp/dp/B0F3C8SKQ8/ )
その後、このアルバムのレコ発ツアーをやっていることを知り、その最後が新宿Pit Innでありタイミング的に行けることがわかったのでいそいそと出かけてきました。
開場10分前に着いて、前に7〜8人は待っていました。

ステージは、いつもの新宿Pit Innでのセッティングとおり、左にピアノ、右にドラム、中央奥にベース、その手前に小松悠人が立つ配置。
メンツはアルバムと同じで以下のとおり。ドラムの力武誠を生で聴くのは10年以上ぶり
小松悠人(Tp)、永武幹子(P)、伊地知大輔(B)、力武誠(Ds)

定刻を10分も過ぎたところで開演。アルバムに収録されている曲を中心とした選曲。
小松のトランペットは、溌剌とした強めの吹奏がとくに魅力的に響いていた。
ハイノートも駆使し、速いフレーズも溌剌とした音色でバッチリこなしていくのは、実に痛快。
その分、繊細な音出しの場面では少し粗さもみられるようだったが、それが味わいに繋がっているようにも感じられた
全体にメロディアス、スウィンギーなサウンドイメージな曲が並んでいるため、永武もフリー要素はほとんど封印してメロディアスな演奏でエモーショナルな演奏をアグレッシブに弾きこなし、多彩な表現なソロもバッキングもたっぷりと楽しませてもらった。
久々に聴く力武のドラム。
これまでは、音数過多のやかましいドラミングという印象(ゴメン)だったが、今日の演奏を聴いていたら自然と旋律が思い浮かんできて、メロディを想起させるような唄心のあるドラミングであることをひしひしと感じた。
この唄心を魅せるためには必要な音数だということを実感できて、この期に及んで(恥)力武の真骨頂を実感した次第。
伊地知のベースは、いつものように冷静にリズムをしっかり刻んでペースメーカーを担っているようで、速いテンポでも丁寧な運指でしっかりとスウィング感を出しているところが、なんだかんだ凄いなと感じながら聴いていた。

小松が、いくつかの曲で開始時に後ろを向いたままイントロを聞くのは、展開の指示をしてそうでもしかしたらただの演出かと思ってみたり..。
自身のテーマ演奏のあと、次のソロ奏者をトランペットを向けて紹介し、終わったところで手を差し向けて拍手を促すさまがわかりやすくて好感触。
こういうさりげない客いじりって実は大切なんじゃないかと思ってみたり..。

お客さんは最終的に4〜50人くらいいたんじゃないかと思う、かなりの客入りでした。
1st 50分くらい、2nd 45分くらいでそれぞれ5曲ずつくらいの演奏に、アンコールにも応えてくれ満足度の高いライブを堪能させてもらいました。
終演後、永武さんが声かけてくれて、「Pit Inn珍しいですよね、国立にいるかと思ったw」なんて言われたところで、辞してきました

"Invisible Diary" 中村海斗

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中村海斗は、魚返明未のレギュラートリオのメンバーというのが個人的には馴染み深いところ。
その近作は下記
 "照らす" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/504213530.html )
そのトリオの面々が参加している森田修史の新作が、最近の話題作になると思う。
 "See you on the other side" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/513519282.html )

彼の2作めのリーダー作がリリースされたので、速攻買いを決めています。
前作の紹介は
 "BLAQUE DAWN" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/499021152.html )

メンツは、魚返トリオの盟友高橋陸のベースに、フロントは前作同様に佐々木梨子のアルトを起用、そして加藤一平が入る!
中村海斗(Ds)、佐々木梨子(As)、布施音人(P)、高橋陸(B)、加藤一平(G:1-3,7-9)

演奏曲はすべて中村海斗のオリジナルで全部で9曲
1.Endless Spring Vacation
2.Withdraw
3.バルバロ
4.Little Warm Winter
5.Part 1. Hometown
6.Part 2. Unpredictable Inevitability
7.Part 3. Dada's Hands
8.Part 4. Memorial Days
9.Part 5. <(%9 2(<8%\%××〒6

16ビート,8ビートを基に置いたような感じではあるが、このビート感を崩す音が随所に散りばめられ、フリー濃度濃いめなサウンドに仕上がっていて、ちょっとドロりとした気配をも感じさせる
中村のドラムが曲の展開によって自由度の高いドラミングから、演奏を鼓舞するようなビート感、
さらには全体をまとめ上げてゆくようなドラミングと、音数は多めってことになると思うが多彩に変幻自在な表情を見せてくる
フロントを担うのは佐々木のアルトになるが、叫ぶような音色の咆哮がある種の緊張感を呼び起こし、全体のテンションを上げていくような感じで、このバンドにこのサックスは見事にハマっている
クオリティの高いサウンドを披露している
布施のピアノが、キラキラとしたサウンドを響かせながら、それでいて全体の雰囲気を落ち着かせる方向に作用しているような感じ
これは高橋のベースがメロディアスなフレーズを交えながら、それでいてガッチリと下支えをしているのとともにリズムの強靭さに繋がっている
前半と後半の3曲ずつ加藤のギターが入ってくるが、あの独特の加藤のサウンドを入れてきているが、
そのインパクトの強さは強烈で、すべての曲に入るとその影響力の強さにアルバムの方向性が変わって主役が誰なのか分からなくなりそうなくらい
しかしこのサウンドはいつどういう状況で聴いても痺れる
ピアノ、ベースのたっぷりとしたソロが用意された曲もあり、メンバー各自の演奏もしっかり楽しめるところは中村のやさしさなんじゃないかと思う。

ベストは8曲めでしょう。

"Invisible Diary" 中村海斗 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0DT4BPTCY/ )

"Tides Of Blue" 栗林すみれ, 藤本一馬, 須川崇志

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栗林すみれのリーダーアルバムを紹介するのはこれが3作め
過去2作の紹介は以下のとおり。
 "Live At Dede Studio Tokyo" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/483815668.html )
 "Nameless Piano" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/505604616.html )
あとNiran Dasikaのリーダー作でピアノを弾いているのも聴いています。
 "SUZAKU" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a64477405.html )
ライブも以下のとおり聴いています。
 "20231208" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/501701858.html )
 "20240719" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/504069383.html )

本作はメンツ見て買いを決めてまして、そのメンツは以下のとおり
ギターの藤本は、林正樹のアルバムで聴いている人です。
栗林すみれ(P)、藤本一馬(G)、須川崇志(B)

演奏曲は栗林が4曲、藤本が3曲のオリジナルで全部で7曲。
1.Tides of Blue
2.The Ways to Come Back Home Again
3.Let Me...
4.Dew
5.Here My Home
6.Pathway to Light
7.Road

たゆたうような程よく抑揚を効かせた栗林のピアノ
ピアノを弾く楽しさと気持ちの優しさとを感じさせるような演奏
聴いていて、ある瞬間にLyle Maysを感じることがあるのだが、昨今のミュージシャンは多かれ少なかれPat Metheny Groupの影響はあるってことなんでしょう
須川のベースによるアルコ弾きが包容力のある低音を優しく響かせる。
曲によってピチカートでのソロを披露するが、こちらは力強さ、強い意志のようなものを感じさせる。
優しさのあるピアノを、さらに優しく柔らかく包み込むような演奏が心地よい。
藤本のギターが奏でるバッキングではほぼ目立たず、ピアノとのユニゾンだったり、ちょっとしたリフだったり、そこはかとなく彩りを添えるような演奏。
ソロではちょっと強めのタッチを含めてアクセント的なことを意識したような美しいフレーズを聴かせる。
牧歌的ではないがどことなく郷愁を誘うようなサウンドで、全体にゆったりとしたテンポで気持ちを穏やかにさせてくれるような心地良いサウンドに酔いしれる

ベストは2曲めにしましょう

"Tides Of Blue" 栗林すみれ, 藤本一馬, 須川崇志 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0DTNF2SMH/ )

"See you on the other side" 森田修史

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森田修史のリーダー作は、個人名義としては初になるんだと思う、2013年頃に森田, 岩見, 永田の3人でメキシコトリオというバンドを組んでおり、これはかなりはまって聴いておりました。
 "滝の見える熱帯の風景" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62259266.html )
 "準備万端" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62814990.html )
ライブも相応回数
 "20131228" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62334077.html )
 "20140329" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62490215.html )
 "20140801" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62751310.html )
 "20141226" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a62980675.html )
 "20150704" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/a63260250.html )

その後しばらくご無沙汰してましたが、2023年にTempに客演してから定期的にライブが行われています。
 "20230728" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/500184654.html )
 "20231209" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/501711142.html )
 "20241227" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/507627534.html )
そんなタイミングでのリーダー作の発表は個人的には満を持してという印象。

メンツは、曲毎にメンツが変わっており、その詳細は以下のとおり。
ほぼレギュラーグループといえそうな魚返トリオ(魚返, 高橋, 中村)を主体にしているような感じ。
森田修史(Ts)
魚返明未(P:1-6,11)、小沢咲希(P:7,8,12)、吉澤はじめ(P:9,10)
岩見継吾(B:1,3,5,11)、高橋陸(B:2,4,6)、冨樫マコト(B:7,12)、水谷浩章(B:8-10)
小松伸之(Ds:1,3,5,11)、中村海斗(Ds:2,4,6-10,12)
野村美空(Vo:9)

演奏曲はすべて森田のオリジナルで全部で12曲。
1.とまらない夜
2.Anticipation
3.Hugh's Sketchbook
4.Into the forest
5.Judgement
6.アサギマダラ
7.Losstime
8.まだ降らない
9.そこから先の話
10.See you on the other side
11.中央高速アイスバーン
12.2003年のバラード(ボーナストラック)

往年のメキシコトリオをも彷彿とさせるノリの良い(ラテン調のリズム?)を感じさせるサウンドが1曲め
この曲が極めてノリが良い
以降はほぼ交互にゆったりめなテンポの曲が現れるような曲構成
メンツは曲ごとに入れ替わっているが
ピアノは、美麗でありながら熱気を感じさせる魚返が前半の6曲を担う。
他の2人は、小沢の軽快でありながら少しエレガントさを感じさせるものと、吉澤のリリカルで安定感のある演奏とが担う。
ベース、ドラムは、中村、高橋のペアは、魚返トリオそのものがメンツなので、そもそも絶妙なコンビネーションを魅せる。
繊細さの中にも迫力を感じさせる中村のドラムに、メロディアスでありながら凄みも感じさせる高橋のベースが絡む。
小松、岩見のペアは、小松の音数は多いが繊細さのあるドラミングに対し、ゴツゴツしたタッチの強さを見せる岩見のベース、バラード曲にもハードな気配を感じさせるところが見事。
曲調毎にメンツを変え、曲の雰囲気にきめ細やかに反応する森田のサックス。
速めのテンポの曲ではハキハキとした切れ味の良い演奏、ゆったりめな曲では丁寧な運指でしっとりと聴かせる。
とくに2曲めのバラードの思い入れたっぷりといった風情をみせる演奏が見事。
7曲めの小沢、冨樫、中村のエレベが入った8ビートの小気味良い軽快なサウンド、
9曲めではボーカルが入り、11曲めの軽快な曲調からフリーに傾れ込む展開。
さらに、調和から不調和になる曲(高速アイスバーンってのは言い得て妙)があったりと多彩な曲が並ぶ。
それでいて全体の雰囲気は散漫な感しかしないのは、森田のサックスの支配力ゆえか。

ベストは1曲めにしましょう

"See you on the other side" 森田修史 (https://www.amazon.co.jp/dp/B0DKWYN1QS/ )

Temp(20250328)

20250328a


TempのNo Trunksでのライブに久々に赴きました。その記録は以下のとおり。
前回がちょっと間が開いておりまして、約1年前でした。
 "(20221209)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/494660101.html )
 "(20230408)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/498937590.html )
 "+1(20230728)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/500184654.html )
 "(20231223)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/501852955.html )
 "(20240302)" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/502548079.html )

Tempのメンツは以下の通り
伊地知大輔(B)、魚返明未(P)、加藤一平(G)
ですが、今回はゲストに、ドラムの中村海斗が加わっています。
2023年に森田修史が加わったことがあるが、それ以来の4人体制でのライブです。
舞台は、左端手前に加藤のギター、その後ろに中村のドラム、ほぼ定位置のピアノ、その手前に伊地知のベースという配置。
加藤のエフェクタ類を筆頭に、いろいろ置かれ舞台側は結構な混みようになっている。

定刻を5分も過ぎたところで、演奏スタート。
伊地知の簡単な挨拶のあと、すぐに演奏を開始
今回の選曲は、Tempのオリジナル曲が2/3くらい、残りがスタンダードといった感じ。
Tempのやる曲は、テーマが非常に平易で判りやすいものなのだが、テーマの後の即興で、ここから尋常でないくらいに過激に発展していくところが魅力的。
今回も充分にたっぷりと堪能させてもらいました。
これまでのTempはドラムレスだったので、空間をたっぷりと空けたところに、加藤のギターが暴れ、魚返がそれに追従して熱気を帯びてくるような展開になるものだったが。
今回、ドラムが入ることで空間をドラム(おもにシンバル)が埋め尽くす中を、加藤のギターが切り込んでいくような展開が主体。
ドラムの音量が相当なので、加藤のボリュームも上げ気味、魚返のタッチもことのほか強かったように感じられる。
毎回そうだが、加藤の急激に音色を変える、そのタイミングと選ぶ音色のセンスの見事さに感嘆させられる。
今回とくにそのセンスに磨きがかかったような印象で、伊地知が演奏しながら顔の表情を終始変えていたのが印象的。
魚返のピアノは、さすがにドラムにかき消される場面もあったが、間隙を縫ったようなフレーズ使いで
存在感を見せていた。
上述のとおり、この日の魚返はいつもよりタッチ強めに演奏する場面が多かったような印象
中村のしなやかだけど迫力のある、音数は多めだが全然五月蠅さを感じさせないドラミング。
ソロこそほぼなかったが存在感は抜群で、インパクトのあるサウンドをたっぷりと堪能させてもらった。
対照的に伊地知がしっかりペースを守った堅実な演奏に徹していたのが印象的。
このベースがなければ演奏がどこにいってしまうかわからないような気がするくらいだが、この役回りをしっかり堅持しているのはさすが
全体に1st setより2nd setのほうがテンションが上がってきてよかった

1st setが1時間弱、2nd setが1時間強にアンコールにも応えてくれました。

途中のMCで、Tempのスタイルを発展させるってことで、中村のドラムがメンバーに入って今後は4人体制での活動になるそうです。
次回は7月頃に行われる予定だそうです。
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