2_634


栗林すみれさんのリーダー作を聴く(というか紹介する)のはこれが2作め。
過去に2021年の下記作を聴いていますが、これはほぼ石若目当てでありました。
 "Live At Dede Studio Tokyo" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/483815668.html )
本作は、図書館にあるのを見つけて借りてきたもので、そういう意味では、あまり良い聴き手ではありません。
が、ライブでは過去に2回生演奏を聴いています。
 "20231208" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/501701858.html )
 "20240719" (https://jazz-to-audio.seesaa.net/article/504069383.html )

本作は2020年にリリースされたソロ作。
栗林すみれ(P)

演奏曲は、栗林すみれのオリジナルがインプロ含め3曲(1,6,7)。
他は、Jesse Van Ruller(2),Esbjorn Svensson(3),Giovanni Paisiello(4),Sammy Fine(5),Giovanni Scasciamacchina(8),,Jimmy McHugh(9),Richard Rodgers(10)
と、イタリアオペラ、ミュージカルからの曲も含め様々な人の曲を持ってきて全部で10曲。
1.Nameless Piano
2.Cow Daisy
3.Believe, Beleft, Below
4.Nel col piu non mi sento
5.I'll Be Seeing You
6.Improvisation "Colored Woods"(inspired by Kaii Higashiyama)
7.Improvisation "Piangere
8.Ship
9.A Lovely Way To Spend An Evening
10.Edelweiss

1曲めが軽やかな疾走感の演奏で、2曲めはキースを彷彿とさせる場面も。
アルバム前半はノリやすいテンポ感のある演奏を並べていて、後半はテンポをキープするよりタメを重視して曲の情感を意識したような演奏。
インプロ曲が2つ間に挟まるが、これらも煌びやかな美しさを感じさせるような演奏で素晴らしい。
全体的に、曲の美しさを前面に押し出していくような演奏ではあるが、
ソロピアノなので自在に音の雰囲気を変えていけるはずだが、アグレッシブな展開に持っていく場面は一切なく。
そういう意味では、自身のアイデンティティを美麗な演奏に振り切ったような感じ
それが故に、美麗曲の美麗さをたっぷりしっかり見せつけてくれ、曲によりフレーズを唄う場面がありその相乗効果も見事
最後の曲がエーデルワイス、旋律を慈しむように、丁寧にゆったりと奏でて締めくくられる

ベストは6曲めにしましょう

"Nameless Piano" 栗林すみれ (https://www.amazon.co.jp/dp/B083XYRFF5/ )